第41話 一見様お断りは一剣で解決しよう
「フハハハハハ、わが剣の一撃を避けるとはやるな小娘!」
「なかなか、酷い受付の対応だね!」
「だが、今回は精霊契約を希望するのだ!最高の対応をしてやるぞ」
「ッツ!」
シオちゃんが背後から殺気を感じ避けた瞬間、剣が今居た場所を通る。通路に置かれた甲冑達が動きだし、手に槍や剣を持ち襲ってきたのだ。
『頑張ってね!シオちゃん!一度、入館試験すると他の人の入館試験の手伝いは出来ないの……アドバイスは出来るけど……あ、ウェルカムドリンクは紅茶でお願いしますね』
一方、サトちゃんは二階のテラス席に座り、ウェイターの服を着た甲冑にウェルカムドリンクの発注をしている。
〝初見殺し過ぎるww〝
〝パートナーの危機にウェルカムドリンクを注文だと……〝
〝頑張ってじゃねーよww自分が招いておいてこれかよww〝
多数の甲冑達はシオちゃんことレイに襲い掛かるが、新人類だけあってシオちゃんは難なく躱し、銃剣のレクイエムとメメントモリで甲冑達を屠っていく。
「ぬかったな、小娘」
「痛っつ!!ッッ!?」
シオちゃんの左腕が宙を舞い、床に落ちる。通路の甲冑達の相手をしている隙を狙って、受付の甲冑がシオちゃんの腕を切り落としたのだ。
『シオちゃん、前にDコインでDマーケットからハイポーションを沢山買って居たと思います。それを飲めば生えて来るよ!私も初見で左腕を切られたから一緒だね!』
「分かった!」
保管庫からハイポーションを取り出し飲むとシオちゃんの腕が生えて来た。ハイポーションは、冒険者が飲むと肉体の欠損をすぐに直してくれるのだ。
〝「私も初見で左腕を切られたから一緒だね」というパワーワードww〝
〝サトちゃんww鬼コーチすぎるww〝
〝ハイポーション先輩、凄いやんけ〝
「ハハハ!素晴らしい!素晴らしいぞ小娘!次は首を切るぞ!」
「誰が切らせる物ですか!」
甲冑が両手に剣を持ち、シオちゃんに飛び掛かる。シオちゃんも生えて来た腕に飛んで行った銃剣を呼び寄せる。
二者がぶつかり合った瞬間、剣と銃剣からズゴンと鈍い音がし、大量の煙が舞い周囲を覆い隠す。
煙が晴れ、互いの足元の床を軋ませながら、拮抗している甲冑とシオちゃんの姿が見える。
「小娘!やるな、我が剣を反らさずに直で受けるか!素晴らしい!」
「なんか、避けるのは私の性に合わないからね!」
「それゆえに、お主の両手は塞がっている!我が第三の秘剣避けられるか!」
シオちゃんの背後からヒュッと音がし、刃がシオちゃんの背中を貫き腹から刃が飛び出し、シオちゃんの口元から血が吐き出される。
この甲冑は、背中部分より先端に刃物が付いた長い鎖のような物を事前に床に這わせ、シオちゃんの両手が埋まった時を狙って攻撃したのだ。
〝卑劣騎士で草ww〝
〝シオちゃん死んじゃう!〝
〝見るの辛いんだけど……〝
「くく、これでもうお前は死に体、潔く散るが良い……ツ」
そこには、シオちゃんは居らず、シオちゃんそっくりの人形が刺さっていた。
シオちゃんは、甲冑の背後で銃剣を構えている。
「それはDマーケットで買って負ったドッペル人形、60秒だけ本人と同じ言動とスペックで戦ってくれる」
「いつの間に!」
「さっきのあんたとぶつかった瞬間に異様に煙が覆っただろ、アレは風と炎の精霊にお願いして作って貰ったんだよ!」
「後学のために、何時から我の策、分かって居た?」
「最初からさ、あんたの背中の鎖、風の流れで分かって居たぜ、あとアンタのお陰で新人類のレベルが一気に上がった、ありがとう」
礼を言い終わると同時に、一発の銃声が鳴り甲冑は倒れ入館試験が終わる。




