短編 其の二 〜師匠視点〜
ふっ、師匠視点です。
(何言ってんだ、俺! 何言ってんだ、俺!)
俺、ルイス・フェックラーはアメリアとの会話を終え、書庫室から出て行って自室へと戻る道を歩いていた。
頭の中はパニックである。混乱である。
(前も美人だなって思ったし、可愛いって思ったし、美しいって思ったけど、まさかあそこで言うなんて・・・! 馬鹿すぎるだろ、俺! 何も考えずに喋っちまってた・・・。あぶねえ)
しかも、繰り返して二度は言った気がする。
更に、その後の会話は覚えていない。
自分の失態を悟り、きゅっと靴を鳴らして立ち止まった。後ろをそっと振り返る。書庫室の扉はきっちりと閉まっており、アメリアが出てくる気配はない。
「何してんだよ、俺・・・」
一人、呟くが、その答えは返ってこない。いや、返ってこないでくれ、むしろ。
一人で恥ずかしさに悶えながら、また歩き始める。
(めっちゃくちゃ動揺してたよな、アメリア・・・)
アメリアは美人だろ、と言ってからすぐのアメリアは、ぽかんとしていた。その後、良く聞こえなかったと言ったアメリアにもう一度告げたら、彼女は真っ赤になっていた。
白い肌が朱に染まり、恥ずかしいという感情が露になっていた彼女。目は見開かれ、口は半開きのまま。
俺を見つめていたが、そうっと目をそらされた。
(やっぱ、きもいな、俺)
そう思い、項垂れる。歩きながら項垂れたら、前の壁に気づかなくてコツ、と靴の先が壁に当たって音を立てていた。
「・・・情けねえ、俺」
くるっと踵を返し、二階へ向かう階段を上がり、自室に辿り着く。入ったら、すぐにベッドに倒れ込もうかと思ったが、ふと壁を見た。
(ふ・・・)
そこには、アメリアが九歳の年の俺の誕生日に、彼女からもらったメッセージカードが魔術ではられていた。
『ししょうへ
いつもありがとうございます。
おたんじょうび、おめでとうございます。
ながいきしてください 』
まだ文字を習ったばかりのはずだが、かなり綺麗に書けている。流石は、アメリアだなと呟き、はっとした。
(いつの間にか、気がつけばアメリアのことばかり、考えているな・・・)
カードを元に戻しながら、そっと愛弟子を思い浮かべる。
そして、気がつけば、アメリアのことばかり考えて、笑顔になっているなと気づくのはもう少し先のこと。
♢♢♢
↓『アメリアは美人だろ』発言後の会話(書庫室にて)↓
「えっとですね、考えたのはですね」
「おお」
「えっと」
「なんだ」
「魔術師だからかなって思ってまして」
「なるほどな」
「はい」
「うん」
「ええ」
「そうだな」
「そうなんです」
ししょうは あらたなきづきを えた。
いつも読んでくださいまして、ありがとうございます!
結局、今日更新してしまいました 笑
気に入ってくだされば、☆を塗りつぶしてくださると嬉しいです(←こういう宣伝初めてっ...!何気にしたことなかった!笑)
次は、月曜日から水曜日のどこかで更新しようかなっと思っています。




