第二十二話 決意と強さ
ラストに向かうにつれやはり暗めな話になってきてますね。
信じられない、否、信じたくない光景に真琴は思わず止まってしまった。
だがそれを奈央が見逃さないはずもなく、固まって動かない真琴の背中を思いっきり蹴っ飛ばした。
「うがぁっ・・・・!!?」
手加減なしにけられたのと、まだ治っていない痣に響く痛みが真琴を苦しめた。真琴は床に倒れ込む。
「油断しすぎじゃない?そんなに危機感っていうのがないの?そうだよね、今まで散々守られながら生きてきたんだもんねぇ?だからそんなひ弱な存在でも此処まで生き残ってきてるんでしょ?」
「うっ・・・あ・・・・・ちが・・・・。」
「僕があの人を愛してないって?なんでお前にそんなことが分かるの?誰が誰を愛してるかなんて、見ただけじゃわかんないのにさぁ?なに、全知全能だとでもうたう気?ばっかじゃないの?」
「そんなんじゃ・・・ないよ・・・・。でも・・・ほんとに・・・ほんとに好きなら・・・今の翔さんはあそこには居ないよ・・・。」
何とか起き上がりながら、真琴はちらりと後ろの方にいる翔の姿を見る。
そうだ、ほんとに好きなら・・・ほんとに翔さんが大切なら・・・あの人が苦しんでる力をわざわざ使わせるなんて・・・僕ならしない・・・。
「君は、そう勘違いしてるだけなんだよ・・・。だから・・・僕が君の眼を覚ます!!」
その真琴の言葉に反応するように、二匹の式、コクとビャクが姿を現す。
「無駄だよ。そんな式、僕の能力『侵略』の前では無力なんだよ。どんなものも濃い闇に飲み込まれ、侵されていくんだから。」
「なら、飲み込まれないように抗うだけだよ。コク、ビャク、護さんたちよろしくね。」
「クゥン!?」
奈央に敵意を向けていた二匹はそんな真琴の言葉に驚いて真琴の顔を仰ぎ見る。だがそんな二匹に真琴はただほほ笑むだけだった。二匹はそれ以上何もせず、たっと護たちのほうに向かった。
お願いだよ。翔さんが、護さんたちを傷つけてしまわないように・・・・。
「いいの?あの二匹いたほうが少しはましだったんじゃない?」
「もう、僕は誰かを頼りっぱなしなのは耐えられない。その甘さが、みんなを苦しめるってわかるから・・・・だから、僕一人で君を止める。」
真琴はしっかりと奈央だけを見つめた。
こんな強い子だったかしら?真琴君は・・・。




