第九話 突然のサヨナラ
頭が真っ白になりそうなのに、何故かそうならなくて・・・。ただ、その隙間から見えてしまった光景に、頭が揺さぶられる。ドアの前で、真琴はヘタリとその場に崩れた。唇がわなわなとふるえ、それが全身に広がり、震えが止まらなくなる。さっきから鼓動がうるさく感じられるほど力強く脈打って・・・見開かれた瞳も徐々に視点が定まらなくなってくる。
なにあれ
なにあれ
なにがどうなってこうなってるの・・・・・・
「盗み見とか、いい趣味してるね。」
「っ・・・・!!!?」
気がつくと、翔に抱きかかえられた奈央がリビングから出てきていた。
「言ってたよね?僕が奪うからって。ちょっと警戒心足りなかったんじゃない?それとも、この人が僕についていかないとでも思ってたわけ?残念でした、人の心ってね、簡単なんだよ?僕にとっては。たとえ誰の心でも、簡単に支配できるんだ。」
あははっと笑う奈央。だが、真琴の視界には奈央の姿など入っていなかった。ただ一人、翔の姿だけだった。その翔は、真琴を何の感情もともしていないかのような冷徹な目で見おろしていた。
「じゃあね、もう会わないと思うけど。この人はもらってくからね。やっぱり、『白姫』ってそんなもんなんだよね。一人じゃなんもできない・・・ただのできそこないッて感じ?ね、いこ?」
翔にそう促した奈央。翔はその言葉に従い、くるっと踵を返してそのまま玄関に向かい始める。そんな翔の服の裾を、真琴は震える手でつかんで引き留めた。
「・・・・で・・・・・・行かないで・・・・翔さ・・・・・・おねが・・・・此処・・・いて・・・・・っ・・・なんで・・・・どうして・・・翔さ・・・なんで・・・なんで・・・奈央なんかに・・・・なんでぼくじゃ・・・・。」
「俺・・・・もうお前のこと・・・・・・・・どうも・・・想ってない・・・・。」
振り返りもせず、いい放たれた翔の言葉に、真琴が衝撃を受けないわけもなかった。こぼれおちる涙とともに、限界に達した真琴の意識は失われ、雫が床に落ちるとともに真琴の体は床へと倒れた。
薄れゆく意識の中、遠くのほうで扉が閉まる音を聞きながら・・・・・・・
此処から暗い展開になってくかなと・・・前作同様ラブ要素皆無。
あれ~・・・どこいったんだろうね。てか、私はどうしても真琴と翔を離したいのか・・・。




