ミルニアの戦略
投稿遅くてすみません()
「私が"黒闇"に所属していること知らなかったのかしら。
此処は私の場所。
誰も此処で私を倒すことなんて出来ないわ。うふふふふふ!ぐへへへへへへへへ!!」
地下にある隔離病棟は窓が無く、辺り一面混凝土で囲まれている。
そのため、灯りの少ない地下では半ば真っ暗だ。
地下に入ったら自分が持つ懐中電灯だけを頼りにして、突き進むしかない。
「あら〜?さっきの私を倒した恨み深い男の子が来たじゃない。ぐへへへへへへへへ、闇に潜むが勝ちね。」
ミルニアは、ほふく前進の格好になると闇の中で彼らを待ち続けた。
何故この格好になったかというと、先程の戦闘でエゼルが自分の身体能力の向上を可能とする能力を使えることを理解しているため、視力を上げて、闇の中でも通常通り動き回られたら流石に勝てる気がしない。ので、先に足を折ってやろうと考えたということだ。
「・・・この辺りがヤツを閉じ込めた辺りだが見当たらないな。エゼル、どうだ?視力を上げてもヤツは見つからないか?」
「・・・え。いや、そうですね。全然見当たらないっすね。」
司令官の問いに応えようとした最中、エゼルは自分の真下にミルニアの姿を捉えた。
彼女は、指と腕の筋肉を軋ませながら掴もうと凄い形相をしている。
「・・・ミルニアさんはドMなんですか?」
エゼルは掴まれる瞬間に飛び上がり、そのまま彼女の背中に飛び乗って言った。
ミルニアは驚愕の表情でこちらに首を傾け、横目で見てきている。
「・・・筋力強化」
彼の言葉と共に、肉体は強靭なまでに進化していく。筋肉が増えるということはつまり、重みが増えるということ。
彼女は情けない嗚咽を吐きながら、背中に与えられる重さに耐えきれなくなったのか、目に涙を溜めながら冷たい床をバンバンと叩いた。
「・・・なんでこんな戦法を?」
病院の外にある大きな木に、司令官特製の能力封じの縄で括り付けられたミルニアはエゼルの尋問を受けていた。
「あんたが闇の中でも自由に動き回れるから、先に足でも折って致命傷を与えてやろうかなと思ったのよ・・・」
「成る程。でも、司令官も気付いてましたよ?」
「え?!」
彼女は驚いた様子で司令官の方へ顔を傾け、視線を向けた。
「あ?俺は闇の中で目なんか見えなくても気配でわかるんだよ。エゼルが気づいてくれて良かった。まさか、足を狙うために"踏んでください領域"に居るとは驚きだったぜ。ドSキャラとか言ってたが、Mだったんだな。
笑える話だ。」
と、司令官は嘲笑しながら馬鹿にした目で彼女を見つめ、煽った。
「これから私はどうなるのよ」
「テメェはこの後、王宮の中にある改心洗濯機で心と身体から闇魔法の適応能力と悪い心をオサラバさせんだよ。もう二度と黒闇に戻ろうなんて思えなくなるぜ」
打って変わって、ニッコリとグッとマークを彼女に向ける司令官。
感情の入れ替えの激しさとソレを周りに適応させている司令官の力に、エゼルはまた一つ感心したのだった。




