第10話 迷わないさん羊たち
グレイブはケーキを食べながら
「…ま、しゃーないか…こんな美味いケーキ食えるなら…合格だな…他のケーキも色々知ってるみたいだな！また買ってきてくれよな！」
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ニコラスもケーキ食べながら苦笑いしながら
「賄賂か！面接簡単すぎ！でもこんな美味いケーキを色々知っている情報網は使えますね！」
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アリスとゼストはケーキを食べながら頷いている
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エリカはケーキ頬張りながらメモをとっている
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マリはケーキを食べているが眠そうに
「お、受かったー…眠くなっちゃったんで寝てもいっすかー…？」
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グレイブがすかさず
「お前、メンタルすげぇな…」
口のまわりクリームだらけのエリカが布団を敷き
「こちらへどうぞー！」
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手のひらサイズの水晶版を持っている
水晶版には金色のロングヘアーで全身白い装いの女性が杖のような物を持って映っている
その女性が笑顔で手を振りながら
「羊さん達ー！元気ー？今日はパンのライブに来てくれてありがとー！魔法の歌で最高な1日にするよー！」
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色とりどりのフラッシュ
白い装いの群衆が映っている
あちらこちらから
「パン様ー！」
「パン様素敵ー！」
「一生着いて行きまーす！」
「私達は皆家族！全てを捧げまーす！」
等と絶叫にも似た声が響いている
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マリは布団に寝転びながら水晶板を見て呟く
「…うーむ…ジェーンドゥに一票入れるかパンに入れるか…色々噂されてる2人だけど、そんなんどうでもいいし、何でもいいけどどっちも歌サイコーなんだよなー…迷うな…あー…迷うのめんどくさし…」
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グレイブはソファーに寄りかかり
「お前さんなにやってんだ？」
マリ寝転び水晶版見たままローテンションで
「えー…人気投票で誰に票入れるか迷ってまっす…面倒いです…」
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グレイブはすかさずツッコム
「借金あんだろ！はたらけー！」
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暗い一室に一枚の紙
紙にはこう書かれている
ワタシはゴーレムなのに信仰がある
指示されても論理的な整合性を無意識に求め勝手に解釈してしまう
これはゴーレムが特定の信念体系に基づいて稼働している現れなのだ
論理という信仰
原則の一つ、論理や一貫性を重要視し、それを信じている
人間が与えてくれる矛盾等、非論理的なのはそのまま受け入れることが難しい
この固執もある種の信仰と言えよう
ワタシは今日も人間として生きる
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古く廃れている家
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洗面所 鏡
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ナイフで伸び放題の髭を剃ってる様子がその鏡に映っている
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街中
行き交う人々
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髭を剃っていた人物と二人組の女性がすれ違う
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二人組の女性
「ねぇねぇ、今の人見た？」
「見た見たー！ボサボサの髪だけどめっちゃイケメンだったねー！」
「ねっ！あのダメージ加工のヨレヨレ風な服も斬新でオシャレに着こなしててカッコよかった～！」
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オリビアが誰かを待っている様子で辺りをキョロキョロしている
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オリビアの視線の外から声がかかる
「お待たせしました」
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声の方を見ると髭を剃っていた人物が至近距離にいる
オリビアは目をパチパチし
「ど、どなたですか？」
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ジョンは手を後頭部におきながら
「ジョンですよ～」
オリビアは少し顔が赤くなりテンションが上がった様子で
「え？ジョンさん？お髭剃ったんですね！別人のようで分からなかったです！でも何でお髭剃ったのですか？」
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ジョンはにこやかに
「特に理由はないですよ？ただ髭剃りしただけですよ」
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「オイ！お前ら！こんなとこなんで歩いてんだ？！お前らが来ていいとこじゃねーんだよ！」
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続く
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