ミルクチョコ
『おまえ、捨てられちゃったのか…』
僕はそう言いながら、人差し指で子猫の頭をちょんちょんと撫でた。子猫は、嬉しそうに笑ったような気がした。
《よし。おまえに僕の親友を紹介してやるぞ》
僕は、そう思いながら子猫を抱き上げた。この子猫と友達になることに迷いは無かった。
『チョコ、ただいま』
部屋についた僕は、まずチョコに話をした。
『チョコ、友達を連れてきたんだ。できれば、仲良く一緒に暮らしたいと思うんだ。どうかな?』
「ミャーミャー」
チョコは、優しく子猫を受け入れてくれたかのように返事をした。
『そうか、よかった。また友達が増えたぞ。名前は…なにがいいかな』
『白い子猫だから…ミルクなんてどうだ?』
白い子猫は、わかったと言わんばかりに微笑んだ。
『チョコ、新しい友達のミルクだよ。よろしくね』
「ミャーミャーミャー」
チョコは先輩面して返事をしたように見えた。そして、三人での生活が始まった。
ご飯やおやつ、トイレもチョコが先輩となりミルクのお手本になっている様子が伺える。チョコとミルクは、いい友達関係を築いているようだ。ちなみにミルクも男の子。みんな男同士、気を使わなくてラクだ。僕が仕事をしているときは二人で仲良くしているみたいで、チョコにとってもこれでよかったのかもしれない。




