第三十一話 家の中彷徨って
さて、今回は久々の翔視点です。
真琴がいなくなって・・・そして真琴を覚えていない翔は・・・
翔が退院したのは真琴が退院してからさらに一週間後。
真琴が姿を消して、五日後の事だった。
翔は家に一人で帰ってきた。護や充は何やらやることがあるからと言ってどこかへ行ってしまっている。一人で帰ってきた翔は、玄関から上がり、リビングに行く。きれいに片づけられたそこはいつもと変わらない。でも、何故か何かを探すように辺りを見回してしまう。用もないはずなのに、キッチンまで覗きこむ。そして、何故かがっかりする。次に翔は、二階へと上がり、自分の部屋に入った。ここも何ら変わらない自分の部屋。若干散らかっているが、後で片付けを手伝ってもらおう。そう考えたところでふと立ち止まった。
「誰に・・・頼むんだよ・・・。護や充が協力するわけでもないだろ。あいつらの部屋だってこれ以上なんだし・・・。じゃ・・・誰・・・・。」
だが考えても、思い当たることはなにもない。
なのに、身体が何かを探している。
何を?
何なのか・・・誰なのか・・・
どう考えても、わからないわからない・・・
そこで、目に留まったのが、一つの眼鏡だった。
「あれ・・・これ誰のだ?俺のじゃない・・・。護・・は馬鹿みたいに視力いいし・・・充は俺よりも先にコンタクトにしたし・・・・。俺の周りで眼鏡かけてるやつなんかいない・・・・いない・・・はず・・・・。」
『・・・・・ん・・・・・さん・・・・・。』
「っ・・・・!!!??なんだ・・・今の・・・・・。誰の声だ・・・今の。」
記憶のかなたに
誰かの面影がちらつく
でも
それ以上に進まない
何かを忘れているということを
嫌でも翔は思い知っていた
「なんだっていうんだよ・・・・。」
それから約半年がたった。
翔達の家。
ぶぶぶぶぶぶぶぶぶ・・・・・・・・・・・・・・・・
翔の自室の机の上にあった携帯が震えた。メールのようだ。翔はそれを手にして中を見る。
「・・・・・・・・護から?」
護は朝からどこかに出かけていた。
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From:護
07/06 23:52
問題-♪
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さーて問題、明日は何の日でしょ
う?
P.S.
七夕じゃ不正解!!
「・・・・・・・・・・なんだこれ・・・。つか、明日って7月7日だろ?七夕じゃんか・・・。他に何の日だって言うんだよ。」
翔はそれ以上何を気にするわけでもなく返信を打ってそれをポケットにしまい、仕事のために出掛けていった。
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From:翔
07/06 23:56
Re:
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明日は七夕だろ?他になんかあっ
たか?
これから仕事行くから、あんま変な
連絡入れんなよ?
その返信を見て、街中で護がつらそうに顔をしかめたのも知らずに。
「やっぱね。翔が元に戻れるにはね・・・君がいなきゃだめなんだよ、琴ちゃん。」
そう言った護は再びバイクにまたがり、街のどこかへと消えた。
ちょっと時間というか日付には訳ありなのです。
解る方いたらすごいです。
あと、それがこれを投稿した日付と同じなのは、ほんとに偶然で、琉兎もびっくりしておりますw




