第八話 魔王様!愛はお金では買えませんよ♪
再び居室で目を覚まし魔王ルーデル。
今日も横ではアルフォルトが付き添いをしてくれていた。
それにもかかわらず、ルーデルは、今日もどこかに出かけて行ってしまった。
アルフォルトは、先日ルーデルが出入りしていたヴェルナーの研究室を訪ねるべく、転移魔法を使って突然移動した。
ヴェルナーは驚いたが、彼女の存在をすぐに認識し、話しかけてきた。
「今日はどうされたのですか?」
「あなた、ルーデル様から何か言われていませんか?」
「なんのことでしょうか」
ヴェルナーは少し狼狽えながらも、知らんぷりを決め込んだ。
アルフォルトは直接的に問い詰めた。
「いや、ルーデル様の呪いのことなんだけどさ。」
「呪いのこと、ご存じなんですか!」
とヴェルナーが思わず口を滑らせる。
「なんかこの呪いはボーナスがあるみたいなのよ。
詳細が分かったら、私にも教えてね♪」
とアルフォルトは付け加えたが、
心の中ではルーデルが呪いを解除しようとしていることに
ほのかに怒りを覚えていた。
ー ヒュームの城下町 アルデンヌ ー
一方、ルーデルは再びアルデンヌの街に来ていた。
彼は今回、お菓子職人を集めて「愛」を理解しようと試みていた。
しかしながらルーデルは、「愛とは何か」という根本的な疑問にぶつかっていた。ヒュームは魔族と違い、力ではなく愛に従って生きると言われている。
とりあえず、老婆がいるわきを通り、
先日のチョコのお店に再び足を運んだ。
「いらっしゃいませー!キャーーー!!」
と店員たちに大歓迎される。
ルーデルのイケメンの外見と、
以前に大金貨を払ったことが、
彼の大人気につながっていた。
自信をつけたルーデルは、
(これなら、愛は容易に手に入るかもしれない)
と考え、
「今日はこれで、愛を頂こうか。」
と、再び大金貨1枚を店頭に置いた。
ルーデルは皆の冷たい目線に変化することを感じ、
店長に、「別の店」へと案内されるのであった。
一方、再びすべてを観察していたラヴィニアは、
ルーデルがヒュームから「愛」を買おうとしてたことに対して、
ひどく驚いていた。
魔王様は、なんと軟弱になったものだと。
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結局ルーデルは無事にあの「6日目」を迎えようとしていた。
アルフォルトを今回も呼び出すルーデル。
不機嫌そうにアルフォルトが現れると、
さらに見たこともないスイーツを置いた。
甘くて香ばしい禍々しい香りがルーデルの鼻をくすぐった。それは、見たこともないほど精巧に重ねられた美しいスイーツであった。薄く切ったナッツと、糖蜜と香辛料をたっぷり使った料理のようだった。
アルフォルトは説明した。
「これは、「バクラヴァ」というスイーツです。このスイーツの触感はサクサクとしており、ナッツの豊かな風味と強烈な蜂蜜の甘みが楽しめるスイーツです。この濃密な甘さが、中毒になるほどおいしいのです。今日も一旦死ぬといいのです。」
今日はこのスイーツを食べて、ルーデルは無事に気を失っていた。




