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意識しはじめのとき

お久しぶりです・・・!

♢♢♢


(どうしたものか・・・)


 わたしは、自室ではあとため息をついた。今日で何回目かも分からないため息だ。それも、特大の。

 部屋からとぼとぼ、と出た。


 あれから、数日。魔術の特訓に励む日々はいいものの、あの日彼に撫でられてから、師匠を意識しまくっている。恐らく、師匠のことは以前から無意識に『意識』してはいた。『意識』というのは、—————男性として、と言う意味だ。


(ううう。わたしと師匠に限ってそんな事は起こりえないと思ってたんだけど・・・!!)


 しかし、どんなに思っていても、絶対はこの世には存在しない。現に、師匠を意識してしまっている自分がいるのだから。


「アメリア。はよ」

「ひゃああっ!?」


 考え事をしながら、洗面所に向かっていたせいで、師匠に気づくのが遅れた。目の前で眠そうにあくびをしながら挨拶をしてくれていたようだったけれど、わたしが叫んだために、彼はびくぅっと震えた。


「な、何だ? どうした!?」

「いっ、いえ! すみません、何でも無いんです・・・けど」


(まさか、あなたを意識して考え事してましたすみません、なんて言えるわけないじゃん!!)


 わたしだって、まさか人を一度気になると、一直線に好きという感情に突っ走っていく性格だとは思わなかった。だが、仕方ない。これも運命だと諦め、わたしは最近少し身だしなみに気を遣うようになった。前までは唇が乾燥していても、魔術のため師匠の記憶を取り戻すため! と意気込み、少しだけ放置してのちのち後悔する、ということを繰り返していたのだが、ちゃんと保湿をするようになった。肌も、全身すべすべになるようにして、爪も綺麗に切りそろえ、この際だからと前髪も切ってみた。師匠には、可愛いと褒められ、また赤面する羽目になったけれど。


「ん? どうした、アメリア? 顔赤いぞ、熱あんのか」


 師匠がふとこちらを向き、わたしの方へ顔を近づけてきた。


 え、え、と思っているうちにこつん、と額同士がぶつけられる。


「うーん。熱くはねえな。どうしたんだ?」

「っ、いえ! 何でもありません! その、少しのぼせてしまって・・・?」

「何にだよ?」

「そ、その、とにかく何でもありませっ、いった!」


 逃げ腰になっていたら、いつの間にか背後にテーブルがきており、ごつんと腰をぶつけた。そのまま、机に少し背中を沿わせるようになってしまい、大変痛い。わたしをゆっくりと追いつめ、もとい、近づいていた師匠がそれを見て、わたしに手を差し伸べる。


「おい、大丈夫か・・・って!」


 わたしがその手をとり、机から起き上がろうとすると、師匠がつるっと足を滑らせた。


「え」


 見ていられず、思わず目をつぶる。


「っうぉ! っ、あぶね」


 師匠がぼやく。


(ん・・・? なんか、声が近くに聞こえたよう、な・・・)


 恐る恐る目を開くと、わたしの肩の辺りに師匠が顔を突っ込む形で倒れかかっていた。師匠の体重がかかってきていない事から、恐らく自分でテーブルに手をついたのだろう。わたしの首の横に師匠の顔。


 どきん、どきんと心臓が高鳴っていく。どうしよう、これは。


 師匠が、ゆっくりと身を起こした。わたしの顔の間近に、師匠の顔がある。なぞるように視線がわたしの顔に注がれる。どうしよう、そんなに見ないで! と内心パニックになり、目をそらしてしまった。


「・・・し、師匠・・・? 大丈夫、ですか?」


 わたしの顔をぼんやりと見つめていた師匠が、はっとする。うう、と少しのうめき声を上げながら、身体をどかしてくれた師匠はわたしを助け起こしてから、微妙に視線をずらした。


「さー、朝食にすっか。アメリア、手伝わなくって良いから、先に着替えてこい」

「え。わたしも手伝いますよ?」


 思わず、心臓がどきどき言っていたのも忘れ、声をかける。どうしてだろうか、師匠が少しよそよそしい気がする。師匠は、首を振ると、あっさりと台所に消えてしまった。


 仕方ないので、洗面所へ行き、顔を洗ってから着替えた。リビングに向かうと、もう美味しそうな朝食が湯気を立てて待っていた。


「わあ、ありがとうございます!」

「あ、ああ。別に構わねえ。さあ、食おう」

「はい!」


 師匠の言葉がやけにいつもよりも、雑になっている気がしたけれど、まあわたしの気のせいか。そう片付け、早く食べてほしいと言わんばかりに輝きを放っている朝食に、手を付けたのだった。

読んでくださる皆さま、お待ちいただいてしまった皆さま、本当にありがとうございますっ!

わたしの状況を説明する能力が低いため、かなりこの場面は分かりにくくなっているかも・・・。

その場合は、感想等でツッコミまたは、質問をください。。。

できる限り、お答えしたいと思います!

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― 新着の感想 ―
アメリア、可愛らしくていいですね これはよいラブコメ (*´ω`*)
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