第134話 武台少女、第二回公開オーディション①
武台少女、第二階公開オーディション。場所は、解体予定が決まった都内の高層ビルディング。
先週の公開オーディションでは、70人から21人が合格になっている。
「失礼いたします」
レイが、ビルディング内の受付に来るとざわッと周りが反応する。
それもそのはず、レイの恰好は黒に赤、金色の豪華なゴシック服を着てベレー帽を被った殺戮人形だからだ。
それに、前回のレイのやらかしは、アイドル界隈では知らない者は居ない状態だ。
ちなみに今日は、風の大聖霊のシルフィがレイの替わりに演じている。どうやら先週、演じた火の大聖霊のフレイアとは毎回交代して演じる事に決めたらしい。
あと、大聖霊は、余り人間の操作に慣れていないためにレイを人形の様にぎこちなく動かし、更に無意識の内に魔力により人を圧迫する。
「あ、あか、ぼし、玲さんですね、玲さんはすでに殺戮人形に抜擢されているため、今回の公開オーディションは選抜側に回って頂きます」
「選抜側?」
「ヒェッ……殺さないで!」
ヘナヘナと受付の女の子が床に崩れ落ちて、床に水溜まりを作る。
決して、脅している訳ではない、大聖霊の魔力管理がノーコンなだけである。
〝受付のオンニャの子が漏らしてて草ww〝
〝今日のレイちゃんは、また不機嫌そうな顔が美しい〝
〝その刺すような瞳が俺を狂わせる……〝
本日も公開オーディションの為、ネット配信されている。
漏らして気絶した女の子の替わりに、他の人がレイを待機室に案内する。
どうやら、今日の待機室はレイだけは個室貸し切りの様だ。
他の待機室では7人の女の子達が、それぞれ3グループに分けられ案内されている。
ノックがされ、レイが入室を許可すると、原作者の西宮が入って来る。
「西宮先生、殺戮人形に抜擢いただきありがとうございます」
「レイちゃん、今日は貴女には選抜側に参加して貰います」
「選抜側?」
「ええ、貴女には21名の女の子達を殺して貰います」
そう言いながら、トランクの中から多数の武器を机の上に置く。
「でも、人間世界では、人を殺してはまずいのでは?」
「ふふふ、それは……この武器は……でね」
西宮はレイにタブレットパソコンを見せながら、使う武器について説明を始める。
・・・・・・・・・・・・・・・
第二回オーディション時間になり、21人の少女達が解体予定ビルの最上階ホールに集まる。
「これより、第二回公開オーディションを始めます。最初に、原作者の西宮先生がよりお話があります」
〝どんな選抜なんやろ……〝
〝今回は失禁あるんやろか?美少女の失禁みたい〝
〝↑変態さんは病院に戻って……〝
マイクを持った進行役が、右手を挙げると原作者と2人が入って来る。
そのうち、1人は目隠しと猿轡をされ両手足を枷とチェーンで拘束され下着だけの少女、もう1人は殺戮人形のレイで右手に斧を持っている。
「皆さん、今日は、集まって頂きありがとうございます。今日の選抜試験の内容はどれだけ惨たらしく死ねるかが、採点ポイントになります」
「「「惨たらしく死ねる???」」」
多くの子達が思わず、原作者の発言に疑問を持ち声を出す。
「ええ、惨たらしく死んでいただきます。殺戮人形さんやって下さい」
「ワカリマシタ、マスター、コロシます」
殺戮人形は、一人の少女の目隠しと猿轡を外す。
姿を見せたのは、妻子持ち男性と不倫、CM降板で巨額の賠償を背負った元人気アイドルのXX。
〝え、元人気アイドルのXXやんけ!〝
〝どうして、ここに……〝
〝枷とチェーンと下着がエロい〝
「サァ、ショブンのジカンです」
レイが右手で持った斧が、XXの片足を切り落とす。飛び散る鮮血、XXの絶叫。
「いや、いやぁああ」
片足を切り落とされ、バランスを崩したXXはうつ伏せの状態で床を這いずり回り逃げようとする。
「無様ですね、さぁもっと貴女の死を見せてください」
背中を踏みつけながら、右腕と左腕を切り落とす。
響くXXの絶叫、さらに片足を引っ張り仰向けにすると、斧で腹を搔っ捌き斧に臓器を絡ませながら引っ張り出し、最後は絶叫を上げ続けるXXの首を刎ね飛ばす。
飛び散る鮮血、笑顔で鮮血を受ける殺戮人形。
〝え……〝
〝エグすぎ、吐いた……〝
〝ナニコレ、本当のデスゲーム〝
「さて、21人の皆さんもこうならないようにね!逃げてね!選別スタート!」
近くにいた西宮も返り血を受けながら、笑顔で開始を告げる。
21人の少女達は、最初は現状が受け入れられずぼーっとしていたが、1人の少女が殺戮人形に斧で頭をカチ割られ真っ二つにされる。
現実に引き戻された全員は、悲鳴を上げながら逃げ始めた。
「さぁ、残り20人、美しく散ってください!」
西宮の声と共に、選抜試験が始まった。
次回 武台少女、第二回公開オーディション②




