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感謝しとけ

すみませんんん!

木曜日に更新しそうとか言ったのに...!!

本当にすみません...。

「どうしましょう、師匠!」


 わたしと師匠は、その日のうちに家に帰った。本当は王都に少しの間、滞在する予定だったのだけれど、二人とも疲労困憊だったのと何だか王都にとどまるのは良くない気がしたので帰ることにしたのだ。


 わたしのせいで王都で色々と買い物をしようとしていた師匠に、帰るという決断をさせてしまったのは本当に申し訳なかったのだけれど、これはどうしようもなかった。どちらも嫌な予感がしていた。


「どうするも何も・・・。まずは、原因を探るしかねえだろうな」

「原因・・・。わたしと王太子殿下を婚約させようとする原因ですか?」


 師匠は疲労が色濃く残った顔でそうだ、と頷いた。


「何故、国王はあんなにこだわっているのか。そこが知りたい。目的は一体、何なのか」

「確かに・・・。わたし一人に一国の王が執着するのは不思議ですね」


 わたしが疑問を呈すると、師匠も唸った。


「どういうことだろうか。一体、国王は何がしたい?」

「さあ・・・? 分かりませんけど、まずわたしは深窓の令嬢ではないことは確かです。更に言えば、社交界に最後に出たのも、八歳のとき。もうコネクションなんて殆ど無いに等しい。王妃には向いていません」


 自分自身への分析が、悲しいけれどそれが事実だ。師匠も、苦い顔で頷いた。


「そうだよな。今頃になって、魔術師を王家に取り入れたいと思ったか?」

「でも、今までそんな素振りは一度も・・・。王家へ魔術師が嫁いだことは一度しかありませんし、それも王弟妃としてですよね」

「そうなんだよな」


 今まで、魔術師が政治の表舞台に立ったことは殆どなかった。一度だけ、女性の魔術師が過去に王弟妃となったこともあったけれど、それはだいぶ昔のことであり、今となっては魔術師は政治とは切り離して考えられている。


「魔術師を利用して、何か成し遂げたいことでもあるんでしょうか」

「そうかも知れんが、まだ断定は出来ない。そこは慎重に探っていく必要がある」

「探るって言っても・・・どうやって。王家のことを探るなんて、わたしの実家に頼ることは出来ないと思いますよ?」


 最近は、手紙のやり取りをしているだけで、もう殆ど会っていないけれど、王家について調べてほしいと頼むのは難しい。商会を営んでいるだけに、情報は多く集まるが、意図的に集めるのは怪しまれるからだ。


「分かっている。元から、アメリアの実家に迷惑をかけるつもりは無い。・・・かけるとしたら、俺の家だ」


「・・・師匠の、ご実家」


「ああ。ちょっと待ってろ、すぐに情報が上がってくるはずだ。それまで、いつも通り過ごせ。ただし、外に出るときは俺と一緒で。拐かされでもしたらたまらん。あの男なら、やりかねんしな」

「あの男って・・・ふふっ」


 国王をばっさりとそういう風に言ってしまえるのが面白くて、思わず吹き出す。


「分かりました。外には勝手に出ません。家の中で過ごします。————ご迷惑をおかけします、すみません」


 わたしの謝罪に、師匠は何故か怯む。


「謝るな。謝られると、対等じゃなくなるだろ。————それなら、感謝しとけ」

「っ! ・・・分かりました。ありがとうございます、師匠」


 そう言って、わたしはぎゅっと師匠に抱きついた。


 久しぶりに行うハグ。わたしが十一歳位のときに、もうやめてしまったけれど、久しぶりの抱擁とぬくもりは、こわばっていた心をゆっくりとほぐしてくれた。


「・・・しかたねえなぁ」


 そう言って、苦笑する気配の師匠がぽんっ、と頭を撫でてくれた。


 今が一番、幸せだ。

更新が遅れたお詫びに、もう一話更新しますっ!

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