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緑色の髪が結ぶ絆

 部屋は外の厳めしさとは別の温度を保っていた。窓辺のやわい陽が織る明るさ、低い木の卓に並ぶ磨かれた磁器、薄く立つ茶の青い香り――肩に降る毛布のように、気持ちが静まっていく。


 陛下はゆるやかにポットを傾けた。湯が磁器の腹へ触れる小さな音、白い湯気に甘い匂いが混ざり、喉の奥へやさしく落ちる。長い年月で身についた所作は儀式のようで、見ているだけで呼吸が整う。


「この香り……どこか懐かしい気がします。なぜでしょうか?」


 ふと漏れた声に、陛下は微笑をゆるめ、注ぎ終えたカップを私の前へそっと置いた。高台が木の面に触れてかすかに鳴る。


「この茶葉はね、メイレアが好んでいたものなのだよ。もしかすると、君もどこかでその香りを覚えているのかもしれないな」


 胸の奥で小さな熱がひらく。蒸気の揺れに重なるのは、母さまの笑みの輪郭。

 幼いころ、父が遠い街から茶を持ち帰り、台所がふんわりとあの匂いで満ちた夕暮れ――手の甲にまで蘇る気がした。


「どうぞ、召し上がれ」


 両手でカップを包む。釉薬越しのぬくもりが指へ移り、唇に触れた液はまろやかに舌を撫でる。香りが口内から鼻へ抜けると、遠い日の明るさが一拍、胸の裏で灯る。


「美味しいです……。香りは記憶を刺激するといいますけど、確かに懐かしい感じがします」


 私の言葉に、陛下は目尻をやわらかく細めた。王の威厳を越えて、人の温かさが室内の温度を少し上げる。


「だからこそ、私はこの茶葉を選んだのかもしれない」


 遠い時間の埃をそっと払うような声だ。静かな視線の奥に、変わらぬ強さが潜んでいるのがわかる。


 私はカップを受け皿へ戻し、陛下を見上げた。胸の内で、まだ言葉にならないものが形を探す。


「陛下……」


 名を呼ぶと、視線が真っ直ぐに返ってくる。その眼差しは、未来を托す者の意思の色をしていた。


「君が持つべきものを、ようやく君の手に届けることができた。それだけでも、私は救われた気がする。しかし、話はこれで終わりではない」


 低く、深い声が胸板の裏へ静かに響く。その重みは、見守る決意の温度を帯びていた。


「これから君がどんな道を選び、どんな未来を描いていくのか――その全てを、私は見届けたいと思う。そのために必要なものは、出来うる限り手配しよう。私にできることはそれくらいだ」


 背筋が自然と伸びる。指の中の微かな震えが、前へ踏み出す合図のように思えた。


「陛下、身に余るお言葉です。母の想いに応えるためにも、私は自分の選んだ道を恐れず進みます」


 自分の声が、湯気の向こうで確かな輪郭を帯びた。頷くと、胸の中心に小さな芯が通る。


 立ちのぼる白が、過去と未来のあいだに細い橋を架けていく。いま踏み出す一歩を、見えない誰かが祝福してくれる気がした。


◇◇◇


 グレイハワード先王陛下――「グレイ」と呼ばれたひとは、磨かれた石を掌で温めるみたいに、静かな声で過去を差し出した。言葉は角をもたず、長い時間をくぐった記憶の粒が机上に並ぶ。


「私は若い頃から、魔術というものにすっかり魅了されていたのだよ」


 遠景を見る目だ。瞳の底に、夜更けの灯と開きっぱなしの書、乾いた羊皮紙の匂いが揺らぐ。


「残念ながら、魔術適性には恵まれなかった。それがどれほど悔しかったか、君には分かるだろうか? どうすれば人並みに近づけるのか、そればかりを考えていたよ。結局、術式や理論の研究に没頭することで、自分の居場所を見つけたようなものだがね」


