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怪我した君が全部悪いよ!

ーーー


「これは近い内にやばいことになるな。

明日の決勝戦どころではないけど、絶対開くんですよね?学園長」



「ええ。

私の意向はいつも変わりませんよ。


分かっているでしょう?

シルバー、貴方が教え子たちに名前を隠す理由を私が言わない理由と同じです。


私はこの義務を元老院様から託されました。

この義務の一つに、魔闘演戯の絶対開催というものがありましょう。


私は譲れないのです。

都市民が何を言おうと、この意向を変えることは出来ません。


シルバー、グレース。

頼みましたよ……!!」


会場の修復が終わった頃、学園長に呼び出しを食らった二人は彼女の部屋に入るなり、話を交えて、また部屋の外へと出て行った。



「まあ、簡単にいうと丸投げだな。

俺らにこの収拾をつけさせて、成功すれば武功を捧げられるんだろうよ。」



「そういう言い方は良くねえさ。

丸投げってのは、俺らを頼りにしてくれてる証拠さ。


昔からバカやってた俺らがここまで信頼されるなんてな。

それだけで笑っちまう話だぜ」


彼らは事態の収拾に向かう。

学園長の名により、彼らに任された任務はより重大なもの。



「あ、新しい情報が入ってきました!

魔闘演戯の準々決勝は今日、今から、全ての準備が整い次第、行われるそうです!!」


カルラも驚きだった。

あれだけの惨劇が一時間前にあったというのに、学園側の意向はそれを無視しての続けるということ。


それは都市民が黙っている案件ではないだろう。

だが、こうして公の場で簡単に宣言させるということはそれだけの覚悟なのだろう。



「はあ!?!?

これで次の試合もまた黒闇の襲撃が来たらどうすんだよ!!!」


「今回だって、ルナールが闇落ちしてたんだろ!?

なら、次の試合のエト・アルカディナも闇落ちしてる可能性もなくはないだろうが!!」


「こっちまで被害被ってんのよ!?

さっきの司令官とやらのパンチのせいで吹っ飛ばされたルナールの下敷きになった人だって居るんだから!」


「ふざけないでよ!!

私は帰るわよ!!」


「安全じゃない試合なんて見るに値しないわ!!

私は兵士じゃないもの!」


などなど。

観客席からの批判は酷いモノだ。


それを沈めさせる方法を、彼は知らない。

からこそ、彼なりの方法で沈めることしか出来ないわけである。


グレースは次の描写を予測して、頭を抱えた。

滅茶苦茶だと。




「グレース、やれ」


はあ、分かったよ。

と、やりたくなさそうな表情で彼は力を集中させて、空間を捻じ曲げた。



「こんくらいの石で充分だな。

てめぇらぁぁぁ!!!うるせえええ!!」



観客席の南側に放たれた石ころは凄まじい速度で加速し、観客席に当たった瞬間。

半端では済まされない爆発音と威力で南側の席を完全に消滅させた。



「……よいしょっと…!」


南側で野次を飛ばしていた観客は全員、会場内に当たる寸前、空間ごと避難させていた。



「ちょっと、危ないじゃないのよ!!」


「何をするんだ!!

この行為は最低だぞ!」


「学園長に訴えてやる!!」



「私らをなんだと思ってやがる!」


それでも野次は止まらない。

ので、彼は止めの一撃を口から放った。



「そういう時のために、俺らがお前らを守ってやるんだろうが!!

今だって、グレースの魔法が無けりゃ、お前らの命は無えも同じなんだよ。


分かったら、さっさと野次を飛ばすのやめて、試合の応援をしやがれ!!」



観客達は護られている。という安心感を自分自身で体験したことによって、納得したようだ。

彼らは黙って、消滅してない方の観客席へと戻って行った。



強引過ぎるだろ!と、普通であれば味方の方も思うのだろうが、グレースは諦め、それを水晶で見ていた学園長はクスリと笑いを零しただけであった。



気を取り直して、準々決勝二回戦。

エト・アルカディナVS α(アルファ)


この二人の勝負は如何になるのか。


予測は誰にも許されない。



ーーー

「ティア、お前、何でルナールを助けなかったんだよ。

確かに逝かれてたし頭のおかしい奴ではあるけど、洗濯されたら厄介になるんだぞ!?」


黒き闇の奥地で、涅槃の黒闇は憤怒していた。



「はあ?

