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少年の冒険

作者: 豚猫まん

 行男は小学2年生。授業が終わり、下校していた。いつもの通学路を歩いていく。新鮮味のない慣れた道だ。しばらく歩いていると、見慣れない細い道を発見した。コンクリート舗装のされていない、雑草が生い茂る土の道。いつもとは違う道で帰ってみよう。そう思った行男は細い道を進んでいくのだった。


 その道は木が多く、奥に行けば行くほど薄暗くなっていた。所々に溜まった落ち葉。散乱している木の枝。人の通りの少ない自然の道を進む行男は、すっかり探検者の気分になっていた。しばらく行くと道は広がっていき、やがてコンクリートで舗装されている通りへとたどり着く。近くには田畑が広がる、サイクリングロードの様な所だった。さっきの道と比べ、ここは散歩している人が多く見受けられる。犬を連れている人も多く、あちこちに犬の糞が散らばっているのだった。


 行男はこの道を真っ直ぐ歩いていった。途中で老人が散歩させている犬の脱糞している所に出くわした。少し離れて様子を伺う行男。犬のウンコは山盛りになっていた。老人と犬がその場を去ったのを確認すると、行男はそのウンコに近づいていく。そして反動をつけてジャンプし、出来立てのウンコを思いっきり踏みつけた!!!ベチャアア!!!!

 犬のウンコはまだあちこちにある。行男はそれを見つける度に思いっきりジャンプし、思いっきりウンコを踏みつぶす。普段、児童の多い通学路でこんな事をすれば、たちまちウンコヤローというあだ名をつけられてしまうだろう。だが今は近くに誰もいない。思いっきり遊べる。行男はウキウキしながらウンコを踏みつぶして遊んでいた。


 途中、住宅街へ戻る道を見つけ、その道を進む行男。長い坂道は進むのに一苦労だ。坂道を登り終えると、一直線の長い道。その上をに引かれている電線の上には、大量の鳥がとまっていた。その一直線の道をよく見ると、鳥たちの白い糞でベチャベチャになっている。ここを通ればどうなるか容易に想像がつく。だが、行男は引き返すという選択肢など持っていなかった。心なしか、ワクワクした様子でリレーのスタートの構えをとる。そして一気にスタートダッシュ!!!


 長い道を猛ダッシュする行男!!その頭上に降り注ぐ糞の雨!!!それを避けながらゴールを目指す行男!!地面に落下した糞の音が行男の緊迫感を上げていく!!走る行男の左肩に、鳥の白い糞が命中!!うわあああああああああ!!!!!!だが止まってはいられない。容赦なく続く糞の土砂降り。もうすぐゴールだ。行男は終点のT字路へ到着した。ランドセルを確認すると、糞の攻撃を2発喰らっていた。行男はランドセルを再び背負い、心地よい達成感を胸に右へと曲がっていった。


 住宅街を進む行男。この辺りは前に来たことがある。もうすぐ家に着くだろう。そんな事を考えながら歩いていくと、見たこともない公園が見えてきた。いつも行く公園よりも大きい。早速公園へ向かう行男。

 公園にはタコの姿を模した大きな滑り台、ブランコ、上り棒、ジャングルジムなど、様々な遊具が勢ぞろいだった。行男は一際目立つタコの姿を模した大きな滑り台へと向かった。その頂上まで登り、辺りを見回す。いい感じの公園だ。行男は右の靴を少しだけ脱ぎ、正面に向かって右足を思いっきり振り上げた。空中を飛んでいく靴。だが、その先には一人の少年がいた。その頭に靴が直撃する。


 「おい、オメー!!!!!なにすんだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」


 自分より少し背丈の大きい少年が、こちらに向かって叫んでいる。焦る行男。激怒している少年はこちらに向かって走ってきた。行男は滑り台を降りた。少年が目の前に迫ってきた。


 「謝れよ!!!!!!!殺すぞ!!!!!!!!」


 声を荒げる少年。行男は少しも臆する事無く、こう叫んだ。


 「うるせーよ!!!!!オメーがそんなところにいるのが悪いんだよ!!!!!ウンコヤロー!!!!!!」


 そう言って行男は少年の腹に前蹴りをお見舞いする!!!ドガァッ!!うずくまる少年!!!下半身を見てみると、小便と大便を漏らしていた。一気にたたみかける行男!!!少年の顔面にパンチの連打を浴びせる!!!ドカッ!!ドカッ!!ドカッ!!!!

 泣きながら丸くなる少年。そしてとどめに、少年の背中にエルボドロップを浴びせる!!!!ボガァアアアア!!!!!!少年は小便と大便を撒き散らしつつ、泣きながら帰っていった。


 勝った。行男は勝利の余韻に浸っていた。公園を後にし、住宅街を歩いていく行男。すぐに見慣れた風景が目に入ってくる。冒険を終え、家に帰ってきた行男。スリルの連続で楽しい帰り道だった。そして安心した様子でおやつを貪るのだった。


 大人になると寄り道する時間も余裕もなくなってくるかもしれない。だが、時には童心に返って寄り道をするのも良いだろう。きっと新しい発見があるかもしれない。



   完




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