 苦さを懐かしむ微笑がうっすらと浮かぶ。指先が、昔の羽根ペンの感触をいまも覚えているかのようだ。


「周囲からはずいぶん呆れられたものだ。『お前は皇太子だ、そんなことにかまけている場合ではない』とね。けれど、どうしても諦めることができなかった。まあ、そういう性分なんだろうな」


 自嘲の色に、少年めいた無邪気が混ざる。執着の火は、小さくても消えずに残るらしい。


「特に、後に宰相を務めてくれた親友には頭が上がらなかった」


 声に、温かい重みが差す。


「彼は冗談の通じない堅物でね。それがまた安心感を生むと言うべきか、本当に優秀な男だった。私が少しばかり羽目を外しても、彼が一歩もぶれることなく国を動かしてくれたお陰で、私は心置きなく魔術の研究を続けることができたんだ」


 語る表情に、いまも隣にいるかのような親愛がよぎる。机の端を軽く叩く仕草に、昔の呼吸が宿る。


「もっとも、彼一人ではないな。なぜだか分からないが、私の周りにはいつも才能ある者たちが集まってきたんだ」


 困ったように肩がすくむ。


「よく言われたものだ、『お前は危なっかしくて放っておけない』とね。恐らく、私のいたらなさを心配して、口も手も出さずにはいられなかったんだろう。

 ……まぁ、彼らがいなければ、今日のリーディスの繁栄はなかったに違いない」


 言葉尻に、謙虚さが静かに沈む。重ねた手と手が土へ根を張り、国という樹を支えたのだと、空気が伝える。


「平穏な時代の王というのは、どうやら少し鈍感なくらいの方が向いているのかもしれないな」


 小さな冗談が、室内の張りをほどく。


「いや、もちろん自分を褒めているつもりはないんだが」


 真面目な弁解に、笑いが喉の奥で弾む。飾らなさが、ひとの輪郭をやわらかくする。


「こうしてリーディスが繁栄を迎えられたのも、私一人の力ではなく、多くの者たちの支えがあったからこそだ」


 そこで声の底が少し深くなる。指先で記憶の水面をすくうような調子だ。


「……メイレアが誕生した時のことは、昨日のことのように覚えているよ」


 表情がほどけ、一瞬、春の陽だまりのような笑みがのぞく。


「あの子は――まるで春先に咲く、一輪の小さな花のようだった。触れることさえ躊躇われるほどか弱く、美しい子だった。だというのに……」


 そこで言葉が薄く途切れ、まぶたが影をつくる。目に見えないざわめきが、静かに部屋へ広がる。


「あの髪と瞳を見た時、部屋の空気が変わったのを感じたよ。祝いの場であるはずが、急に緊張が走り、誰もが顔を見合わせた。不吉だと――声には出さずとも、全員がそう思っていた」


 拳が机の上でわずかに動く。昔の空気の冷たさが、皮膚の内側に戻る。


「王家では、黒髪と緑の瞳を持つ姫は、精霊の巫女とされている。巫女の誕生は、必ず国を揺るがす災厄の訪れを告げる前兆――そう信じられてきた」


 苦い諦観が混じる。


「理性では分かっている。巫女の証がもたらす不吉など、ただの迷信に過ぎないと。それでも、理屈だけではどうにもならないのが人の心というものだ」


 視線は遠い。疫病、飢饉、天災――名を呼ぶだけで、冷えが皮膚へ浮かぶ。


「疫病や飢饉は、どれだけ克服しても、人々の記憶から消えることはない。そして――絶え間ない魔獣の襲来だ。あれは、恐怖そのものだ」


 石壁が、言葉の重みを静かに返す。私の胸のなかにも、低い震えが落ちる。


「だが、私は――どうしてもそんな伝承を認めたくなかった」


 音の域がひとつ上がる。父としての芯が、声音に現れる。


「メイレアは、他の誰とも違う、唯一無二の存在だ。あの子は、私の娘であり、かけがえのない家族だ。巫女だろうが、何だろうが関係ない。私が守らねばならない。それだけは、どんな状況でも変わらないと誓ったのだ」


