第二十九話 遠くからしか・・・
見えるのに、でも触れることはできなくて
知ってるのに、でも知られてなくて
会いたかったのに、会うことも難しくて
近くにいたのに、今はもう遠くにいて眺めるしかなくて
こんなにも遠い存在だったのかなって思うしかなくて
護さんたちが説明してくれたことは僕にとって、衝撃的以外の何物でもなかった・・・
でもなぜか涙とかそんなのはなくて・・・ただそれを受け止められたのは僕も不思議で仕方ないけど、ああ・・・そうなんだ、僕は忘れられてもうあの人の中には居ないんだって・・・そう思えてるのが怖い。なんでだろ・・・あんなに取り戻したくて、やっと取り戻せたのに、なんで?
いまだって、好きなのは変わらないのに・・・・なんで・・・なんで・・・。
「どうしちゃったんだろ・・・・僕・・・・・。」
一人、病院のベットの上に仰向けに寝転んで、天井を見上げながら真琴はつぶやいた。すでに消灯時間は過ぎているため、真っ暗なのだが真琴は寝つけずにいた。
あまりにも現実からかけ離れすぎたことだからだろうか・・・・信じられてないのだろうか。
でも事実は事実。これが現実。
「どうしよう・・・護さんはできないって言ってたし・・・僕を見たって・・・会ったって・・・翔さんが思い出すわけないし・・・じゃなきゃあの時に思い出してるはずだもんね・・・。僕には何もできることは・・・ないんだよ・・・ね。」
ううん・・・一個だけ
一個だけ僕ができること
あるんだけど・・・・・・・・・
それをしたらきっと護さんとか充さんは怒るだろうな
そして心配とかしてくれるんだろうな
やさしいもんね・・・初めて会った時もそうだったし
あの人たちのことは僕が一番よく知ってる
だから・・・だからね・・・・
こうするしかきっとないんだよ・・・・・・・・・・・・・・きっと
「うん・・・そうしよう・・・。退院できたら・・・すぐにでもそうしよう・・・。」
真琴は一人、決意を固めたのだった。
ほんとはもっと泣きわめいて壊れさせようかとも思いましたが、それではあまりにも・・・なので、あっさり目な感じになりました。
いよいよクライマックスになってきましたね!最後までお付き合いいただけたら嬉しいです!!




