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第114話 油地獄温泉、雑談配信


 ヒキガエルの置物が温泉の至る所に置かれ、口からお湯が吹き出している。道の駅の名前は【ヒキガエル温泉、油地獄温泉風アヒージョを添えて】。


 今日の温泉は、何時もに比べて湯気の量が少ない。それでは、タオル無しの少女達(ソルシュガ)の裸が見えてしまう。

裸が見えたらBANされるのでは?と心配する人達も居るかもしれない。


 安心して欲しい。


 少しの油分が入っているため、綺麗な油膜が出てきて見えてない。よく、水溜まりに油が入っていると虹色になるアレで有る。


〝クソ、湯気が少ないと思ったら今度は油かよ……〝

〝視聴者にとっては油地獄ww〝

〝↑そういう事かよwwwアヒーって言ってそうだもんなww〝


「ヌルヌルして変な感じだね」

『この温泉は肌荒れ、アトピーや皮膚炎の皮膚系疾患に効果がありますわ』

「この湯の花も沢山あってカワイイね」


 雪の様に白い肌を少し火照らせながら、白い湯の花を両手で集める。ただ、湯の花を両手で集めているだけ。


 実に健全であるが……。


〝フゥ……〝

〝スクショ取りました〝

〝顔を隠して、両手で白い物を持つのはケシカラン……フゥ〝


 視聴者の連中は、実に愚……異次元の豊かな想像力を持っている様である。

 現在、SNSでは【白濁×美少女(JC)】【白濁した両手】【アヒージョ(悲鳴)温泉】というのがトレンドに入っている。


 深夜にこんなのがトレンドなんて、もう終わりだよ、この国。っと自称冷静な有識者が言ってるが、賢者タイムの間にコメントしてる。


「この頃は、身長も伸びて膝とかも急に痛くなって医者に診て貰ったら成長痛って言われたよ、でも色んな温泉に入ったら良くなったよ!」

『確か、149cmから160cmになって、髪もお肌の艶も良くなりましたよね?』

「そうだよ!入社する前の食生活をお医者さんに話したら、すごく怒られた!ずっとCal〇rie Mateと1〇秒チャージの食生活だったからね」

『それは、躰に悪そうですわ、今は朝夕は元皇室専属料理長で、会社の料理人である芦屋料一あしやりょういちさんが作る会社での食事と昼は学校で食事ですもんね』


〝食時が貧乏人から超富裕層になってて草ww〝

〝一食が200円位から3万円位になってるやんけ!〝

〝そりゃ、お肌も髪もキレイになりますわ〝


 シオちゃんことレイは、地元から離れ、中学生で上京し炎上系配信者をしていた。

 炎上系で得た資金は、自分と同じ過剰魔力症の子を支える団体に寄付していた。


 その為に常に金欠で、何時もお腹を空かせ、配信の為に睡眠時間も無く身長も低く、髪やお肌もボロボロになっていた。


 現在は、栄養満点の食事に十分な睡眠時間に溢れる魔力。もはや、過去のレイを見たらレイと思えないほどの傾国の美女である。


「皆も、食生活と睡眠時間はちゃんと取ってね!」


〝ん、今の時間に配信してそれいっちゃう?〝

〝ソルシュガの配信で世界中の偉い人達が寝不足で禿になるわ!〝

〝↑禿の原因をソルシュガに責任転換するなww〝


「だって、今って20時じゃないの?」


 湯舟の近くに置いていたG-SH〇CKの時計を持ってきて見せる。時計は20時を少し回った所を示している。


 ちなみに、この時計は、スタプロの社長から先日、プレゼントで貰った時計。レイが嫌いな物が金持ち感が有るものと聞いていたので、普通の時計と装っている。


 普段は時計は着けないシオちゃんが、気に入って着けたら外し忘れて、湯船の傍に置いていたのだ。


『シオちゃん、これはダンジョンの時間ですわ。ここを操作するとホラ、外の時間がでますわ』

「操作方法が良く分からない」

『貸してね、操作するね』


 シオちゃんから時計を受け取り、操作をする。操作を視聴者に見せる為、視点が替わった瞬間にサトちゃんの鎖骨と脇が見える。


 世界限定800本、刀をイメージした100万円相当の漆黒をイメージした時計が大理石の様に白く絹のような繊細な肌の少女に操作され、外の時間を表示する。


 視聴者は、サトちゃんの鎖骨と脇を見ていた。操作している時計なんて、見ていない。


〝シオちゃん、おじさん全てを許した!アリガてェ、サトちゃんの鎖骨と脇を見られた〝

時間タイムは金っていう意味が分かった、ありがとう時計〝

〝今日のMVP、G-SH〇CK君!〝


 だが、時計には感謝している。

 時間外取引で Cashi〇の株価も急激に上昇することになる。


「本当だ!もう、こんな時間、みんなちゃんと寝てね!」

『私たちもゆっくり休んで、明日の十四層に備えましょうね』


 少女達(ソルシュガ)が湯舟から上がり始める。同時に、ヒキガエルの置物の口からお湯が噴き出し湯気の量が増え視界不良になる。


 湯気が無くなったころには、2人は温泉から出た後であった。


次回 蠢く物達、備える物達

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