 愛と責務の間に置かれた刃。握り直した指に、昔の痛みが淡く残る。


「だが――現実は、そう甘いものではなかった」


 伏せられた瞼の陰が深くなる。


「あの子が成長するにつれ、巫女としての兆候が次第に明確になっていった。幼いながらに精霊とそれるものの声を聞き、気配を感じ取る力を持っていた。それは――彼女自身にとっても受け入れ難い事実だったに違いない」


 声のひだに、幼い孤独の冷えが宿る。私は息を潜めて聴いた。


「どれほど精霊の囁きだと訴えても、周囲は耳を貸さなかった。それどころか、口にした途端、奇異の目を向けられた……。

 メイレアの面差しは、私にも妻オルフェリアにも似ず、血統を疑う声すら上がった。 その重圧に追い詰められた末、オルフェリアは心を病み――ついには自ら命を絶ってしまった……」


 静かな痛みが部屋の温度を下げる。胸骨の内側が、音もなく軋む。


「そして、あの子はこの離宮へと押し込められた。

 理由はただひとつ――黒髪の巫女が公に知られれば、無理解という刃が真っ先に彼女を貫くだろうと恐れられたからだ。鳥籠に囚われた雛のように、あの子は外の世界を奪われた――」


 遠い一点を見つめる目に、悔いの影が確かに揺れる。


「メイレアは、その状況を自分なりに受け入れようとしていたのだろう。外出を許されぬ日々のなかで、それでも明るく、元気であろうと努めていた……」


 ふっと口元がゆるむ。記憶が、今だけ明るい色を帯びる。


「生来の無邪気ゆえ、離宮の者たちを何度も困らせた。 ちょっとしたいたずらで皆をかき回してな。それでも誰ひとり本気で怒る者はいなかった。むしろ、その純粋さに――皆救われていたのかもしれない」


 その微笑に触れて、胸の奥が温かくなる。


「私は、研究や公務に追われ、なかなか離宮に足を運べなかった。それでも、週に一度はどうにか時間を作り、あの子の顔を見に来た。一番下の子だったからな……それはもう可愛くて仕方がなかったよ。『目に入れても痛くない』というのは、まさにあの子のことだ」


 言葉は波紋のように広がって、私の胸の水面にも触れる。そこが、たしかに温くなる。


「ある日のことだ……」


 声色が変わる。遠い窓辺の光が、室内へそっと差し込む。


「窓辺に、一人佇むメイレアを見かけた。その姿が、どうにも胸に引っかかったのだ。あの子の表情が――言葉にするのもためらわれるほど寂しげでな。まるで、世界中の誰にも心を開けない小鳥のようだった」


 広い廊の寒さ、閉ざされた窓の冷たい光。小さな背に映る世界の遠さ――音のない寂しさが、皮膚へ降る。


「当然だろう。同じ年頃の友人もおらず、外の世界など何も知らない。大人たちが示すのは常に無理解と遠巻きな視線ばかり。

 ……私はどうしてもあの子を笑顔にしてやりたかった」


 声がわずかに弾む。


「そして、一つの計画を思いついたのだよ。まあ、実に単純なものだったがね――あの黒髪を隠してしまえばいいと考えたのだ」


 胸の奥で驚きと可笑しみが同時に跳ねる。けれど、その先の言葉に、頬がほころぶ。


「王女である以上、髪を染めるなどという行為は到底許されるはずもない。だが、かつらを被せるのならどうだろう、とね。腕のいい職人に作らせれば、きっとメイレアにぴったりのものができるだろうと思った」


 父親の愛情は、ときに真剣すぎて愛おしい。


「そこで、腕のいい職人を探した。幸い、“クワルタの街”に評判の高い人形師がいることを知り、彼に依頼することにした。その職人は特に髪の毛の細工に定評があってな、私も安心して任せることができたよ」


