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第四話 大魔法使いマドレーヌとの会合

ー ヒュームの城下町 アルデンヌ ー


アルフォルトは、敵国であるヒュームの城下町アルデンヌに来ていた。

こっそりスイーツの視察をしながら、アルフォルトは情報収集をしていた。


ヒュームどもは、そろそろこの最後の城に立ちこもり、

魔王の軍勢に対抗したが、もうここで一巻の終わりであろう。


この城も魔王様のダークボムがあたれば一発で蒸発であろう。

とこの城を見上げるアルフォルト。


ただ、懸念があるとすると、それは、

大魔法使いの「マドレーヌ」 の存在だった。


魔女マドレーヌの魔力は強大で、他の悪魔の将軍も攻めあぐねていた。

彼女は強力な暗黒魔法使いの使い手であり、

そこらの悪魔より、てーんで闇が深いのである。

もう85体もの悪魔の将軍がこの城での戦闘で葬り去られていた。


先日ルーデル様が出陣されたときも、

ルーデル様が垂直降下の途中に「転移」させられる

という異常事態が起こっていたのである。


あの転移で魔王様が墜落死してしまっては本当に大変であった。


あの時の魔王様は足の切断という重傷を負ってしまい、

回復にはかなりの時間と魔力を浪費してしまった。

この魔法使いマドレーヌの「封印」こそが、魔王軍の緊満の課題であった。


アルフォルトは、 この魔女「マドレーヌ」に会うべく、

ヒュームの女の子に変装し、まちに潜入したのだ。


別段、少女であるアルフォルトは変装は必要ないのだが、

魔王城でのアルフォルトは、

ちょっと服装が「派手」すぎるのだ。


鏡で自分の「かわいさ」を再確認し、アルフォルトは計画を確認する。

これから街はずれのマドレーヌの居宅を訪ねるのだ。


コンコン

と扉をたたく。


「はーい。どなた?」


「あの手紙を出したものです。」


とアルフォルトは答えた。


実はアルフォルトは、事前にマドレーヌに手紙を送っていた。


ー 前略 大大大魔法使い マドレーヌ さま ー


いつもたいへんお世話になっております。


私は、宮廷の魔法使いですが、ご相談事がございます。


せ か い へ い わ についてお話しませんか?


大事なことなので、よろしくお願いいたします。


ーとある きゅうてい まほうつかい よりー


「せかいへいわ」

の実現のための手紙である。


これであれば、絶対に会ってくれる!

と勝手に信じて、アルフォルトは自信をもって臨んでいた。


「どうぞ、おはいりください」

マドレーヌと思われる女性は、

この小さな小屋にアルフォルトを招き入れた。


マドレーヌは、大魔法使いらしからぬ、

若い女性の姿をしていた。


ただ、その魔力量はアルフォルトの未知の領域であり、

単なる「お菓子の悪魔」であるアルフォルトが戦って、

敵う相手とは思わなかった。


「確認するけど、あなた、ヒュームではないわけね?」

と「大魔法使い」のマドレーヌは聞いてきた。


「はい、その通り!私は「せかいへいわ」が大好きな悪魔ですよ♪」

とアルフォルトは答えた。


アルフォルトは《《自分の》》「せかいへいわ」が好きなので、特段嘘はついてはいないのだ。


「で、どうやって「世界平和」をするわけ?」

とマドレーヌはつづける。


マドレーヌ的には、特段戦争には興味はないけれど、このアルデンヌ地方の平和を脅かすのであれば、悪魔も根絶やしにするし、次は魔王ルーデルも殺さないといけないことを、アルフォルトに話した。


アルフォルトは必死に説明した!


「とんでもない!私は「せかいへいわ」がだいすきなんです!!」

と必死に必死に説明した。


ルーデル様が殺されては大変なのである。


アルフォルトは説明した。


「実は、魔王様には弱点があり、それをコントロールしたいのです!」


と魔王ルーデルの弱点について話し始めた。


魔王には弱点があるが、自分の力では制御ができないため、自分に制御ができるように魔王に呪いをかけてもらうことができないか頼んだのである。たとえルーデルがスイーツが苦手だとしても、自分が殺されてはダメなのである。


ヒュームとしては、あの恐怖の大魔王さえいなければ、そこそこ均衡には魔族とも戦えるのである。均衡を保っていれば、停戦などもありうるかもしれない。そのバランスをアルフォルトがとるというわけだ。


アルフォルトは言った。


「ルーデル様が、私のスイーツを食べないといけない呪いは可能でしょうか?」


「むつかしいわねぇ。」

とマドレーヌが答える。


スイーツを食べることだけであれば、アルフォルト以外が作るスイーツでもよくなってしまい、彼女が消されないようにするには、大きな工夫をしなければいけないのである。


彼女でなければいけない何かーー


ただ少し考えた後、マドレーヌは再び質問をした。


「でも、あなたはどうして魔族なのに、ルーデルのことをそんなに慕うの?」


え!そ、そんなこと、初対面なのに聞くの?


