第33話 四層攻略前の休憩
『シオちゃん、頬にソースが付いているよ』
「サトちゃんありがとう、とてもこのサンドイッチ美味しいね!」
『スタープロ専属の料理人の芦屋料一さんが作ってくれたの!元帝国ホテルの料理長から皇室専属の料理長になられて、その後に宮内庁と対立して辞任して、スタープロでお仕事されているの』
「どうりで美味しいわけだね!」
〝ググったら、元料理長で陛下が最も信頼する料理番ってなってた〝
〝宮内庁内の対立に巻き込まれて、辞任となっている……〝
〝陛下に慰留されたが、断ったってなっている〝
『今はたまにルミ先輩と一緒にダンジョンの深層まで潜って食材を探していますわ』
「凄いね!どうりで何時も社員食堂が美味しいわけだ!」
芦屋料一さんは、サトちゃんことルミちゃんと一緒に50層より深い所まで潜っている。
そして、日々、新しい食材と出会い料理人として腕を磨いているのだ。
『芦屋さんは確か、業値も100万以上で固有スキルと称号に【料理の先駆者】【頑固】【料理の達人】【最も信頼されし料理長】かな?シオちゃんより先にこのシステムを知った人で、今は美味しい素材を日々探して、ルミ先輩と50-100層に潜っているね』
〝宮内庁さんさぁ……切腹してどうぞ〝
〝もう、リアルでト〇コやっているやんけ〝
〝こういう人材を雇用して更に成長させるスタープロって凄いなぁ……〝
〝ルミちゃんと料理長、互いに銀髪と白髪だから背中を任せたら似合いそう〝
これの裏側を語ると芦屋さんが仕事を辞め、一人公園で黄昏ていた所にルミちゃんと出会い色々と話していく中で料理人と知ったことが始まり。
ちょうど、定年退職するスタープロの料理人の替わりが必要だとボヤいていた社長にルミちゃんが紹介したのだ。
芦谷さんもルミちゃんと日々会話をしていく中で、ルミちゃんがダンジョンの深い所まで日々潜っていること、ダンジョンの中には様々な未知の食材が有る事を知った。
新しい料理の世界を開拓の為、ダンジョンで食材を得るためにルミちゃんのオファーを受けたのだ。
『とりあえず、ルミ先輩から預かった、ルミ先輩と料理長さんの貴重な99層でのウルトラ・グレート・ミノタウロス集団戦の様子です。なお、ドロップした肉は社員一同美味しくいただきました。』
映像には、銀髪に琥珀色の瞳のゴシック服を着た美少女がブンブン鳴る光る赤い棒を持ち、白髪に白髭の上半身裸のムキムキの老人が巨大な刃物を持って互いに背合わせになり、上半身ムキムキで斧を持っている巨大な牛の化け物達と戦っているのが映し出される。
〝この料理長さんの顔、生き生きしてる、人生楽しんでるやんけ〝
〝宮内庁、お前は間違っているが、間違ってなかったぞ!〝
〝ワ〇ピースの白髭がト〇コの世界に転生してるやんけ!〝
〝銀髪と白髪のコンビ美しい、この互いに判って居る感があってシュキ〝
50層が世界のダンジョン攻略の最前線と言われる中で、99層に2人の人間が到達していること、そして少女と老人の組み合わせがジャパニーズコミックの中から出て来た様だと話題になり、動画が世界中に拡散されバズリ散らすことになる。
この過程で、過去の宮内庁内での対立内容が明らかにされ炎上したり、SNS上でルミと料理長のファンアートが大量に作成されることになる。
その中で、料理長が特に気に入ったファンアートの一部はスタープロ経由で購入され、社員食堂に飾られることになる。