 その地名に、胸のどこかが小さく反応する。指先が微かに冷える。


「クワルタの、人形職人……」


 自分の声が、記憶の引き出しをそっと開ける。ミース――彼女の父の手つきが、脳裏に浮かぶ。


「完成したかつらは、それは見事なものだった」


 陛下の微笑が温度を上げる。


「春の新緑を思わせるような瑞々しい色合いでね。その緑はまるで森の息吹を宿したかのように清らかで美しかった。それでいて、決して目立ちすぎることなく、控えめな中にも品のある輝きを放っていたんだ。まさに、メイレアのイメージに相応しいと思った」


 言葉の中に、娘を見る眼差しの優しさが満ちている。


「もちろん、あの子は大喜びだった。かつらを被ると、ぱっと顔を輝かせてね、『わたし、メービス姫に変身した!』と言って、くるくる踊ってみせたのだ」


 カーテンが揺れ、靴先が床を弾む気配。小さな歓声が耳の奥で弾ける。


「その色を選ばれた理由が、何かあるのですか?」


 自分でも自然に出た問いだった。


「もちろん、伝説のメービス王女にちなんで選んだものだ。彼女は緑色の髪のかつらを被り、身分を隠して外の世界を旅したといわれている。……メイレアにも、彼女のように自由に世界を見てほしい、そう願ってね」


「私はてっきり、黒髪が不都合だったから、黒髪である事実そのものが、改ざんされたのだと思っていました」


 驚きと納得が、胸のなかで静かに位置を入れ替える。知らなかった記録の温度が、指先に淡く伝わる。


「後にそういった話が広まったのは事実だが、実際の記録は異なる。……これを知るのは、王位継承権を持つ者だけだがね」


 声の重みが、歴史の核心に触れた気配を運ぶ。


「そして――その時から、メイレアの冒険の日々が始まったのだ」


 目元に灯がともる。あの子が初めて自分の足で扉を開けたときの空気の清新さが、こちらの頬にも触れるようだ。


「あの子にとっては何もかもが新鮮で輝いていたのだろうな。長い間、離宮という籠の中で過ごしてきた日々を思えば、それはまさに自由と解放の象徴だったに違いない」


 声の明るさに、私の胸にも風が通る。


「問題はだ、メイレアがいつも単独で行動したがったことだ。親としては心配だったが、あの子の好奇心と行動力は、桁外れだったと言えるだろう。仕方なく、護衛たちは遠巻きに見守ることにした」


 やっぱり、母さまはどこかネジが飛んでいる。苦笑いの気配が、自分の頬にも同じ角度で落ちる。


「報告によれば、気になるものを見つければ迷いなく首を突っ込み――困っている人を見かければ即座に手を差し伸べていたそうだ。時には食べ過ぎて動けなくなり、親切な町人に介抱されたことも少なくなかったとか。護衛たちは常に胃薬を欠かせなかったという話も、……冗談には聞こえなかったよ」


 王都の路地の匂い、焼き菓子の甘さ、屋台の油の跳ねる音――幼い彼女がくるくると世界を撫で回す光景が、目にやさしく浮かぶ。


「私も、仕事の合間を縫って『グレイ』として、彼女に付き添ったことが何度かあった。……だが、振り回されることの方が多かったよ。

 親としては、あの無鉄砲さには何度も肝を冷やされた。……それでも、彼女と過ごした時間は、何にも代え難いものだった」


 思わず、喉の奥で小さな笑いが転がる。陛下も釣られて、目元に穏やかな皺を刻む。


「君を街で見かけた時、“あの子が帰ってきたように錯覚した”と言っただろう?