と、アルフォルトは混乱した。。


「そそそ、それはですね。私がおかしの悪魔で、世界一の悪魔になる必要があるんです。ででで、魔王様に毎日たたたたべていだだくのが、世界一ということなのです!!!!!」


と、アルフォルトは慌てながら、意味の分からないことを口走ってしまった。


そっとマドレーヌの顔色を伺うアルフォルト。


なにやら、意地悪そうな表情をみせるマドレーヌ。


「はいはい、なんとなく、わかりました。それでは、おそらく魔界で唯一?、あなただけがもつ感情に関わる呪いをかけることにしましょう!」


「それ、なんですか?」


「あなた、魔王ルーデルに恋をしているのよ!」


べべべべべべ別に、そんなことないのに、、、


「ルーデルには、「愛するものが作るスイーツを週に一回食べないと死ぬ」という呪いを与えるのはどうかしら、アルフォルト?」


とマドレーヌは大変恥ずかしいことを口走った。


え、どういうこと?


「そ、それでは、魔王様は、死んでしまうかもしれないではないですか!そんな呪いはダメです。それに、呪いがあると、信じてもらえなかったら、即死してしまうではないですか!」


「そうねぇ、それでは、死ぬではなくて「封印」ではどう?そして「封印」の前日に、超強力な「デバフ」を受けるっていうのはどう?死ぬより苦しいデバフよ♪」


アルフォルトは死ぬより苦しい「呪い」でルーデルを苦しめることに少し興味を抱いたがすぐ考え直し、真剣に答えた。


「もしルーデル様だけが、封印されたら、魔界はヒュームの侵攻にあってしまうわ!私はそんな手にはのらない!もしルーデル様が、封印されるのなら、その時は、あなた!「大魔法使いマドレーヌ」も封印されるときよ!」

とアルフォルトは答えた。


「何それ、面白いじゃない、おそろいで封印ね♪」

とマドレーヌは答えるので、アルフォルトは面白くなかった。


「その呪いは、私があなたにかけるわ!時の牢獄にあなたを閉じこめる。ルーデルとは同じところには封印しない。そういう契約でいいかしら?」

とアルフォルトは確認した。


「おもしろいんじゃない!」

と楽しそうにマドレーヌは話す。


それではと、とっておきの「あいてむ」を、アルフォルトは取り出した。


てってれー!!


私のとっておきの魔法アイテム


「大厄災の杖」


である。


標的を決めて、魔力さえあれば、

目的の魔法が使える便利な杖である。

魔力の量だけは自信があるアルフォルトにぴったりのアイテムなのだ。


この杖に目的の黒魔法の呪いをかけてもらうのだ!


アルフォルトはマドレーヌにこの杖を託して、

ヒュームの街、「アルデンヌ」で

食べ歩きの旅をしていた。


これは、マカロン!

これは、ショコラ!

これは、タルトタタン!


やっぱりヒュームの作るお菓子は、

しっかり研究する必要があるわね!

と改めてアルフォルトはヒュームの文化に感心した。


アルフォルトは、他の魔族とは異なり、

ヒュームを滅ぼしてしまうことにはあまり興味はなかった。


ヒュームは楽しいし、おいしいのだから、

適当に共存すればいいのに、と思っていた。


自分なりには「せかいへいわ」も悪くないとは内実思っていたが、

お菓子の悪魔には何もできないことだと思っていた。

こんな形で実現できようとは思っていなかった。


三日三晩、ヒュームの街で、

食べ歩きの旅行をしたアルフォルトは、

マドレーヌの居宅にもどった。


マドレーヌは、杖に魔法をかけ終えていて、やや疲労して見えた。

おそらく超凶悪な「極大魔法」をかけ終えたところなのだろう。

アルフォルトは、この禍々(まがまが)しい杖を大事に受け取る。


「だいたい、あなたの希望する魔法にしておいたわ!

たくさんボーナスもつけておいたから楽しみにしておいてね♪」


とマドレーヌは言ってくれた。


「あなたは、ルーデルが気絶したときに、

この魔法をかければいいわね?それでいいかしら?」


アルフォルトは2つ返事で返事した!


「それでいいでーす♪」


呪いの契約もアルデンヌにかけさせてもらって、

楽しみに、楽しみに、

アルフォルトは、魔王城に戻ったのであった。


適当に「せかいへいわ」なんて、言ってみるものだとか思いながら。


魔王城の自分の居室に戻ると、

「時の部屋」に入れておいたので、ルーデルはまだ寝ていた。


フフフ、これで私の生活は順風満帆(じゅんぷうまんぱん)


自身の豊富な魔力をふんだんに使い、

恐怖の大魔王に呪いをかけるアルフォルト!


「おかしの悪魔のだいまほーう!!」


とアルデンヌが杖に込めた極大魔法を行使するアルフォルト!

アルフォルトのお部屋がきらきらとおかしの魔力でいっぱいになる!


ぱーん!とお菓子の魔力が吹き飛び、

魔法が成功したことを表していた!


明日からの幸せな毎日を想像して、

アルフォルトは(よろこ)びに満ちあふれるのであった。


楽しみで、楽しみで、

翌朝の目覚めをたいへん楽しみにして、

アルフォルトは寝た。


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