なら、お前が居たら助けられたの?


少なくとも俺的には涅槃最強のタッグを潜り抜けてまでルナールを助けるなんてそんなん命を捨てるに値しないレベルなんだが?」



「て、テメェ!!

さっきから聞いてりゃ、言いたい放題言いやがってよ!!」


彼は思い切り、ティアへ殴りかかる。

が、彼はそれをするりとすり抜けるように避けきると、少しだけ力を込めて蹴りをお見舞いしよう。


ドーンッ。

吹っ飛ぶ兵士は壁に頭を突っ込んだまま、沈黙した。



「高々、黒闇に入って間もないような兵士が俺に楯突いてどうなるかわからないのかな?」



ティアは歩みを進める。

勿論、壁に頭を突き刺している彼にトドメをさすためだ。



「お、お辞めください!!

この者には後からきつくお仕置きをご用意させていただきますので命だけは取らないであげ………えっ?」


彼を庇った兵士がまた一人犠牲になったようだ。

地面に頭をつけて土下座をするなり、

ティアの様子を見るために頭を上げた瞬間。


彼の蹴りが兵士に痛みを与えずに、彼の頭を体から突き放してしまった。

コロコロと転がる頭をサッカーボールのように蹴り、壁にぶつけては帰ってきた頭を蹴り〜を連続して繰り返してーー



「はあ……俺様が気分を害しちゃったんだよ?

こいつ兵士長だろ。


こいつの隊に所属してる奴ら全員殺さないと気が済まないや。

まあ、どっちみち殺す予定だったけどさ。


お前ら全員死ね!!」



ティアは彼の周りに居た兵士全てを殺しにかかった。

勿論全員、抵抗するが、抵抗は抵抗にはなり得ず、当たり前のように首を削ぎ落とされて絶死した。



大方終わった後、血濡れの黒き場所から出てきた返り血塗れの青年は電話をかけて、不敵な笑みをこぼしながらこう言った。



「ルナール隊処分完了〜 ♪」




ーーーー

ディズィの療護部屋にて。


彼は激痛に耐え凌ぎながら、彼女の医療に身を任せている。



「ディズィさ……後どれくら…」


「後?十時間くらいかなー。

先に言っとくけど、私の治療魔法術の中で一番効き目が早くて凄い魔法ってのは、私自身が手術することよ。」


医療母(メディカル・マリア)

治せない病気なんてない!がキャッチコピーの涅槃随一の医療バカである。



「久々の生オペだから楽しくて楽しくて!!

麻酔使ってもいいんだけど、この手の手術は麻酔使っても五分って持たないからあんまり意味ねえんだよ。


ほら、今骨と骨を組み合わせて修復してるんだから動かない!!

こんなに怪我したお前さんが悪いんだからさっさと動くな!」


医療に集中していると知能レベルが数十値下がるのが悲しきポイント。

後、彼女は人の苦しむ顔や声が大好きなので普通ではあり得ないような座り方でオペをしているよ。


「ちょ、この体勢どうにかならないですかね!?」


「ならないねえ、無理だねえ。

君が辛い態勢をわざと選んでるからだね〜。


まあ、怪我したお前さんが悪いよ。全部ね」



「ちょっとおおおお!!!

それしか言ってないじゃぁぁぁん!!」


彼の激痛の心からの叫びも意味無く終わり、療護部屋には十時間中、彼の呻き声と断末魔に近い声が響いたそうな。

明日になってしまいました。

したいことしてたらダメですね〜。


毎日投稿頑張っていきましょう!

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