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ゴミの分別はしっかりしないとね!

「はぁ………………………………」


ミルニアの件から一転して、三日が経ったある日。エゼルは自分の部屋で三日間グータラしているバカ二人組+セルシアに嫌気がさしていた。

朝昼晩の食事は全てエゼルが作り、その材料負担も何もしてくれない。

所持金も底をつき始めようとしていた。


「エゼルー!いつもの!三人分なー!」


リグルスはソファに腰を下ろして足を組みながら偉そうに注文した。

最初からイラッとは来ていたものの、次第に慣れつつあるこの光景に耐えきれなくなったエゼルは。。。


「いつもの?あー・・・了解」


何気ない返答をしてリグルスの方へそのままゆっくり歩み寄り、グッと拳を握り締めると、小声で呟いた。


腕力強化(アーマー)・・・」


ゴツンッと痛々しく良い音が部屋に鳴り響いた頃には、頭を両手で押さえてソファから転げ落ちるリグルスの姿が見えた。

エゼルは拳に息を吹きかけ、怯えた様子のセルシアとキルスの方を向いてニッコリと笑顔を振る舞う。


ゴツン×2。

また痛々しく良い音が部屋に2回程。


拳を撫でながら腕を下に降ろして端末に触れた直後、電話がかかってきた。

司令官からの着信だ。エゼルは、端末の画面をスライドして電話に出た。


「はい、司令官。どうかされました?」


「休暇中に悪いが、急ぎでお前に会わせたい人というか、隊長として貰ってもらわないといけないものがあってなー。

これから、王宮へ来れないか?」


「良いですよ〜。

丁度、部屋の片付けも終わったんで今からゴミ捨てだけして行きますね!」


「おう!ありがとな!」


"失礼します"と律儀な態度で電話を切ると、床に転がっている泣き崩れた大の大人三人をそれぞれの部屋の前に送り届け、速度を強化して王宮へ向かった。

(セルシアはリグルスと同室扱い)



「会わせたい人ってどんな人だろう」


僅かな期待と疑問を胸に秘め、彼は王宮入り口に着いた。

速度を強化していたために着地の瞬間、爆風が辺りを多少荒らしてしまった。

影響的には周囲のカップルの服を脱がせたりと、リア充爆発して欲しい人にはもってこいの光景を作り出したわけだが、本人はそんなことに微塵の興味もないため、視線も向けずに王宮の中へと入って行った。


「やあ。君がエゼル・シスタ君かな?」


王宮の中に入った直後、すぐさま声をかけられた。声をかけられたというだけで、もう歓喜のエゼルは声のする方へと視線を向けてすぐさまこう言った。


「僕の存在に気づいてくれてありがとう!!」


「ああ、噂通りの影の薄さみたいだね。話しかけた時に、空気に挨拶をした痛い人みたいな扱いを周囲の人らに目線で受けたよ。

ところで、君は魔闘演戯で優勝するのが夢なんだって?」


青年は、自分の左目に差し掛かった銀色の前髪を撫でて、エゼルに質問した。


「うん。

僕が叶えなければならないコトはそれを達成しないとできないから。君も出場するの?」


「勿論。

人に名前を聞いたのに、自分の名前は言わないなんて僕としたことが・・・僕の名前は、エト・アルカディナ。君の一個か二個上くらいだよ。

今日は挨拶だけ、また会ったらよろしくね。エゼル君。」


「あっ、歳上・・・よろしくお願いします!!」


畏まった様子にクスッと苦笑を見せると、片手を上げて"またね"と言いながら彼は去って行った。

短い時間だけしか話していないつもりではいたが、王宮についてから十分は経っていたようだ。

彼は、急いで司令官の元へ向かった。


「エゼル、少し遅かったな。ゴミ捨ては済んだのか?」


「はい、大丈夫です!ちゃんと、分別してきましたから!」


「そうか。んじゃ、行くぞ!」


司令官はエゼルを引き連れて、エレベータ式の転送魔法陣に乗り込んだ。

魔法陣の書かれた床が、練りこまれた魔法によって地下へ下がっていく。

落下しないように、物理的な結界が張られているようだ。

安全を喫した状態で、二人は地下に入った。


「よし、もう少し先だ。」


病院の廊下のようなイメージを感じさせる廊下の奥に両開き式の赤い扉が見える。

どうやら、そこへ行くらしい。


如何にも気味が悪い感じの扉に司令官は手をかけて、引くと中から流れ込んできた焦げ臭い匂い。

それに気にせず、中へ入るとーー瞬間。

ドォンッと巨大な爆発音と共に二人は一気にアフロヘアに成り代わった。

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