第五話 魔王様!不幸のお時間の始まりです♪
ー魔都 ルーデウス ー
魔王ルーデルがあくる日にめざめてから、
「魔王様 ご機嫌いかがですか?
コーヒークッキーはいかがですか?」
と翌日から毎日魔王の様子をニコニコ見にくるアルフォルト。
ルーデルとしても、もう鬱陶しくてしょうがなくなっていた。
正直どうして最近毎日来るんだと不審に思っていた。
ルーデルも、そろそろ厄介払いでもしようかと、
考えていたその時のことであった。
アルフォルトは今日はしたり顔でやってきたかと思うと、
アルフォルトは副官ラヴィニアがいないことを確認すると、
「魔王様、もう魔王様に会えなくなると思うと。私、悲しいですわ。
魔王様がもしお体すぐれませんでしたら、この「私」にご相談ください♪
いつでも必要な「スイーツ」をご準備いたします!」
などと、意味不明なことを言ってくるのである。
非常に不愉快だったが、先日の失神事件でも、
自分を運んだのはこのアルフォルトということであった。
副官のラヴィニアもそのあとのことは、把握していないということだった。
自分に何が起きたのかも把握していない現状では、
迂闊な行動には出られないのである。
魔王ルーデルは、安全のためにあまり表にでないことを決意した。
しかしながら今日はルーデルはどうも体調が悪いのである。
そもそも悪魔には状態異常は効かないのが普通である。
しかしながら強力なデバフの呪いが自分にかかっていることに気が付く。
そういえば、先週のパーリィ後、
長らく寝ていたが、このデバフと関係があるのか。
実はこのことがたいへん気になっていたが、
誰にも聞くことができず、一人で悩み、困っていた。
魔王が、心配とか、相談とか、
そのようなことを他の悪魔にしてみることはできない。
とたんに、他の悪魔に食い殺されてしまうのだ。
特に副官の「ラヴィニア」あたりに知られると大変不味い。
ルーデルはこっそりと「智の悪魔」こと、ヴェルナーを呼んだ。
我が魔王軍四天王の「智の将軍」である。
この「智の悪魔」こと、ヴェルナーは、
気は多少効かないが、秘密などはしっかり守る悪魔である。
というか、こいつは興味のあることしかしないのである。
実はルーデルのダークボムの極大魔法もヴェルナーの発明である。
普段は書庫に引きこもり、なにやらずっと「研究」?をしている。
ただ、本当に黒魔法や戦術戦略などには精通しており、
専門領域については、確かな知識と実力を持っている、
我が魔王軍四天王の一人「智の悪魔」こと「ヴェルナー」なのである。
このヴェルナーなら魔法の解析くらいは興味を持つだろう。
「ルーデル様、今日はなんの用でございましょう!」
「ヴェルナー、私の調子が良くないのだ。この魔法の解析は可能か。」
「ムムム、なにやら呪いの魔法がかかっていますね。
面白そうです♪採取して、じっくり調べてみますね!」
といって、魔王の体の一部・・・「髪の毛」を引きぬいて、
そのまま研究室へと消えた。
そして、ルーデルは、アルフォルトの話も聞かねばなるまいと考え、
副官のラヴィニアを抜きに、アルフォルトを自室に招いた。
初めてルーデル様にお呼びがかかったのである。
悦びを全身に出しながら、アルフォルトは現れた。
アルフォルトは話し始めた。
「魔王様、私にどんな御用でしょうか?お菓子でしょうか?」
「いや、お菓子ではない。
どうして私の体調が悪くなることを知っていたのだ。」
と単刀直入にルーデルは聞いた。
「魔王様、実は、先日魔王様が失神したとき、
私が魔王様をお守りしていましたぁ!」
とアルフォルトは、意味不明な話を話し始めた。
パーリィの途中に、ルーデル様が原因不明の精神攻撃をうけたこと。
アルフォルトは、ルーデル様を守るために、
一緒に特殊空間に転移魔法で逃げたこと。
しかしそこに、なぜか大魔法使いマドレーヌが現れ、
魔王様に暗黒極大魔法「カース」がかけられてしまった。
と話した。
「で、どうやってその危機を乗り切ったのか?」
と、理解しがたい表情でつぶやく魔王ルーデル。
アルフォルトは、マドレーヌに呪いのカウンターを放っておいはらった。
などと、にわかには信じがたいような話を説明した。
冷や汗をかきながら話に聞きいるルーデル。
こんな支離滅裂な話を信じれるわけがない。
まずこの魔王城にマドレーヌが攻撃を仕掛けられるわけもないし、
このアルフォルトが、大魔法使いのマドレーヌを退散できるはずもないのである。
全く信じられないような話ではあるが、
このデバフは本物なのである。
そしてアルフォルトはこう続けた。
「結局のところ、魔女マドレーヌはルーデル様に呪いをかけました。
ルーデル様は、愛する者が作るスイーツを食べないと、
生きていけない体になったのです!
残念ですが、スイーツなしではあと1日しかルーデル様は生きていけません!
このデバフこそが、この呪いの証拠です。
どうぞ、魔王様を愛するこの私がつくった
このチョコを食べて、その大事な生を続けてください!」
と。
ルーデルは、わなわな震えながら、この話を聞いていた。
耐えがたい苦痛と屈辱をルーデルは味わっていた。
この小娘がいうことが、どうやら正しそうなことは頭では理解していたが、
どうにも承諾しがたいのである。
なぜこんなことになってしまったのか。
こんな小娘に自分の人生がもて遊ばれることに、
屈辱を感じていた。
しかしながら、
この時が過ぎるごとに増すこの苦痛に耐えるのも、
そろそろ限界が来ていた。
残念ながら他に選択肢はないのである。
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ルーデルは
アルフォルトから、
チョコをもらうと、
一口で食べた。
そして魔王ルーデルは無事に?
活動を中止したのだった!




