帰宅
短めです。。。
何か、話し声が聞こえる。耳が遠くなってしまったみたいに内容がまるで聞こえない。そう思うと同時に、ふっと意識が浮上するのを感じた。
「……アメリアには負担をこれ以上かけたくない。国王には会わせないで帰りたい」
「ええ、もちろんです。今回の件、陛下に代わり私が謝らせていただきたい。すまなかった」
「……不本意ではあるが、謝罪を受け入れよう」
やっとわたしの脳も働き始めたようで、師匠の声と王太子の声が聞こえた。ん、と重たい瞼をゆっくりとあげる。
「アメリア!? 起きたのか」
「……し、しょう……?」
「ああ。大丈夫か? 疲れていたんだろ。気分はどうだ?」
「……んん、もう平気です」
わたしがゆっくりと身体を起こすと、師匠が起きるのを手伝ってくれた。背中を支えてくれる。王太子も、水差しから水をグラスに注ぎ、わたしに手渡してくれる。
「すみません、ありがとうございます……」
「気にしないでくれ。先ほどは陛下が失礼な態度をとったり発言をしてしまい、すまなかった。アメリア嬢を追いつめてしまった」
「いえ……気になさらないでください。王太子殿下はとめようとなさってくれていましたし、わたしも不用意な発言は避けるべきでした」
「だが……」
「俺も不本意ではあるが、先ほど謝罪を受け入れた。逆に気にされると、俺たちが不快だ」
びしっと言い放った師匠に、王太子がはっとして黙り込み、一礼した。わたしがそれに逆に慌ててしまう。
「し、師匠。もう帰りたいです」
「ああ、そうだな。んじゃ、さくっと転移して帰るか」
「はい」
わたしは頷くと、王太子は慌てたように声を上げた。
「待ってくれ、この前、マネラル子爵令息とマネラル子爵令嬢がそちらに邪魔をしたそうだな。大変、失礼した。こちらできちんと処罰をしておいた」
「ああ……もう二度とすんなと国王に伝えてくれ」
「もちろん。貴方がたの家は特定していないから、安心してほしい。国王のもとに情報が入る前に、あの二人は罰しておいたから」
「当たり前のことだな」
何だろう、師匠が手厳しい。まあ、隠していたはずの家を探されたのだから、いやな気分になるのはものすごくよく分かるけれど。
「んじゃ、帰ろうか」
「はい!」
あの家に帰れると言う喜びで、思わず笑顔になってしまう。師匠が何故か眩しそうな表情をした。




