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第7話 追跡する者される者


 その白バイ隊員は、たまたま赤信号を無視したバンを見つけ、停止しするように求めたが、止まる事はなかった。

その為、すぐに無線にて、応援を要請するとあっという間に、巡回中の白バイ隊員とパトカー数台が集まって来た。


「本庁より各位へ、そのバンには誘拐された女性が乗っている」


「本庁より了解、女性の安全を第一に追跡を行う」


 連絡をしている時だった。

 バンの背後が開くと人影が見え、火の玉が飛んできた。


「本庁へ、連中、街中で魔法を使っている」


「本庁、了解、安全を計りつつ追跡を継続せよ」


 本来は隊員の安全を確保するために此処で追跡を止める所。監視カメラでバンの番号が分かれば後はNシステムで何とかなる。


 しかし、ルミが生放送で現場を見つけた為に世間が着目している。ここで、打ち切ったら警視庁の面子が潰れる。

 この瞬間に、警察という組織のメンツが個の隊員の安全を上回った。


 一方、バンの中の連中はというと、闇バイトで集められた冒険者崩れ。指定された人物を誘拐し、指定場所に連れて来るだけの簡単なお仕事。

 暗がりで攫い、簡単に終わるはずだった。


 それが、たった一人の少女の全国放送の指摘でご破算になった。


「クソ、ポリ公、全然引かねーぞ、魔法使える奴ら全員でやるぞ!」

「「「オウ!やってやるぞ!」」」

「「「アイス、ファイア、アース、ランス」」」


 3属性の魔法が後方の追跡者に放たれる。

白バイの隊員は辛うじて逃れるがパトカー数台に直撃する。


「くそ、本庁、何とかならんか!被害甚大、クっつ!」


 前方の隊長のバイクの後部に、攻撃で倒れて来た電柱が直撃する。

 隊長は対向車線に投げ出され、大型トラックが迫り誰もが死を思ったとき。一陣の風が通り抜け、隊長の姿が消える。


『ぎりぎり、危なかった』

「もう、駄目かと思った、救援に感謝する」


 成人男性を抱えるは小柄な白いゴスロリ服を着た暗黒卿。

 ルミも追いかけていたら、この絶対絶命のシーンに出くわし介入したのだ。


『あの、犯人を逮捕してもよろしいでしょうか?』

「もちろん!もう、自ら隊(じらたい)には無理だ」

『ですが、警察さんの面子とかは?』

「そんなことより、被害者を助ける事が重要だ!」


 隊長を抱え飛行しながら言葉を交わす。

 ルミは、警察番組にも出ており警察の縦割りと面子の重要さも理解しており、言質を一応取る事にしたのだ。

 だが、その前に、この男性をどこに下ろすかに悩み、決断をした。


『では、一緒に参りましょう』

「え、えええええ」

『犯人を一緒に逮捕です』


 暗黒卿とイケオジ隊長がバンに迫る。

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