第一エピローグ
ー 魔王ルーデルの自室 ー
「魔王様、この魔法の解呪方法がわかりました!」
魔王ルーデルの自室にやってくるなり、ヴェルナーは言った。
ルーデルとアルフォルトはびっくりする。
さすがは、魔王軍の四天王の「智の悪魔」ヴェルナーである!
ヒュームの大魔法使いマドレーヌにも引けを取らない!
ヴェルナーは、にやりと笑みを浮かべて告げた。
「解呪の条件がありまして、、愛が双方ともにある場合、
呪いが解ける鍵ができるのだそうです。
そして、実はもう愛は「少し」芽生えていそうですので、
解呪は可能の様です。」
魔王ルーデルたちにとって、
ルーデルがアルフォルトへの「愛」が芽生えていることは、
本人たちでさえ気づかなかったので驚いていた!
そして、アルフォルトは、猛烈に感激していたのである!
自分も「愛」されていることに!
もう彼女は他のことは考えられなくなっていた。
「多少問題はありますが、鍵を生成してもよろしいですか?
一応、ボーナスとしてスイーツも自由に食べられるようになりますよ!
よかったですね、魔王様!」
とヴェルナーは続ける。
「かまわん、とにかく早く生成しろ」
ルーデルは、と命じる。
てってれー!
ヴェルナーが誇らしげに鍵を生成すると、
ルーデルとアルフォルトは歓声を上げた。
_________________
魔王は、もうスイーツが食べなくてもよくなることに。
そしてアルフォルトは、魔王が既にアルフォルトへの愛に目覚めており、魔王にスイーツを毎日食べてもらえる生活が待っていることに!
別ベクトルながら2人は歓喜した。
二人はそれぞれの理由で夢が叶った瞬間を互いに手を取り合い、
抱きしめ合い、お互いに心から祝福しあった。
二人は、これからの幸せな生活を本当に喜んでいた。
魔王ルーデルは、スイーツとアルフォルトのいない生活を、
そしてアルフォルトは魔王に愛され、スイーツを食べてもらう生活を、
二人は手を取り合いながら、夢の実現にむけてまどろんでいた。
あとはこの鍵を発動するだけなのだ!!
_______________
「ですが、魔王様、この鍵の生成には問題がありまして」
と、ヴェルナーが続けた。
これね!鍵を生成したとき、愛が芽生えたものたちに、
一週間の「ねむり」の呪いが追加されるんですよ。
事前に、解明してた私、えらいでしょ?
いやー、厄介ですよね、この呪い。」
と独白しながら、悦に入る 「智」の悪魔。
鍵の生成と同時に、無事に新たな呪いは発動していた。
魔王ルーデルとアルフォルトの二人は、
既に眠りについていた。
身を寄せ合って眠るこの幸せな二人に、
ヴェルナーは楽しそうに話しかけていたのだ。
そして、やさしいヴェルナーは、
幸せそうな二人を起こさないように、
そっと「鍵を置いて」部屋を出て行った。
そして、この部屋では、鍵は発動することなく、
そのまま一週間の時がすぎるのであった。。。
_________________
アルフォルトは幸せに目が覚めた。
ルーデル様との輝かしい日々が今日から始まるのだ。
うきうきしながら目覚めたが、ルーデル様は、
もう起きてしまっているようだ。
隣にいたはずなのに、いなくなってしまっている。
もう仕事にでも行ったのだろうか。
さてと、今日もスイーツをつくるかと、
時計をみた瞬間である。
時計は一週間を過ぎたことを示していた!
そして、アルフォルトは、なんと、
「鍵」が、
机の上に置いてあるのを見つける。
____________
時計をもう一回確認すると、
やはり一週間が過ぎ去っていた。
そしてこの鍵が残っているということは、、、
アルフォルトは愕然としていた。
何が起こったのだろうか。
何が起こったかはわからなかったが、
1つはっきりとしたことがあった。
それは、
ルーデル様が、
封印されてしまった。
ということであった。
______________
愕然とするアルフォルト。
自分を守ってくれるだろう魔王はもういない。
そしてマドレーヌももういないだろう。
そして、一番大事なことは。
もうここには「いられない」ということである。
アルフォルトは、身支度を済ませると、
魔界の闇にまぎれた。
悲しんでいる暇はない。
あとでゆっくり悲しむしかない。
今は、自分の身を守るだけ。
さようなら、魔王城。
さようなら、魔王様。
いつか私が復活させるその時まで、おまちください!




