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第2話 1層での真実


にゃむこは、来た道を浮遊しながら戻っている。

脳内では、自分がこの後どうなるのか、そして人生の走馬灯が走っている。

 

 〝暗黒卿に連れられるDチューバーでバズって草ww〝

 〝もう、来世に期待するしかないぞ〝

 〝同時視聴率100万ですよ、これは快挙(人生最後の)〝


 猫民は言いたい放題を言っているが、にゃむこはコメントの相手も出来ない位に追い詰められている。そうしている間に1層の草原ステージに戻り、にゃむこは浮遊状態から解放された。


 「にゃむこをどうする気にゃ、ここの面子みたいに一緒に殺すにゃ?」

 『違う、人助けを手伝って欲しい』

 「そう言って、死体処理をさせる、きにゃ」

 『違う、多数のけが人にポーションを飲ませて欲しい』


 暗黒卿はポケットから青い液体の入った瓶を倒れているホワイトナイツのタンク役だろうか騎士の恰好をした男の口を開かせ飲ませる。

 それまでは、死んだような顔の男の顔に生気が戻り呻き声を上げる。


 『大丈夫か?一応、ハイポーションだから体内の損傷は回復したはず』

 「あ、誰だ、これは、暗黒ノクターン卿、また借りが出来てしまった申し訳ない」

 「にゃ、日本最強のホワイトナイトの団員と暗黒卿は裏で手を組んでいたにゃ」

 「あ、違うってば、俺たちが襲われた所を助けてくれたんだよ」


 騎士の男の話を纏めると、政府より依頼されたダンジョンツアーで小学校の子供達を引率していた。

 原っぱステージで昼飯を食べていたら通常ではあり得ない位のダンジョンウルフに襲われ始め、子供達は緊急転移石でダンジョンから脱出させて自分達は殿として戦った。

 しかし、明らかにおかしいモンスターの数に押し負けそうになった所に暗黒ノクターン卿が現れてモンスターを蹴散らしたのが真相。

 

 「この子の顔、信じられないって顔しているぜ、暗黒ノクターン卿」

 「にゃ、信じられないにゃ」

 「じゃ、これも見れば良いよ!」

 

 右手のデバイスを操作するとステレスドローンが現れ、映像を投影し始める。

 中身は、先ほどと言われたことと同じ。

 だが、にゃこむが回れ右したところで『ちょっと待って』と言われたのに逃走するシーンはまるで傷ついた人たちを見捨てるように見える。


 「これだと、にゃむこが悪役では?」

 『実際、そうでは?私はちょっと待って違うと言ったけど?』

 「にゃー、もう、どうすれば、許されるにゃ」

 『だから、ポーションを飲ませるのを手伝えと言っている』


 〝最初から俺たちは暗黒卿が悪い子じゃないって分かってたぞ〝

 〝おら、にゃむこ、働け!〝


 にゃむこは暗黒卿から多数の色々な色のポーションを受け取ると怪我の程度に合わせて飲ませるのであった。


 その間、暗黒卿はフラフラと歩いていたが、子供たちが居た所で足を止める

 そして、小学生の持っていたリュックの中身を逆さまにして全てを出す。


 〝暗黒卿、今度は小学生のリュックサックを漁る〝

 〝悟りを開くには小吾りが最高って思ってそうww〝


 『おい、朝霧、これを見ろ』

 「ん、なんだい、暗黒ノクターン卿、こ、これは禁制の奴だぞ」

 『そうだ、モンスタートレインを起こす魔道具だ、しかも小さく最新だ』

 「まさか、子供達が、犯人だと?」

 『そうではない、子供たちが此処まで来るまでに出会った奴が怪しい』

 「分かった、そのリュックの子供の名前は……と、後で調べておく」


  〝自分以外の悪を許さない、悪の鏡、これぞ暗黒卿〝

  〝顔が見えていないけど、すごい怒っていません?〝


 『いや、怒って居ないよ?』


 〝怒っているのですね、分かります〝


 「本当に?にゃー、じゃ、お顔を拝見」

 

 にゃむこが、横からひょこっと来て、暗黒卿のヘルメットを取る。

 視聴者と周りが騒然とする中で暗黒卿の顔が露わになる。

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