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彼との会話
後で知ったことなのだが、「会わしてあげる」と言った人は、カズ君の元彼女の真由香という人だった。
なぜ、彼女が私をカズ君に会わしてくれたのかはわからない。
けれど、彼女のおかげで私はカズ君に会うことができた。
それは、どれだけ感謝したところで事足りない。
私はそのことを胸に置き、病室の扉をノックした。
「どうぞ…」
少し重たそうな声が扉の向こうからする。
私は、香里という人に「お願い」「外で待っていて」と告げた。
そして、私は中に入る。
すると、彼は何気ない顔でテレビを見ていて、私のことを私がベッドの前に到着するときにやっと見た。
そして、彼は私を見て不思議そうな顔をしたので、私は慌てて言葉を口から洩らした。
「初めまして…?」
「一応は始めましてではないんだけど…」
「私のこと…」
すると、彼はここで私の言葉を遮り、話し始めた。
「わかるよ、君のことは…」
「俺がよく行く喫茶店でバイトしてる子でしょ?」
「どうしたの?」
「よくここがわかったね」と少しだけ微笑みながら…。




