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第二話 スイーツの少女

ー 魔都 ルーデウス ー


こうして今日も、魔王ルーデルの部隊は

敵主力を打ち崩し、

誇らしげに魔都に凱旋(がいせん)していた。


魔王城に帰還したルーデルのものとに、

ひとりの少女が近寄り、ねぎらいの言葉をかける


「お疲れ様です魔王様」


「今日は、パンプキンのスイーツなどはいかがですか?」


との言葉に、

全く無視をする魔王ルーデル。


スイーツなど魔王には、さっぱり興味がないことだ。

どうしてこんな下級悪魔に付き合う時間が、取れるものか。

という傲慢(ごうまん)な態度が魔王の姿勢に表れていた。


副官のヴァンパイアのラヴィニアもうざそうに、この少女を見下す。

すれちがいざまに鎧が皿に当たり、スイーツが落下してしまった。


スイーツを粗末にはさせない!

少女は落下しそうになったスイーツを「魔法」で転移させ皿に戻した


この少女の名は「アルフォルト」。


このお菓子の悪魔「アルフォルト」は、

こんな魔王ルーデルとの不毛なやりとりを、

もう長らく繰り返していた。


いつか振り向いてもらえると思って、

あきらめずに、来る週もあくる週も、


「本日はアップルパイでございます。」

「本日はシュトーレンでございます。」

「本日はレアチーズケーキでございます!」


と、アルフォルトは声をかけるのだが、


魔王ルーデルは「一切」反応してこないのだった。

副官ラヴィニアも時々、アルフォルトの靴をわざわざ踏んでいく。


普通だったらもう擦り切れるところであろう。


しかし、この「アルフォルト」は、擦り切れない!

魔王ルーデルの「おっかけ」をあきらめずに行い、

毎週、スイーツの申し出と、

デートの申し込みをし続けるのであった。


おそらくアルフォルトは「恋」をしていた。


自分のおかしには、絶対的な自信がある。

魔王様に、認められて、世界一のスイーツの悪魔になる!


そして毎日魔王様にスイーツを食べて頂く!

そして毎日魔王様と遊んでいただく!


という大変ささやかで、

かつ、大きな夢を見て、頑張っているのである。

これはスイーツの悪魔の「誇り」にかけて、譲れない路線なのである!


そう、これはいわば、

スイーツの、スイーツの悪魔による、スイーツの為の、


「戦争」


なのである。


決して恋などではないと、自分に言い聞かせながら、

時々つい「デート」の申し込みもしてしまうのであった。


彼女は「愛」という概念のない魔界では大変異質な存在であった。

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