第三十話 誰にも告げずに
30話を超すなんて思ってなかったので、びっくりしてます!
ほんとは20話くらいかなと思ってたので!
これも皆様のおかげだと思ってます。ありがとうございます。
もうすぐ最終話ですが、それまでよろしくお願いします!
真琴はその二週間後に退院した。
退院してから二日後、一人向かった先は不動産屋だった。そしてとあるマンションの一室を借りれることができた。次に真琴は家にある自分の部屋に戻り、荷物をまとめ始めた。
そう、真琴はこの家を出ていくことを決めたのだった。
護たちは今は病院にいるはずだから、やるなら今しかない。真琴は不動産屋の帰りに買ってきた大きなキャリーケースに荷物を次々と詰めていく。新しいバイトも決めた。つい昨日採用の電話をもらっていた。だから、一人でやっていけないわけではない。かちゃっとふたを閉め、真琴はそれを率い廊下に出た。そのまま階段を降りようとしたがふと足がとある部屋の前で止まった。翔の部屋である。しばらく見つめていた真琴は、やや遠慮勝ちにその中に入る。翔が家を出ていってしまったときのままになっている部屋。ぐるりと部屋を一周するように歩く。するとある一点に視線が止まった。
机の上の電気スタンドの下に二つの眼鏡が並んで置いてあった。
一つは翔が以前までかけていた眼鏡。
そしてもう一つは、真琴が翔に買ってもらった眼鏡だった。
もう必要なくなって、とっくに捨てたと思っていた。それが今ここにある。どちらも真琴にとって思い出深いものだった。真琴はしばらく二つのそれを見つめていたが、そっと翔が以前まで使っていた方の眼鏡を手に取った。
「そういえば・・・一度も見れなかったな・・・・。翔さんが、眼鏡かけてるとこ・・・。きっと・・・かっこよく似合ってるんだろうな・・・・。」
きゅっとそれを握りしめた真琴は、そのまま部屋を出てそして・・・家も出た。外の郵便受けに、護達当ての手紙を入れた真琴は、誰にも言わず街のどこかへと消えていった。
出会ったことで一人ではなくなっていた。
それが当たり前の生活だと、真琴は思っていた。
けど
いまは、それは違っていると思っている。
もともと自分は一人ぼっちだったんだ
親も身寄りもいない・・・・施設に預けられた孤児
それがナカザワマコト。
でも
あの時出会って
一緒に暮らせて
好きになって
人と関わる
一緒にいる
それがどんなに素敵で
大変なことなのか身をもって知った
誰かと共にいることは決して当たり前なんかじゃなく、すごい奇跡だってこと
「僕は今も・・・好きなのは貴方だけなんです・・・・翔さん・・・・。」
貴方に会えて
ホントによかった・・・・・・・・・・




