第一話
俺の名前は黒野京一。都内の高校に通っている高校一年生の16歳だ。
そんな俺の半生だが、俺は都内のとある病院で産まれた。しかし、俺の両親はその後すぐ、交通事故で死んでしまったらしい。だから、俺は都心から少し外れた田舎町で爺ちゃんと婆ちゃんに育てられた。
ただ、爺ちゃんは去年の夏に死んでしまった。
そんな俺は今年の春、婆ちゃんの元を離れて一人暮らしを始めた。最初の頃は寂しいし、家で一人の婆ちゃんが心配だったから帰ろうとしたときもあった。でも、それから約半年が経った今はもう大丈夫だ。
なぜなら、俺にはこの半年で多くの友人が出来たからだ。一人暮らしにも少しずつ慣れてきて、今は友人に囲まれてとても楽しい日々を送っている。
こんな生活が出来るのも、毎月仕送りを送ってくれる婆ちゃんのおかげだ。本当に婆ちゃんには感謝している。
ところで、話は変わるがそんな俺は今、とても困った状況に陥っている。そのために、今俺は夜の住宅街を疾走している。
そして、そんな俺を正体不明の幽霊らしき奴らが10体ほど追いかけてきている。そんな逃走劇をかれこれもう10分ほど続けている。これが困った状況だ。
何故この様になったのかは俺にも分からない。でも、こうなるまでの状況を説明する必要はあるだろう。そのためには、時間を10分ほど遡る必要がある。