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第九話 魔王様!デートのお時間です♪

いつものように居室で目覚めたルーデル。

今日もまたアルフォルトを無視して、

ひさしぶりに軍の会議への出席を決めていた。


しかしながらアルフォルトは、

先日の一件で、ご立腹であり、こう言い放ったのだ。

「ルーデル様、このままでは私は「愛」がなくなりそうです。。」


驚くルーデルに対し、アルフォルトは続けた。

「今日一日、私とデートをしていただけたら、愛が戻るかもしれません。」


ルーデルの呪いは、「愛する者が作ったスイーツ」を食べることが条件だ。

ルーデルはしぶしぶ今日の会議への出席をキャンセルした。


彼女の表情は穏やかだが、目には厳しい光が宿っている。


アルフォルトは、先日マドレーヌからの念話を受けたときのことを思い出して、ふつふつと怒りが湧いてきた。


――「アルフォルト、聞いてちょうだいよ。あのルーデルったらね……ぷぷっ、アルデンヌで失態をやらかしてたのよ!私、魔女に化けて全部見ていたんだから!」――


そう、マドレーヌは魔女の姿でこっそりルーデルを観察していたのだ。あの恐怖の魔王が、まさか人間の街であんなに堂々と「愛」を探そうとしていたなんて、滑稽で仕方がなかったらしい。しかも、そんな失態をマドレーヌに見られたことに、アルフォルトは無性に腹が立ったのだ。


「まったく、ルーデル様ったら……私以外に手を出そうとするなんて、本当にお馬鹿なんだから!」と、アルフォルトは思わず顔をしかめた。


この場面を思い出すだけで、ルーデルに対する小言がこみ上げてくる。しかし、どこかで「ルーデル様に愛を教えるのは、この私だけなの!」という妙な独占欲も芽生えているのだった。


「魔王様、先週のヒュームの街でのご行動について、少々お聞きしたいことがございます。」

アルフォルトはと切り出した。


ルーデルが、街で「愛」を買おうとしたことについて、

面と向かって問いただしたのである。


「私のことを何だと思っていますか?」

とのアルフォルトの言葉に対して、


ルーデルは、どうしてアルフォルトが情報を握っているか不思議に思ったが、

何も思っていないとは言えないしな、と心の中で思いつつ、彼はどう返事をするかをしばらく思案した。


確かにアルフォルトがいたからこの呪いへの対抗ができている状態ではあるので、ルーデルは少し考えを改めることにした。


「ありがとう、アルフォルト。お前がいてくれて、本当に良かった。」

本当は特になにも思ってはいなかったのだが、こう答えておかないと、アルフォルトの気分を損ねても、損なだけなのである。

 先日のチーズケーキの件もあり、あまりことは荒立てないことにこしたことはない。


「今日は一日、私を鬼ごっこをしていただきます!」

とアルフォルトは言った。


この日、アルフォルトの居室で、ルーデルは一日中

鬼ごっこをさせられていた。


「ウフフフフフ!!!」

と楽しそうにはしゃぐアルフォルト。


というのも、このアルフォルト、近寄ると短距離転移をするので、

狭い部屋の中でも捕まえることは不可能であり、

アルフォルトの魔力量は膨大の為、

短距離転移をしても、魔力切れをおこさないのであった。


へとへとになりながら、鬼ごっこのお役御免となるルーデル。

基本はドラゴンの騎乗で戦闘を行うため、

このような体術はあまり修行はしていないのである。


疲れ切ったルーデルは、疲労感をあらわにしながら

「アルフォルト」の居室から「アルフォルト」を伴って出てきた後、

二人で会席の間にて夕食をとった。


これをみた魔王城の住人たちによって、

アルフォルトの良き?「名声」は高まっていった。


この日、魔王城では原因不明の「大規模通り魔」事件と「連続爆破」事件が起きたが、原因が何かは判明しなかった。


___________________


今週は軍会議の結果、魔王ルーデルは出陣も行えた。


ダークボムはマナが回復していなかったので行わなかったが、

ドラグナイトによる急降下だけでも、十分に効果があるのであった。


ひさしぶりの魔王の出陣に、

ヒューム側が大混乱に陥ったのだった。


ダークボムは威力が高すぎ、大地も不毛にしてしまう。

ルーデル単体の出撃だけでも十分な効果があるのだった。


ルーデルは凱旋後、戦争の形態を変える必要もあることに気が付いていた。


一方副官のラヴィニアは、ルーデルが戦場で「本気」を出さないことに、不信感を超えて、敵意を抱くようになっていた。

ヒュームから「愛」を買おうとしていたり、戦場で「本気」を出さない。ルーデルが随分と変わってしまったことに失望していたのである。

そして先日アルフォルトの居室から魔王が出てきたことを聞くと、既に正気を保てなくなっていた。


_______________


ルーデルは、こうしてまたあの6日目を迎えていた。


今回はルーデルはアルフォルトに今度はしっかり「依頼」をして、

スイーツを作らせたのだ。


このスイーツの形はきれいなダイヤモンド型で、表面には軽く焼かれたことで金色に輝く薄いクラストが形成されている。中央には一粒のピスタチオが飾り付けられ、緑のアクセントがこのスイーツの豪華さを更に引き立てている。


アルフォルトが解説する。

「これは、「シュケルパル」というスイーツです♪このスイーツは一口かじると、そのクリスピーな外皮がサクッと音を立てて崩れ、すぐに口の中でバターとレモンシロップの豊かな風味が広がります。このシロップは酸味と砂糖の甘さを後味が爽やかになるように繊細なバランスを取っています。」


そしてルーデルは、このスイーツを食べると、今日も失神した。


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