キノコ狩り6
「ふう、おいしかったけどおなか一杯だよ⋯⋯」
そう言って、その辺にあった石に座り休憩していると、師匠がこちらに歩いてくるのが見えた。
「師匠、どうかしたのですか?」
「もう少し休憩したら帰るつもりなので、カエデさんに挨拶をしたいなら今のうちに、と」
ああ、なるほど。じゃあカエデさんのところに行ってこようかな。
すっと右手を挙げ、魔術式を組み立てる。その瞬間私の身体は宙へと浮かび、勢いよく世界樹もどきのもとへ飛んで行った。
「え、ちょっ、モク!?」
後ろでロイの声が聞えるが、無視して飛んでいく。なんか懐かしいなぁ。四年前だっけ、ロイと会った時に私がこうして突っ込んで――って、やばい!もう世界樹もどきがこんなに近くに!?
あわわ、どうしよう。魔法――いや、魔法だとこの辺一帯がどうなるかわからない⋯⋯!でも魔術は集中力が⋯⋯!
「慌ただしい奴じゃのぅ」
世界樹もどきがぐんぐんと近づいてきて、ぶつかるかと目をつむった時、そんな声が聞えてきて私の身体が抱き留められた。うっすらと目を開けるとそこにはカエデさんがいた。
「その飛行魔術、訓練が足りてないのぅ。使うならもう少し魔術制御を意識するのじゃ。まあその前に飛行中はほかのことを考えないことじゃな」
うう、前に使ったのはいつだっけ⋯⋯?記憶がないほど昔だから、確かに訓練が足りてないんだろうなぁ。って、そうじゃなくて。
「えっと、助けてくれてありがとうございました。カエデさんが助けてくれなかったらどうなっていたことか⋯⋯」
「モクシアは儂よりも格段に経験が少ないのじゃから、失敗するのなんてあたりまえじゃ。そしてまた、失敗した子供の尻拭いをするのは大人の仕事⋯⋯わざとではないのじゃから、かまわんよ」
カエデさん、優しいなぁ。
「それで、別れのあいさつに来たのじゃろう?」
「あ、そうでした。そろそろ帰ると師匠が言っていたので、あいさつに来ました。今日はありがとうございました。また来年、きますね」
「ふむ、そうじゃな⋯⋯来れることを願っておる。お主の運命はあまりにも複雑怪奇。儂にもその全容は見えないのじゃ。しかしいつかは会えるじゃろう。その日を楽しみにしておる」
さくさく、と落ち葉を踏みしめながら、私は考え事をしていた。
カエデさんが言っていた、私の運命。これはどういうことだろうか?何か良くないことが起きる兆しなのか、それともロイみたいなすごい人たちに会えるという運命なのか。よくわからないけど、これからも忙しい日になりそうだね。
「モク、待っていましたよ。それでは行きましょうか」
気が付くと師匠のいる場所についていたようで、そう声をかけてくる。
「はい、わかりました!」
いつも通りに戻そうかと思ったんですけど、書き溜めてから毎日更新しようかなと思いまして。少し休載します。期間は不明ですが、必ず完結まで持っていきますので、ブックマークはそのままでいてくれると非常に嬉しいです。




