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16/21

とんでもない爆弾発言

今回は、ラブコメ色つよめ・・・。

 王太子とのお茶会から帰ってきた日の翌日。わたしはいつも通り、師匠の元で魔術を学び、家事をして過ごした。そして、午後はわたしは書庫室で過ごした。


(王太子とのいろいろなことがあってすっかり、頭から抜けていたけど・・・)


 わたし、死ぬんだった。十七歳で。


(もう、王太子とのこと(あっち)も考えないといけないし、どうしてわたしが死に戻ったのかも考えないといけない・・・! 考えることが多すぎて、頭がはち切れそう・・・!)


 わたしは読んでいた本をぱたり、と閉じて机に突っ伏した。


 状況を一旦、整理しよう。


 まず、わたしは何をするべきなんだろう。王太子との問題は、師匠が調べてくれている。わたしの方も、心当たりを探っているけれど、何も思い浮かばなかった。ジュネーラル伯爵家(わたしの実家)狙いなのかとも思ったが、もっと侯爵家とか公爵家に持ちかけるなり、別の国の王女殿下を迎え入れたりするという方法もあるはずだ。最善というわけではない。


 そして、わたしの容姿狙いと言うわけでもないだろう。わたしの容姿は平凡だ。瞳は大きく綺麗と人に褒められることは良くあるが、それだけ。そもそも、容姿が良い女性を迎え入れることの重要性が分からなかった。


 次に、わたしの魔術師という身分。これが一番有力かなと個人的には思っている。わたしは賢いと言うわけでもないし、それが王都に伝わる機会も殆どないだろうから、賢さという部分は考えるところではない。となれば、他の能力、つまり魔術を扱えるところだ。確かに、魔術はかなり便利。いろいろな魔術があり、それらを使えば国家転覆も可能ではある。————しないけど。


 その可能性を潰すため、魔術師を迎え入れようとしたのだろうか、とも思ったが、それも無いように思えた。何故ならば、王宮には国家魔術師と言う者がいる。その名の通り、国家のための魔術師だ。そのため、いざとなればその超優秀な魔術師たちが盾となるだろう。


(あれ、どうしよう。理由が一つもなくなっちゃったんですけど)


 わたしがうーん、と唸っていると、書庫室に師匠が入ってきた。


「どうした、そんなに唸って」

「いや、王太子とのことを考えていたんです。わたし、別に実家が太いわけでもないし、容姿端麗なわけでもないじゃないですか」


 わたしの声に、は? と師匠が首を傾げた。そして、銀色の瞳を瞬かせる。


「アメリアは美人だろ」


「・・・は?」


 今、とんでもない爆弾発言を聞いたような。


 いや、気のせいか。


「すみません、良く聞こえませんでした。えっと」


「アメリアは美人だろ」


「・・・。えーと、わたし耳がおかしくなったのかな」

「おかしくなってない! アメリアは美人だとそう言ったんだ」


 思わず、師匠の顔をまじまじと見つめる。師匠もわたしをまじまじと見つめ返した。


 お互いに見つめ合ったまま、何分くらい経ったろうか。


 わたしは、ぼんっと頬が熱くなるのを感じながら、そうっと目をそらしていた。師匠も、わたしの反対方向に視線をそらした。


「・・・えっと」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・続き、話しますね」

「・・・っ、ああ」


 師匠も恥ずかしくなったのか、あわてて頷いてくれる。流石にもうあの発言を繰り返すことは無かった。


 その後も、わたしは適当に先ほど考えたことをべらべらと喋っていたが、頭の中は別のことを考えていた。


(わたしが、美人・・・? 師匠が、そう言ったの? いや、え? 本当に?!)


 もう頭の中はパニックだ。混乱だ。


 どうしてくれるんだ、師匠め!


 もう師匠の顔は落ち着いたものになっていたが、わたしはまだ頬が赤いままだ。心臓はばくばくしているし、さっきから尋常じゃない汗をかいてしまっているような気がする。


 頭の中は先ほどの『アメリアは美人だろ』という師匠の声が何度も繰り返し流れていて、まともに思考が出来ない状態だった。


 そして、気づけば目の前から師匠はいなくなっており、書庫室にはわたし一人が残っていた。


「・・・え。いつの間に・・・」


 ぽつり、とわたしの呟きが空気にとけていく。


 先ほどの発言から立ち直れなかったわたしだけが、取り残されていた。

ゲシュタルト崩壊するぅぅぅ・・・。(←アメリアの内心)


次回は、ルイス視点になりまーす!

今日、更新してしまおうかな。。。

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