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第23話 世界の常識、彼女の常識①


「『はーい、サトウとシオのダンジョン攻略の時間です』」


 サトウは某宇宙世紀の朱い彗星の人に似た仮面を被り、シオは紫マスクのオバサンに似た仮面と紫マスクを被っている。


 中の人は、ルミとレイであるが、認識阻害の魔法が効いている為、誰だが分からない。


〝お、始まった〝

〝最初から100万視聴者とか多すぎ〝


『今日は東京のとあるダンジョンに来ています!』

「サトちゃん、ダンジョンの1層ってこんな感じなの?」

『そうだよ、意外に普通でしょ!?』

「普通の原っぱでゲームみたいに洞窟だと思っていたよ、ところでこの周りに散らばっているのはなぁに?」


〝あー、最初は誰もが思うやつだよなぁ〝

〝Dコインって言われているやつ〝


「Dコイン?お金なのにみんな捨てるの?勿体なくない?」

『Dコインというのはモンスターを倒すとドロップしますが、ダンジョン外にも持ち出せず加工も出来ないため、皆さん捨てています。シオちゃんにはまだ役に立たないね。でも、勿体ないので回収しときますね』


 サトちゃんが黒い渦を発生させるとコインが全て回収される。


〝まだ役に立たないん?どういうこと〝

〝勿体ないので回収というのが分からない〝

〝黒い渦は一体何なの?気になる!〝


『それではまず、シオちゃんにはあのモンスターを倒して貰います』

「あ、あれはスライム!」


 透明で丸っこくポンポン刎ねている生き物がいる。みんな、大好きスライムである。


『まずは、シオちゃん、このバットで叩いてください、丸いのがコアです』

「頑張る!」


 シオちゃんはサトちゃんからバットを受け取りスライムを叩く。だが、スライムは柔らかく叩かれても変形するだけである。

 十数分間にわたり紫マスクを被っている少女とスライムの戦いは少女が何とか勝利することが出来た。


「ハァ、ハァ疲れた、コアを叩き潰したよ」

『ドロップしたのは、ボロボロの青い魔石ですね、金額にして100円程度ですね』

「嘘でしょ、割に合わなさすぎる」


〝分かるわ、初心者が通る道〝

〝シオちゃんのハァハァボイスが疲れたオジサンの心を満たす〝


「あれ、サトちゃん何か変な板が出て来たよ、文字が読めないよ」

『あ、そうですよね。これは初期だと見えないのですが、設定を弄ると見れるようになります』

「そうなんだ!」


〝はぁ!?〝

〝2000年にダンジョンが出来てから25年、誰も解析できてないんだぞ!〝

〝つい最近、ダンジョン学会で各国合同調査委員会が出来たばかりだぞ〝


『まずは、画面の右側から7番目を押して、スクロールすると歯車マークが見えますよね?それを押して、更に下にスクロールして13番目を押してください、そして更に7番目を押して、ずっとスクロールすると日本語が出てきます』

「あ、出て来た日本語を押してみるね、あ、日本語になった」

『はい、環境>設定>言語>日本語が出来ましたね』


〝うせやろ!?〝

〝嘘だと思ってやってみたら出来たwww〝

〝ワイも出来て、今までの苦労に涙を流す〝


「サトちゃん、凄いよ!良く分かったね!」

『シオちゃん、近所のお兄さんがやっている、海外のゲームの設定と同じ感じで触ったら出来たんです。ダンジョンさんから見たら私たちの世界って異世界ですもんね!』

「なるほど、ダンジョンって異世界のゲームなんだね!」


 シオちゃんは、ダンジョンの事を何も知らないので単に驚いているが、これを見ていた視聴者及び、たまたま見ていた研究者は上から下まで大騒ぎである。


『では、次にセキュリティを選択して、通常はプライバシー状態にして下さい。本名や体重等の個人情報が見えなくなります』

「サトちゃん設定したよ!次は何をするの?」

『私からシオちゃんにパーティ申請をするので承認して下さい!』

「あ、届いたよ!承認したよ」

『ハイ、これでワタシとシオちゃんのスキルと相互閲覧とDコインが共有で使えるようになりました、シオちゃん固有スキルと称号を見せて貰えるかしら?私も見せるので!』

「分かった、見せるよ!」


シオちゃんの固有スキルと称号:

新人類ニュータイプ:LV.5

精霊の愛し子(炎・風):LV.1

銃剣使い:LV.3

苦難を乗り越えし者

業値カルマ:50万


サトちゃんの固有スキルと称号:

新人類ニュータイプ:LV.90

完全(パーフェクト)見盗稽古(キャプチャー):LV.95

精霊の愛し子(闇):LV.90 

聖人候補

業値カルマ:100万


これを見て、更に世界は驚くのであった。

彼女の情報開示は、まだまだ続く。

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