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始まりのキス
彼の言葉を聞いて、私は心を落ち着かせることにした。
いくら緊張したところで、、、
いくら胸を高めたところで、これが現実ということは変わらないんだから。
少しして、彼は退院することになった。
彼の怪我も、そこまでは酷くなかったので、軽い入院で済んだのだ。
だが、私はいまだに、武智君が憎い。
いくら後遺症が残らなかったとはいえ、、、
いくら彼と私を結び付けてくれたとはいえ、彼に怪我を負わせた相手を許せるわけがない。
そんなに私は優しくはない。
だが、本人は、 彼は違った。
「もう許してやれよ」
「あいつもすごく謝ってたじゃん」
「もういいんじゃね?」
これは彼が、退院後2週間して口走ったセリフである。
「あなたは、どれだけ優しいのよ!!」
私は、彼に思いっきり突っ込みを入れ、キスをした。
それは、私が初めて彼にしたキスで、
彼のことを“大好き”だと自覚した時だった。
これにて完結です。 ありがとうございました!