それはまさにこういうことなんだ。君の姿が、まるで時を遡ったかのように、私には感じられた。

 そして、緑色の髪の人物を探せと命じたのは――メイレアが、メービス王女と同じように、その髪で外の世界を自由に旅しているのではないか、そう考えたからだ。……これは願望と言ってもいい。そして、あの子の娘である君が現れたこと――これは、僥倖といえよう」


 静かな言葉が、胸の底へ澄んだ水のように沁みていく。喪失のあとにも、こんなふうに光は残るのだと知る。


「そうでしたか……なんだか、とっても嬉しいです」


 言葉が口を離れた瞬間、室内の空気がひと呼吸やわらいだ。


 縁は不思議だ。ミースが選んだ色も、彼女の父の手も、いつかの願いと今を細く繋いでいたのかもしれない――そんな予感が、胸のあたりに静かに灯り続けていた。


 今回は、記憶、縁、そして時を越えた絆が重層的に描かれています。


香りと記憶のリンク

 冒頭において、茶葉の香りが過去の記憶を呼び覚ます描写があります。ここでは、嗅覚が記憶を刺激するという心理学的な現象が活用され、主人公が母との時間に触れる瞬間が描かれています。この香りは、ただの懐かしさを超え、主人公と母、さらに母を知る陛下との間に共有された「時間の痕跡」として機能しています。茶葉が象徴するのは、失われた時間が今なお繋がっているという感覚であり、この小道具は過去と現在を橋渡しする重要な媒介となっています。


陛下の愛情と葛藤

 陛下は、王としての重責を背負いながらも、一人の父親として娘であるメイレアを深く愛しています。この二重の役割が、彼の語り口に現れる懐かしさと後悔の交錯に反映されています。特に、彼がメイレアのためにウィッグを用意するエピソードは、父親としての愛情が端的に示された部分です。この行動は単に外見を変えるためのものではなく、「自由」を与える象徴的な贈り物であり、陛下が娘の心を解放しようとした努力が伺えます。


 さらに、彼が過去を語る際に見せる微笑みと、時折言葉を詰まらせる瞬間は、彼の中でなお解消されない後悔や愛情の深さを物語っています。


縁の不思議と時の重なり

 陛下が語るメイレアの冒険譚は、彼女の個性と行動力を印象付けると同時に、現代の主人公に重なる要素を暗示しています。メイレアの冒険は無邪気でありながらも、彼女の内に秘めた強さや自由への憧れを映し出しています。そして、主人公が陛下と話す中で、かつてのメイレアの姿が投影されるという描写は、「過去と現在が繋がっている」というテーマを強く印象付けています。


 さらに、ウィッグの製作者である人形師が、主人公の記憶と繋がる可能性を示唆する描写により、縁というものの不可解さ、そしてそれが物語全体をどのように形作っているかが浮き彫りになります。この「縁」という概念は、主人公自身が物語の核心に迫る際の鍵としても作用していると考えられます。


茶葉が象徴するもの

 茶葉は物語の中で幾重にも象徴的な意味を持っています。


記憶の媒介 香りを通じて過去を呼び覚ます手段。

母親との繋がり: 主人公が母の記憶を辿るきっかけ。

癒しと再生: 陛下との穏やかな交流の中で、主人公が新たな決意を得る触媒。 このように、茶葉という何気ない存在が、物語全体の感情的な繋がりを強めています。


陛下の語りの意義

 陛下の語りは、主人公にとって失われた母親像を補完するだけでなく、主人公自身のこれからの行動を後押しする役割を果たしています。彼が語るメイレアの冒険やその人柄は、主人公がその母親像を通じて自らのアイデンティティを再確認し、未来への一歩を踏み出すきっかけとなるものです。


未来への伏線

 陛下が主人公に未来を託すという描写には、物語の今後を暗示する役割があります。主人公がこれから母親の足跡を辿る旅に出るのか、それとも彼女自身の新たな物語を紡いでいくのか――この段階では明確にされていませんが、いずれにせよ「過去を踏まえて未来を描く」というテーマが中心に据えられているのは明らかです。

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