第39話 五層ボス戦
高層ビルの様な巨大な骸骨。
日本の妖怪だと、がしゃどくろという存在に似ている。
髑髏が右手を上げるとDゴーストが空を埋め尽くし、左手を上げるとゾンビが大量に地面から湧き出す。
〝これは無理ゲー〝
〝五層でこれって酷いww〝
『私はシオちゃんを援護するから、好きな様に動いてね』
「分かった、頑張って倒してみる」
『さて……少しだけ、本気を出そうかな』
〝一度は言ってみたいセリフやな〝
〝見せてもらおうか?新人類の本気とやらを〝
『スキル、魔力圧縮、全方位』
サトちゃんの真上に光り輝く槍の様な形をした物が大量に現れ、サトちゃんが右手を前に振ると光輝く槍は、上空のDゴーストと大地のゾンビを薙ぎ払う。
それを合図に、シオちゃんとサトちゃんは巨大な骸骨に向かっていく。骸骨も雄たけびを上げながら向かって来るシオちゃんを迎え撃つ。巨大な右手の五本指は更に腕を生み出しシオちゃんを刺そうとする。
「烈風斬、炎の槍、衝撃破」
銃剣のレクイエムとメメントモリから魔法が放たれ、骸骨の右手が粉砕される。
右手を失った骸骨であるが、地面からすぐに小さな骸骨達が現れ右手部分に集まり再生させる。
それに驚いたシオちゃんが動きを止めた瞬間、骸骨は左手でシオちゃんを殴ろうとする。
『スイッチ、ジャイアントキリング』
シオちゃんとサトちゃんの位置が強制的に変わり、サトちゃんと骸骨が互いに拳で殴りあう。
骸骨の左腕が粉砕され、そのまま骸骨の頭も吹き飛ばされる。
〝強制的にスイッチからの拳で殴り合い〝
〝この嵌め技、最高やろww〝
〝骸骨さん、嵌めたと思ったら嵌められた〝
『2人で互いを補い合う、これはMagic And BatteleでMAB戦と自衛隊の突撃強襲部隊の教本に書かれているらしいです』
「そうなんだ、ありがとう、危なかった」
〝自衛隊に突撃強襲部隊だと……〝
〝ワー国にそんな部隊ないやろww酷い擦りつけww〝
〝今度は自衛隊さんが強制的に嵌められていて草ww〝
SNS上では、【MAB戦】とか【Magic And Battele】、【自衛隊の突撃強襲部隊】というワードがトレンドに上がり始める。
『シオちゃん落ち着いて、こういう時は、目を閉じて世界を感じて、新人類としてレベルが上がった今なら貴女なら見えるはず』
「分かった、やってみる」
目を瞑ったシオちゃんの脳内では高速に映像や様々な物が流れていき、様々な事が整理整頓され、ピキッと脳に電流が走る。
「分かった、今度は大丈夫」
『ふふ、分かったようですね』
砕けた骸骨の頭と左手が復活し、再び骸骨が動き出すのと同時にシオちゃんが銃剣のレクイエムとメメントモリを両手に構え、一匹と二人がぶつかりあう。
先ほどと同じような腕から腕を生やし突き刺すような攻撃しかできない骸骨に対してシオちゃんとサトちゃんは攻撃をすることなく、ギリギリの所で避けながら、骸骨に肉薄する。
「みーつけた」
シオちゃんが、金色のレクイエムを突きつけたのは、他の小さい骸骨の中に紛れこんだ一匹の小さい骸骨。
これこそ、この骸骨の本体。
各国はそんな事は知らず、大量の爆撃と砲撃でこの一匹の小さい骸骨を破壊して進んでいたのだ。
本体に危機が迫り、指示を受けた他の個体がシオちゃんに襲い掛かるが背後を守っていたサトちゃんによって消滅させられる。
シオちゃんが、引き金を引くと一発の銃声が鳴り骸骨が砂の様に消え大量のDコイン、巨大な無属性の魔石、スキル石を残す。
「あ、サトちゃんと同じ技のジャイアントキリングが生えて来た」
『おめでとう、自分より身長が大きい敵にクリティカルヒットする技だよ』
「レベルとか強さじゃなくて身長が基準なんだね……」
〝低身長ワイ、歓喜〝
〝まてよ、それは本当の事なのか?〝
〝MAB戦のせいで本当なのか疑心暗鬼で草ww〝
『次は第六層で精霊契約をしましょうね!』
「ようやく、出来るね!楽しみ!」
サトちゃんの言葉にシオちゃんは喜びながら、第六層へ続く階段を下り始める。




