第七話 魔王様!お薬のお時間ですよ♪
気が付くと居室で失神をしていることに気が付いたルーデル。
わきには、アルフォルトがついていてくれていた。
「今日は何日だ?」
とルーデルが聞く。
「ルーデル様、明日が「あの日」になりますぅ♪」
とアルフォルトが楽しそうに話す。
がばっと起きて、日にちを確認し、驚愕する魔王ルーデル。
これでは、出陣も、何も仕事になったものではない。
そもそも、連日スイーツを食べるなど勘弁してほしいのである。
急いで、部屋を飛び出していき、
ルーデルは「智の悪魔」であるヴェルナーの元に急いでいた。
ー ヴェルナーの研究室 ー
「ヴェルナー、例の解析はどうなっている?」
と部屋に入るなりすこしきつい口調で話すルーデル。
「ルーデル様、まだ時間があまりたっていないので、
解析の結果が全て出ていませんが、
とりあえず大まかなものはわかりました。」
と、ヴェルナーは続けた。
結局、ヴェルナーが現在解析した結果、
大魔法使いマドレーヌによる凶悪な極大魔法により、
ルーデルは「暗黒魔法の呪い」をかけられたことが判明した。
この呪いは、アルフォルトの言うとおり、
「愛するものが作ったスイーツを週に一回食べないと死ぬ」
という呪いのようだった。
この事実に、ルーデルは大変に落胆した。
毎週アルフォルトのスイーツを食べなければならなくなったことが、
ほぼ確定したのである。
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「解呪は無理なのか?」
とルーデルは聞く。
「ルーデル様、今や魔王軍で暗黒魔法の最高位にあるのは私でございますが、私にも解呪が困難であると思います。」
と、さも残念!というようなそぶりでヴェルナーは言う。
おそらくこれは「オリジナル」の高位「極大魔法」の呪いであり、
そうとう「特殊」な術式の為、解呪は困難ということであった。
「マドレーヌに交渉を持ち掛けるというのがどうでしょうか?」
と頓珍漢なことをヴェルナーは言い出すので、
ルーデルはヴェルナーに近付き、背後の壁をドンとたたいてしまう。
「ヴェルナーこの件は内密なことはわかっているな!」
と解析の継続を依頼しながら、顔を近づけ確認をするルーデル。
「はい、魔王軍の最高機密でございます♪」
と楽しそうに話すヴェルナーは、ルーデルには悪魔のように見えた。
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残念ながら無事に「あの日」を迎えるルーデル。
アルフォルトが入ってくる。
「ルーデル様、お薬の時間ですよ♪」
と言いながら、アルフォルトが今日は丸いカラフルなスイーツを準備してきた。このスイーツは色とりどりの小さな宝石のように美しく、手のひらにすっぽりと収まる大きさであった。
アルフォルトが話を始めた。
「これはマカロンというスイーツです♪滑らかで光沢のあるクリスピーなシェルと、その中に隠された柔らかくクリーミーなガナッシュやバタークリームが隠されています。外側のシェルは、噛むとサクッと軽く割れる繊細さで、瞬間に放たれる甘美な香りが口内を満たします。その後、舌の上でシェルが溶けると、中のフィリングと混ざり二つの異なるディティールが見事に融合しまーす♪」
ルーデルは黄色いものをとり、一口かじり、
そして、いつも通り失神していた。
一方魔王軍は、魔王ルーデルが出陣しないということで、
やや劣勢に転じようとしていた。
副官のラヴィニアは、今週の戦闘で重要な部下を失い、
いら立ち始めていた。




