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釣りロマン求めました!  作者: うにまぐろ
春のトラウト編
2/10

入学式①

 4月1日今日は入学式。

 玄関先のクラス表、自分の名前を探す。


「……あれ?無い……」

「……あれ?無い……」


 自分と同じ境遇の人とセリフがハモったようだ。勇気を出して声をかけてみよう。


「……ははは……えーーーと、お名前は?」

「あっ……鎌田ちえみ。君は?」

「武内葉月です」


 鎌田さんか……スレンダーで綺麗な髪……

 ここはもうひと踏ん張り!


「探すの、きょ……協力しませんか?」

「いいねそれ」


 二人でお互いの名前を探り合う。

 1年2組……

 ……4伊藤美紀 5枝野雪 6鎌田ちえみ 7武内葉月


「あった!」

「あった!」

「……ははははは……」

「同じクラスなんだし、そんな畏まらないで私のことはちえみでいいから」

「じゃあ!自分のことも葉月で!」

「うん、葉月」


 やった!初めての友達だ!

 胸を躍らせながら校内に足を入れたその時!


「なにしてるの?足止めてないで教室行くわよ」

「……えっああ、待って、ちえみ!」


 間違いない。先日釣りをしていた彼だ。ブレザーを纏い、靴箱を探しながら新しい上履きを手に取っている。こここ、これは、もしかして!


「おおーい葉月!……もしかして!」

「えっなに!?」

「そこにいる彼に一目惚れしたでしょ!」


 ちえみが指差す先は……釣りをしてた彼だった。


「ちちちt違うから!」

「顔真っ赤、分かりやすすぎ。ここは葉月の学校生活をバラ色にするために一肌脱ぎますか!」

「もう!」


 でもいいな、こういう会話。

 教室へ歩を進める。

 この時自分たちは、この先に地獄が存在すると予期してなかった。

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