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第一話 恐怖の大魔王の降臨

魔王軍とヒュームの連合軍は、

熾烈な争いをこのアルデンヌ平原で繰り広げていた。


平原の魔王軍の防御陣に突撃を敢行する騎兵部隊!


「ランス突撃!!!!!」


ヒュームの騎兵部隊の長が、

魔王軍主力歩兵にまさに突撃を成功させ、

魔王軍歩兵部隊をぶっ飛ばし、

この戦闘の勝利を確信したときのことである。


「……ん?」


こころの奥底に響くいやーな重低音が聞こえはじめた。


騎兵部隊の長は、急ぎ皆に指示した!


「耳をふさげー!!狂乱の魔王がくるぞーっ!!!」


と言い終わらないうちに、この部隊長は既に石化していた。


気が付いたときには既に遅いのである。


上空からは、巨大な暗黒竜が、

恐ろしい勢いで急降下してくるのが見えた。


狂乱の魔王こと、


「恐怖の大魔王」の降臨(こうりん)


なのである。


この騎兵部隊も、

援護のハルバート部隊も、

そして魔王軍主力歩兵部隊すらも、


皆、一目散(いちもくさん)に逃げはじめた。


――平原には、ただ恐怖の悲鳴だけが残されていた。


逃げられるものは、まずもって幸運である。


しかし非常に残念なことに、

この暗黒竜の咆哮と急降下による不快な重低音の組み合わせは、

魔物もヒュームも関係なしに、

音を感知するものたち全てに、

恐慌、混乱、石化、毒、麻痺、頓死(とんし)といった

黒魔法属性のありとあらゆる強力な呪いをもたらすのであった。


即死するもの、石化するもの、麻痺するもの、

逃げられないで、その場に残るしかないものが大半を占めるのだ。


そして次に起こる「大災害」に巻きまれてしまうのだ。

暗黒竜に騎乗する魔王が垂直降下で投下したダークボムが炸裂する!


この垂直降下はダークボムの威力を飛躍的に増加させ、

約半径1000メルチの空間は凶悪な呪いに満ちた焦土と化すのだ。


ダークボム自体は、この直接的な破壊力に加えて、

範囲一体のものすべてに凶悪な「呪い」が付与される。


生きて出られたとしても暗黒魔法により呪われ、

投下された土地も、長らく死者と不毛の大地になるのであった。


今回は敵主力にボムが投下されたが、

このボムは、


時に王城の、

時に補給部隊の、

時に勇者様パーリィ一行の、

上空に突如として現われ、

容赦なくその猛威を振るうのであった。


そしてボムを投下後、この大魔王は、

そのまま一撃離脱をして、

拠点へと帰還していく。


この一撃離脱の極大魔法にヒュームは対抗するすべはなく、

この30年の戦闘で多大な戦線の後退を迫られていた。


最後に残る「アルデンヌ城」がヒュームの最後の望みであった。

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