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拾われ奴隷少女の恩返し  作者: 彗花
第一章 冒険者

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久しぶり(数日ぶり)の我が家

前回のあらすじ

保護者あらわる

 師匠に抱っこされながら門をくぐる。

 寝静まった街に、足音だけが響いた。


「今宿に行っても迷惑をかけるだけでしょうし、今夜は私の家に行きましょうか」


 ロイとフーちゃんも後ろから付いてくる。二人とも人型精霊で、大きさも人間とそう変わらないから違和感がないなあ。

 さっまで浮いてたから分かんなかったけど、フーちゃんの方がロイよりも身長が高い。

 で、ロイの方が私よりも高い。⋯⋯早く身長伸びないかな。


 というか、師匠はいつまで私を抱っこしてるんだろう。


「⋯⋯あの、下ろしてくれませんか?」


「ダメです。モクも疲れているはずですから」


 ⋯⋯私、知ってる。この態度をする時の師匠は絶対やめない。


 ロイとフーちゃんが今までにあったことを話してる。

 あー、懐かしいなー。こんなこともあったなー。


 しれっと付いてきてたサブマスが私に手を出してきた。


「⋯⋯?」


「薬草。取ってきたんだろ?新鮮なうちに依頼達成にした方が貰える金も評価も上だぞ」


 じゃあ、と思って出そうとしたら師匠にとめられた。


「いえ、そのポーチは時間停止機能付きですので明日でいいです。というかいつまで付いてきてるんですか?明日、ギリシムはロリコンだという噂が流れても知りませんよ?」


「それだけはやめてくれ!まじで!」


 いや、こわっ。それ、師匠が流すんでしょ?


 それよりも時間停止機能付きですのでってなに!

 なんか国宝級通り越して神宝級な気がしてきた。


「──さて、着いたのでギリシムは還ってください」


「おい、ちょっと待て。帰るが還るに聞こえたんだが!?」


 だよね、私もそう思った。いやでも師匠がこんな辛辣なこと言うはずがない⋯⋯よね?


「さあ、どうでしょうか。モク、行きましょうか」


 扉に向かって歩いていく師匠。当然私は抱っこされたまま。


 なんか後ろでやっぱり還るじゃねえのか、とか親バカになったなとか聞こえた気がする。


 お別れを言おうと思って師匠の肩越しに頭を出す。


 しかし、後ろには談笑しているロイとフーちゃん以外に誰もいなかった。


 というかフーちゃん付いてくるんだ⋯⋯



 ◆◆◆◆



 翌朝


 近くにロイがいないことに対し疑問を覚えたが、そういえばここ師匠の家だった。


 ロイは一応男?だから朝は入っちゃダメらしい。

 フーちゃんはロイと一緒にいるのかな?


