自己紹介①
入学式を終えて、帰りのホームルーム。クラスの半分消えているのは、先ほどの校長先生が言ってた郷土資料室に連行されてるからだ。
「さてと、クラスの顔を早く覚えてもらいたいため自己紹介の時間を取るぞ。出席番号順で……そうだな……女子から始める。ふざけたやついたらどうなるかわかるな?」と先生は男子を睨む。
「ぶざける?馬鹿かよ先生、俺達はマジで生きてきた人間だぜ」
「お前らに馬鹿と言われるのは侵害だな。まあいい始める。女子一番!」
メガネをかけた女子はガタリとあわてて席を立つ。
同時に図体のでかい女子も席を立つ
「え……」メガネ女子はキョトンとする。
「ちょっと~私が一番!はぁーマジ萎えポヨ!」と怒る図体のでかい女子。
「あ……すすすすすみません!私の勘違いで!」
「はぁードジっ子アピールやめてくんないマジで!まぁいいか心優しいこの私が許してあげる!そしてこの心優しい私の名前が相沢沙也加。好きなものはイケメン!よろぴく~」
「氏ねブスごときが」
「メガネちゃん可愛いから嫉妬してんだろ」
「あいつ今度からあだ名ゴンザレス」
ゴンザレスに対する男子の罵倒が絶えない中、さっきのメガネ女子の自己紹介。
「あ、あのさっきはすみませんでした。わ私は宇治川加奈と申します。よろしくお願いいたします」
「可愛い」
「けっこうムッチリ」
「キャワタン」
先ほどとは真逆の反応。
そして、何人か終わった後……
「私の番か……」
「ちえみ頑張れ」と小さい声でエールを送る。
「え~と、鎌田ちえみです。中学生の時にはバレーボール部に所属してました。現在、北高校ではバレーボール部がありませんが人数集めて部にしようと思います。よろしくお願いします!」
まともな発表に皆が拍手をしてる。
しかし一部の男子は……
「顔面は良いけど……」
「胸小さすぎね?」
それを聞いたちえみは殺気を身に纏ってる。
「きき気にしちゃ駄目だよ」とフォローする。
「フフフフ……別に気にしてないわ。それより次は葉月の番よね」
「そうだった」
怒りに震えるちえみには悪いけど、自己紹介済ませるか。
友達はいなかったけど、正直自分はコミュ障だとはあまり思わない、。
「武内葉月です。家の事情で東京から来ました。え~以上終わります」
「可愛い」
「今度告白しよう」
「俺、この子で童貞捨てよ」
てめえ等の意見なんていらない!
それより釣りの彼は自分のこと見てるかな?……見てなかった。
「ドンマイ葉月」
「うん……」
そしてクラス全女子13人の自己紹介が終わり……
男子のが始まる。