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心も身体も

「……ニア〜〜、ちょっとこっちおいで?」



「い、いや……!!悪かったから!!謝るから!!お願いだからその厚底のスニーカーのかかとで飛び蹴りだけは勘弁して!カルラ!!頼むから!!」


エト隊の担当しているエリアは、涅槃の寮がある近くの山。

割と広い面積を持つ山の名前は、ディア山。

鉱山などの高い資源が得られる素晴らしい山なのだが・・・



「エト君も……おいで?


……今すぐ、歩けないようにしてあげるから!」



エト隊の副隊長、カルラ・イングラディッチは隊長のエトと隊員のニアに、仕事サボりのお仕置きを行なっていた。


そんな最中に、吸血鬼の青年は地面を強く蹴ってカルラの靴の下に居る青年の名前を必死に叫びながらーー



「ニアァァァァ!!!」



ーー彼もまたうっかりでカルラの真隣に着地してしまった。



「ぐふっ…!?!?」



「アレ……?


君はエゼル隊のリグルス・ブラッド君…だよね?


どうしたの?」



「それが……」


彼の上で平然と会話を続けようとする二人に下敷きになっている青年は激怒し、憤怒の声を上げた。



「と、取り敢えず!!俺から降りろおおお!」



ーーー仕切り直し。


エト隊の拠点になっているキャンプ場にて。

卓上テーブルでリグルスを取り囲むようにしてエト隊全員が椅子に腰を下ろしている。



「……あからさまに俺に用があるような感じだったけど、どうした?」


ニアがリグルスへ疑問げに口を開いた。



「……ニアさんって魔人の医者みたいなものですよね?!


助けて欲しい人が居るんです…!」



「……エゼルになんかあったのか?」


エトが冷たい表情で声を上げた。

今、彼に見えるのは怒り。憤怒。怒。

恐らく、ルナールに何かをされたのではないかと疑っているのだろう。


まさにその通りな訳だが。。。



リグルスは、ルナールとの合宿での話を細かく、鮮明に、全て話した。

話を聞いている時のエト隊全員の顔持ちは重く、目に分かる怒りさえ感じることが出来た。



「ニア、エゼルを治してこい。


アルクに限界があったとしても、お前の魔王武器であれば助けることに支障は無いはず」



「分かってるよ。


エト、呉々も動かないように。

カルラ、エトを頼んだよ」



「うん、分かったよ。

エト君は私が止めておくから安心して、エゼル君を治してきて」



ニアとリグルスはその場を後にした。


ーー彼らが去った後。


怒りに奮闘したエトは、身体能力強化魔法(ストレング・スニングス)で速度を強化し、今か今かと飛び立とうしていた。



「エト君、駄目だよ…。

今ココでエト君が行っても……二の舞になっちゃう!


ここでニアを待とうよ…!お願い!」



「俺はルナールを許せない。


例え、この身が朽ち果てようと全力を振り絞って、彼奴を殺さないとならない!!」



エトの目からは一粒の涙がこぼれ落ちていた。その涙は怒りと悔しさの入り混じった辛い心情の成れの果て。

この時、カルラは心の中でエトの身体の心配を考えていた。


彼の秘密を知っているからこそである。




「確かに。

カルラが言った通り、このままでは二の舞。


だから、ニアは私に最後、言ったの。

貴方が行こうとすれば、止めるなって」


ここまで黙っていた白髪の長髪美女、エト隊の隊員の一人。シャス・ティアーナは、目に涙を溜めながら彼へ願い混じりの言葉を託した。



「二の舞になるのは、まえまでの話。


俺はエト・アルカディナ!

心も、身体も全て鋼鉄の鋼で出来ている!

この鋼、簡単に朽ち果てることは無かろう。


カルラ、シャス、任せたよ。

俺はルナールに会いに行ってくる!」



彼女達は彼の行く手を阻むこともせずに、神妙な面持ちで彼を送り出した。

光速で飛んで行った彼はもう見えない。


が、カルラには見えた。


全てを受け入れ、背負い続けてきた男の真の決意というものが。



ルナールとエト。

一年ぶりの再会が波乱を呼ぼうか。



更新速度遅すぎてすいません


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