「おはようございます、モクシア様。朝食の準備が出来たので呼びにまいりました」


 ん?聞き覚えのある声──ってフーちゃんじゃん。


「フーちゃん、どうしたの?」


「あれ、バレちゃったっすか。まあ付け焼き刃の敬語じゃしょうがないっすかね」


 扉が開いて出てきたのはやっぱりフーちゃんだった。


「呼んでこいって言われたので来たっすよー。ちなみに今はだいぶ日が昇ってるっす!」


 そう言われて慌てて外を見ると、たしかにかなり高くなっていた。


 うわあ、やっちゃった。

 まあ、過去を悔いるより先を考えた方がいいよね、うん。


 ぱぱっと寝間着から普段使いの服は着替える。


 靴を履いて部屋の外に飛び出すと、急ぎ足で食堂に向かった。


 食堂では、朝の掃除担当だったメイドさんとかの、朝に時間がなかった人が食べてるだけだった。

 再び後悔が湧いて出てくるが、飲み込んで空いてる席を探す。


「モクー!こっち取っといたよー!」


 その声にくるりと振り返るとロイがお盆を手に立っていた。


「ご飯もとっててくれたの?ありがとう!」


「ついでにロイフィンド様がモクちゃんを呼んできて欲しいって言ったんすよー。これ以上寝てたら後悔しそうって」


 ロイを見ると、少し恥ずかしそうに視線を逸らした。


 感謝の意を示すためにロイに抱きつく。


「ありがと、ロイ!フーちゃんも!」


 ロイが悲鳴をあげた気がするが無視する。


 ちなみにお盆は魔術で机の上に置いといた。


 ロイが抵抗を諦めたところで手を離し、席に座る。

 ロイとフーちゃんを前の席に座らせてから食事の前の祈りをした。


 この世界では精霊王とそれぞれが信仰している神に祈ってから食べるのが習慣らしい。

 この家は竜人が多いから私も竜神に祈る。


 郷に入れば何とやらってやつだね。


 もぐもぐと食べていると、五年間私の専属メイドをしてくれてたメイドさんが来て、私の左側に座った。

 手にはいくつかお皿を乗っけたお盆を持っている。


「お久しぶりですねー、モク様⋯⋯と言っても、数日しか経ってないですけど。ビックリしましたよー。あんな感動の別れをしたのに、すぐに帰ってくるんですもん」


「えへへ⋯⋯師匠が心配性すぎるんだよね」


 苦笑いしながら答える私に、お盆に載せられていたお皿のひとつが差し出される。

 見ると、私の大のお気に入りであるクッキーリンゴだった。


「わわ、ありがとう!あ、じゃあメイドさんにこれあげる」


 そう言ってマジックバッグが取りだしたのは、リンゴほどの大きさの赤黒い実。

 実は森の中で見つけて食べてみたらびっくりするほど甘かったから、お土産に持って帰ってたんだよね。


 メイドさんの手にぽん、と乗っけると私もひとつ取り出す。

 そして水を出して軽く洗ってかじりつく!


「ん〜!甘ーい!」


 皮は味こそしないものの、噛むとプチッと破れる。

 破れると出てくるのは大量の果汁。砂糖を煮詰めたかのように甘い。

 そして、さらに甘いのは中の実!

 シャクシャクした食感と果汁だけでなく、果肉も糖分たっぷりなのだ。前世で糖度20のリンゴを貰って食べたことがあるんだけど、それよりもあまい。

 種ですらぷちぷち食感で楽しい。


 名前も知らない果物だけど、全部食べれるなんてすごい!


 と思ってたら、メイドさんに腕を掴まれた。


「むぐ?どうしたの?果汁こぼれちゃうよ?」


「それ、食べないでください!毒です!」


「んー、毒の感じはしないけど⋯⋯キュア。ロイ、フーちゃん、これ毒ある?」


 昨日の夜も食べたから大丈夫なはずだけど、念の為キュアをかけといた。

 低位の解毒系統魔法だけど、精霊の力を借りたからその辺のポーションより効果は高い。

 あと精霊は鑑定に似たことができるから、一応聞いておく。


「あるけど⋯⋯モクが精霊に愛されすぎて、小精霊が毒を分解してるね。ついでに糖度も増やしてるみたい」


「すごいっすねー。あーしもかなり生きてきた方ですけど、こんな愛されてるのは見た事無いっすよ」


 二人にありがとう、と言ってからメイドさんに二人が言ったことを伝える。


「なるほど⋯⋯なら大丈夫ですね!」


 そう言ってメイドさんも一口食べる。


「ん!?これ、甘すぎませんか!?す、すごい⋯⋯こんなの初めて食べた⋯⋯」


 ロイとフーちゃんにもそれぞれひとつあげる。

 糖度が高くなってるとはいえ、そんな甘かったけ、って言ってたから。


 ちなみに精霊も食べようと思えば食べれる。食べなくても生きていけるから食べてないだけらしい。

 確かにフーちゃんも木の実食べてたなあ。


「美味しかったあ。これ、すぐ無くなっちゃいますね。というかフーちゃんって誰ですか?ロイ様は分かりますけど⋯⋯」


 あ、言ってなかったや。

お読みいただきありがとうございます。

誤字脱字報告、ブックマーク、感想、いいねボタンなどしていただけると嬉しいです。


え?短いって?

言い訳をすると、時間がなかったんです!


というわけで、次回投稿は頑張ります

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