第49話 大聖霊装、概念装、そしてアップデート
「サトちゃんそれは、一体……」
『シオちゃん、後ろを見た方が分かるかも知れませんわ』
言われるまま、サトちゃんが後ろを振り返ると其処には鎌を持った骸骨が居た。思わずサトちゃんは、ビクっと反応し躰を捩るが動かない。
『これが、大聖霊装、概念装、THE DETTH、この鎌を見た相手は自分の背後に居る死神を見る事が出来る。つまり、視聴者の人達』
「そして、死神は我が眷属。つまり、視聴者諸君の生殺与奪は我が持っている」
現在の視聴者数は直前の大聖霊の出現やサトちゃんの魂が現れた時点で5億人を突破、土曜の午前中からこれだけ集まって世間は暇なのだろうか?っという事は置いといて、現在、5億超が背後に死神に憑かれている。
〝ワイ、音声入力コメント、死神が後ろに居てチビル〝
〝同じく、ワイの後ろに死神がいる〝
〝隣の部屋の妹が叫び声を挙げたので見に来たら漏らしてて草ww〝
「まだ、信用していない者もいると思うので少し遊んでやるか」
闇の大聖霊が右手の指先を鳴らすと、シオちゃんの背後に居た骸骨が前に来る。骸骨がシオちゃんの心臓の辺りを骨の手で触ろうとした時。
「「させんぞ!」」
骸骨はフレイアとシルフィの声と共に火達磨になり風で細切れにされる。サトちゃんは何とも無かったが、それ以外の人達は心臓を骸骨に掴まれている。
つまり、5億人がハートキャッチされたということだ。
「くくく、世界中から悲痛な声と憎しみの声、困惑、人間という生き物が多種多様な感情を我に向けて来て実に素晴らしい!それが闇の大聖霊を強くする!」
〝……〝
〝……
〝……〝
世界中からのコメントが止まっている。
そりゃ、誰も自分の心臓を掴まれて悠長にコメントなんて出来ないからである。
『もう、仕舞っても良いかな?あまりこれ好きじゃないから』
「よいぞ、人間共も少しは我の事を見直しただろうし、我らに手を出したらどうなるかを理解したと思うからのぉ!」
『私は、人を殺すとか殺されるとか好きじゃないし、ダンジョンのモンスターと戦いたいな!』
「お主はそれで良いが、世界がお主を放っておくはずはあるまい。だからこそ、お主の友である我の警告こそが、友の危機に我ら大聖霊が反応するのかを愚かな人間にその身を持って解らせることが必要なのじゃ!後、人間共よ闇の大聖霊のワシが一番、大聖霊の中で力が強く、温厚であるという事を理解しておけ!」
言いたいことをいうとサトちゃんの魂を封印すると再び影の中に消えていった。同時に世界中でハートキャッチしていた死神たちが姿を消し、人々は自由になる。
〝心臓がバクバク、心臓がキュッと掴まれた恐怖……〝
〝ワイも妹も大も小も漏らして大惨事ww笑うしかないww〝
〝これが、一番温厚ってことは、後のお二人様も……〝
「「まぁ、友が襲われたらその襲った一族や国家を燃やしたり消滅させるが?」」
「そういえば、昔、水の大聖霊を怒らせた愚かな国家があってな、確かアトランティウムという国家でな、王が自らの妃に成らないという理由で水の大聖霊の巫女を亡き者にしようとしてな、その国は確か、シルフィよどうなったか?」
「フレイア、一晩で海の底に消えましたわ。そして水の大聖霊の巫女はこの世に嫌気がさして、水の大聖霊と共に天に帰りましたわ」
サラっとトンデモナイ事を言い、世界中の政治家や権力者を恐怖させることになる。
そして、伝説のアトランティスは過去に存在し、伝説の通り一晩で沈んだという事を知った古代史研究者は歓喜する。
『ちなみに、水の大聖霊様はどの位穏健な方なのですか?』
「「そうだな、お主の闇の大聖霊と同じくらい温厚だな」」
『ちなみに、失礼ながら一番短気な方はどの大聖霊の方になりますでしょうか?』
「火だな」
「風だな」
「「お主の方が短気だろうが!」」
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて」
シオちゃんが取っ組み合いを始める二人を宥めに入る。
この発言に世界中が恐怖した。
短気の筆頭格の大聖霊が2人も日本という国にいるのだ。温厚な水の大聖霊でさえ国家を一晩で沈めるなら、この二人ならどうなるか……。
考えるだけでも恐ろしいことになるのは事実である。
シオちゃんが火の大聖霊と風の大聖霊の間に入り双方を引き離した時だった。
【ピンポーン、三属性の大聖霊が出現したので世界のアップデートを始めます】
っと呑気な声が世界中に響いた。
次回 世界のアップデート




