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どうしてこうなったのぉぉ!

前回と前々回は短くてすみません。

でも今回は! ラブコメ度たっかいのですから!

「う〜ん、アメリアが可愛いなぁ……」


 耳元でささやかれる。そのせいで耳朶に吐息を感じてしまい、うっとダメージを食らう。ぎゅっとわたしのお腹にまわされた手は何か大きなぬいぐるみを抱きしめているかのようだ。


 今現在、わたしはソファに座った師匠の膝に座らされながら、お腹に手を回され、耳元では可愛いを連発でささやかれている最中だ。


「んん〜、アメリア可愛い……」

「どうしてこうなったのぉぉ!」


 わたしの悲痛な叫びは師匠に抱きしめられて消えていった。


♢♢♢


 遡ること二時間前。


 冬が始まり、本格的に家に籠り始めたわたしたち。そんな中でも、師匠は新たな魔術の展開を考えており、今日新たにそれを一つ完成させたのだ。その祝いだと言って、師匠は久しぶりにお酒を飲み始めた。最初は果実酒。この国では十七からお酒が飲めるけれど、わたしはまだ十六歳なので、ジュースを飲んでいた。


 次第に発泡酒へと移行し、師匠は少し酔ってきていた。


「この料理美味しいですね。お肉にこのタレは最高!」

「だろ? お酒にも良く合うわ」

「それは何よりですけど、あんまり飲み過ぎないでくださいよ」

「分かってる分かってる」


 そう言いつつも、次々とグラスに杯を重ねていく師匠。もう流石にとめようとしたときには手遅れだった。


「アメリア、かわいーな。あー、ほんと可愛い」


 自分の顔がどんどんと青ざめていくのを感じた。


(お酒を飲み過ぎると師匠ってこうなるんだ……)


 もう達観した気持ちになってしまう。


 がたん、と音を立てて椅子から立ち上がる師匠。慌ててわたしも立ち上がり、彼を補助すべく手を差し出した。師匠の手は温く(ぬくく)、頬はほんのりと上気している。普段は出ていないはずのフェロモンを感じ、わたしはふらりとよろめく。


(どうしよう、思ったよりも師匠が格好良すぎて直視できないかも……)


 その瞬間、ふらっと師匠が姿勢を崩した。


「ししょっ……!?」


 支えようと腕を掴んだは良いものの、師匠はバランスを崩したままこちらに方向転換してきた。


(え、ええええっ!?)


 十六の女子が成人男性を支えられるはずも無く、わたしまで巻き込んで二人して床に倒れ込む。


「ぅ……いたた、———師匠? 大丈夫ですか?」


 声をかけるも、返事が無いことに焦る。まさか、頭を打ったりしたのだろうか。


「師匠?!」

「ん……アメリア……」


 良かった。安堵の息をついて、わたしの上に倒れ込む師匠を覗き込もうとしたそのとき。


「きゃっ……!」


 師匠が酔っているとは思えないほどの俊敏な動きで、わたしの両腕を床に縫いとめた。それからわたしをそっと見下ろす。


「し、師匠? ど、どうされちゃったんです……?」

「アメリア……」


 切なげに顔を歪めたかと思えば。



「可愛い……」



「———はっ!?」


 わたしを拘束するために使っていた右手はそのままに、左手をわたしの背中にぐっと差し込む。そのまま強く抱きしめられた。


(ええええええっ!? ち、ちょちょちょっと!?)


 焦って頭も働かない。何とか逃げ出そうとするけれど、男性の力に敵わず、結局諦めた。


 そうしてしばらく二人で床に寝転がったまま、わたしは抱きしめられていたのだが、何故か師匠は急に覚醒したように身を起こした。ようやく目が覚めてくれたのかと安心してわたしも身を起こそうとすると、そっと膝裏と背中に手を回される。


「……え?」


 そのままぐいっと持ち上げられた。いわゆる、お姫様抱っこだ。


 叫びだしたいのを堪えて、目を見開く。ぱかっと口を開きたい気持ちでもあったけれど、それは我慢した。流石に酔っているとはいえ、好きな人の前ですし。


 そんなことを考えながら、現実逃避していると、おろされた先はソファの上だった。そのついでとばかりに、膝枕をされ、身体を起こす手伝いをしてくれたかと思うと、師匠の膝の上に座らされ、羞恥を味わわされているのだった。


「んも〜〜! どうすれば良いの〜〜〜!」


 結局どうしようもなくて、ただ叫ぶことしか出来ないわたしは、結局次の日の朝まで師匠に拘束されたままになっていたのだった。


感想に (*^^*)とか 笑笑 などでも嬉しいので、ぜひぜひ!(^^)

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