表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/154

第87話 第九層 ボス戦


「サトちゃん、この鎌って保管庫に入れてよいかな?」

『どうしたの?』

「イヤ、サトちゃんと武器が被っちゃうし、自分には二丁拳銃レクイエムとメメントモリがあるから」

『あー、確かに……でも、ここではそのまま使ってください……』


 滑走すべりながら、会話をしている少女達の上に影が差す。それは上から何かを落としていき、それが氷に触れた瞬間大爆発を起こす。


狙われた少女達はというと……。


「防壁が無ければ危なかった!」

『あれは、この九層のボス、氷鬼蜻蜓アイスゴールデンリングドラゴンフライです』


 氷鬼蜻蜓アイスゴールデンリングドラゴンフライ、日本名だと氷オニヤンマ、略略して氷ヤンマ。

 自然界でのオニヤンマの躰は、黒と黄色で大きく獰猛な感じがしている。

 欧米人には、どう猛さと黄色が金色に見えるらしくゴールデンリングドラゴンフライという名前を勝手に着けた様だ。


 この、氷鬼蜻蜓アイスゴールデンリングドラゴンフライは特徴としては高速移動による上空からの爆撃である。

 爆撃に使うのは、愛国竹パトリオットバンブーから取れる地雷竹じらいたけ


 実は、氷鬼蜻蜓アイスゴールデンリングドラゴンフライ相利共生そうりきょうせい関係にある。

 愛国竹パトリオットバンブーは氷オニヤンマに他のモンスターから自分の身を守って貰っているのだ。


 あれだけ、自分に向かって来るモンスターを攻撃しているのに?っと思う人も居るかもしれないが、愛国竹パトリオットバンブーは自分の領域フィールドに入ったモンスターを攻撃出来ないという弱点がある。


 そうなったときに、氷ヤンマに特殊な信号を送り、自分の領域フィールドに入ったモンスターを排除して貰っているのだ。


 そして、氷ヤンマは自分の子供達ヤゴ愛国竹パトリオットバンブーが生み出す熱により生まれた小さな池で育てている。


 で、今、氷ヤンマは激怒している。


 何故か?シオちゃんが地雷竹じらいたけを使って愛国竹パトリオットバンブーの群生地を破壊したために、自分の子供達ヤゴも爆死したからである。


「どうして狙われるのか分からない」

愛国竹パトリオットバンブーの群生地に氷ヤンマの巣があったからですわ』

「そんなの聞いてないよ!」

『聞かれなかったから、言わなかったですわ』


〝サトちゃん、実はきゅ〇べえ説〝

〝とばっちりのシオちゃん可哀そうww〝

〝シオちゃんには「あたしって、ほんとバカ」って言いながら闇落ちして欲しいw〝


 勿論、ここの会話は2人とも昨日の宿で夜に決めた台本通り。だから、2人の仲が悪くなるという事は無いので安心して欲しい。


 全て、この会話がバズって切り取られ、SNSで拡散して貰うための仕込み。


((計画通けいかくどおり))


 脳内で互いに声を上げる。


 シオちゃんの新人類ニュータイプレベルが上がり、2人は脳内で会話が出来るようになった。


「ところで、どうやって氷ヤンマを倒すの?」

『以外に簡単なのですよ、再び氷ヤンマが飛んできて来たら防壁を氷ヤンマのすぐ近くに展開してください』


 氷ヤンマの一番の問題は、躰が巨大過ぎるのと早すぎて、小回りが利かないこと。

全長が25mプールと同じくらいあり、羽は更に倍の50mとなっている。


 現在の速さは、新幹線と同じ300kmぐらい出ている。


 再び、氷ヤンマが2人の元に戻って来て、地雷竹じらいたけを投下した時だった。突如として、自分の直下にて大爆発が起こる。


 何が起きたか?


 氷ヤンマが地雷竹じらいたけを投下した瞬間に氷ヤンマの直下で防壁が張られ、地雷竹じらいたけが大爆発したのだ。


 飛ぶために限界まで薄く進化した氷ヤンマのはねが爆風で吹き飛び、揚力を失った氷ヤンマは高度を落とし、最後は氷と激突ランデブーする。


「まだ、しぶくとく生きている。さすがボスモンスター」


 はねを失い全身から血を流しながらも氷の上を進み続ける、氷ヤンマ。それが、戦国時代では撤退しない縁起物として兜に使われていた。


「でも、これで終わり」


 氷蟷螂アイスマンティスの鎌で氷ヤンマの首が刎ね飛ばされる。氷ヤンマが光の粒になり、大型の氷の魔石と奇妙な形の石が残る。


凍てつく心:1/2フリージングハーフハートが手に入ったよ」


 半分だったハート型の石が光るとハート型のペンダントになる。


「これは何に使うの?」

凍てつく心(フリージングハート)は次の層で使うことになるますわ』

「そうなんだ!どう使うか、楽しみだね!」


 保管庫にシオちゃんは凍てつく心(フリージングハート)をしまう。


「これで、第九層のボスは終わりかな?」

『そうですね、今日は此処までですね……』


【ハーイ、せっかくなのでEXステージ用意したよ!】


 間の抜けた声がした。


 そうダンジョンさんが、介入して来たのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