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拾われ奴隷少女の恩返し  作者: 彗花
第一章 プロローグ
2/27

初めまして

今回からゆるーくいきます。

主人公の名前がないのがあれですね。僕としても書きづらいのでサクッと進めます。


前回のあらすじ

主人公の奴隷少女は誰かに外に連れ出された。

 瞼の裏をちらりと光がよぎる。

 身体が暖かいものに包まれている気がして、うっすらと目を開けた。


 ⋯⋯どこだろう、ここ。


 今まで奴隷として、冷たくて暗い部屋にいたからちょっと眩しい。

 あの部屋は本当に酷かった。私を飼ってた男に暴力を振るわれて血は出るし、お風呂にも入れられてなかったから汚れてるし。

 暴力を振るわれたおかげで少しだけ前世の記憶を思い出せて、こうして物事を考えられるようになったのには感謝してるけど。


 そのとき、カチャと音がなり、扉が開く。


「おや、起きましたか。」


 出てきたのは若い男の人だった。


 ファンタジー小説とかに出てくる騎士さんみたいな格好に、ローブを羽織っている。


 ちょっとかっこいい⋯⋯じゃなくて、今なんて言った?


 あの、私日本語以外分からないんですが。そういえば、私を飼ってたあいつも変な言葉言ってたなー。


 声を出そうとするとすっごく喉が痛いから、とりあえず首を傾げてみる。


 男の人は少し悲痛な顔をしたあと、また何事かを呟いた。淡い白色の光が男の人にまとわりつく。


「これで分かりますか?」


 ⋯⋯え、今のって魔法?すごい!前世の私が憧れたけど、そんなものは存在しないからと諦めた、あの!


 私がキラキラした目で見ているのがわかったのか、男の人は少し意外そうな顔をする。


「精霊を視る目、ですか。もしかしたら精霊に愛されていたおかげで今まで生きてこれたのかもしれませんね」


 精霊?もしかしてさっきの白いのって!


「ぁ⋯⋯ッ」


 うぐっ、痛い⋯⋯危ない、おもわず叫びそうになっちゃった。


 喉を抑えてると、白い光──多分精霊だと思われるものが今度はわたしにまとわりついてきた。

 喉の痛みがスっとなくなっていく。


 今度は回復魔法かな。いやー、生きててよかったね!まあ前世の私は死んでるのだろうけど。そういえばなんで死んだんだろう?


「さて、これで少しは喋れるようになったかと思いますが⋯⋯一つだけ聞かせてください。あなたは転生者ですか?」


 唐突に聞かれたその問いに、思わず目を見開く。

 転生者って、そう聞かれるくらい多いの?まあ日本だとそう言う奴は冷ややかな目で見られるだろうし、表にでてないだけで実はいっぱいいたりしたのかも。

 それか、この世界が異常なだけか。


「ふふっ。その反応でよくわかりました。⋯⋯一見すると常に無表情なように見えるのに、意外と感情が表に出るんですね」


 なんか笑われたし。というか、私そんなに無表情かな?まあ奴隷としての期間が長かったからしょうがないのかな。


 不意に男の人が私に手を伸ばしてきた。そしてそのまま抱き上げられる。


「⋯⋯ぇ」


 驚いて声が出ちゃったけど、痛くない?そういえばさっき少しは喋れるようになったとか言ってたな。よし、このうちに頑張って喋って痛くなくなるようにしよう。


「さて、お風呂に入れてあげます。とは言っても、私は男であなたは女性なので、メイドに頼みますが」


 一息置いて、続ける。


「ああ、私の名前はフィリシムです。同僚からはフィー副団長と呼ばれてますね。ここの騎士団の副団長なので」


 騎士っぽいと思ってたら本当に騎士様だった。しかも副団長。

 優しげな顔つきに反して、強いんだなーと今までで一番の驚きに苛まれながらドナドナされて行った。

お読みいただきありがとうございます。

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