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第3話 露わになるその素顔


 にゃむこもまさか取れるとは思わなった。取れなくて「にゃ、取れないにゃ」って誤魔化すつもりだった。

 

 暗黒仮面は、通常は魔力で抑えられ、並大抵の力でも外せない様になっていた。がしかし、怒りで一瞬、魔力の制御を失敗。

 

 全ての偶然が重なり、仮面が外れる。


『!?』


 セミロングの銀髪に、琥珀色の宝石の様な瞳の美少女顔が露わになる。

 両手で一瞬、顔を抑えるがもう遅い。

 世界が彼女の顔を知る事になる。


〝あ、ルミちゃんだ!〝

〝病弱少女シリーズのルミちゃんだ〝

〝はげたオッサンかと思ったら、絶世の美少女〝


 病弱少女シリーズとは、アニメ化もされた儚げな美少女の物語。

 病弱な少女が病院のベッドで最新のニュースを見て儚げに窓を見る物語。

 本質は世の中の時事問題を取り上げて、少女が溜息をつく物語。


 ただ、それだけなのに、時事問題のアグレッシブな描写と少女の静描写の違いに人々は何故か、脳を焼かれ累計5000万部を突破した。

 アニメ化は勿論されたが、難航したのが実写化。


 時事問題の役者は揃ったが、儚げな美少女が居ない。作者自らが、面接をするが応募者は全て落とされた。


 そして作者が盲腸に掛かり入院していた時、出会いが訪れる。隣の部屋の友人を見舞いに来た、一人の少女が部屋を間違えて入って来たのだ。

 

 その時の事を作者は後に、作成秘話の番組でこう語っている。


 「最初は、儚げで今にも倒れそうな雰囲気で病気の人だと思って話しかけたんですよ、でも聞いてみたら、病院に居る友人に(・・・・・・・・)雰囲気を合わせました(・・・・・・・・・・)と聞いて私はこの子や、この子しかオラヘンって思って、出演をお願いしたんですよ」


「そして、親御さんに会いに行って更にびっくり、女形芸人の十三じゅうぞうお父さまと超演技派女優のさくらお母さんのウルトラハイブリッドだったんですよ」


「その後は、皆さん、ご存じの通り、ドラマ、劇場版、劇場版最終ウルトラ版と信じられない位に続かせて頂きました。続編を望む声は多いのは、作者の私にも届いております。しかし、この病弱少女の原作は私の子供で、難病に苦しみ命を散らしていきました。私と夫だけが、この子の人生を知っている、それだけは嫌だったのです。だから、私は筆を執り、漫画を描きました。そして、世の人々は我が子の人生を少なからず知って貰えたと思います。だからこそ、もう眠らせてあげたいのです」


「そして、ルミちゃん、我が子にもう一度、会えだ本当にありがとん゛」


 最後は涙で声がボロボロになった所で、作者の語りは終わる。この話を聞き、世の人達は涙を流していたのが先月のこと。


 その病弱少女キャラの金字塔を打ち立てたのが、ルミであり。そんな少女が、暗黒卿の仮面を被りゴスロリ服で善行に励んでいる。


 再び、このギャップに人々の脳は焼かれ始めるのである。

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