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【百合小説】OL×高身長中学生 文章書けた範囲

「茉莉ちゃんくるって」


茉莉ちゃん、最後あったのが私が大学生位だったと思う。まだ小さくて走り回ってはよく転んでいたあの頃の幼い姿を想像する。10年近くも前の話でお盆の集まりはいつしか無くなっていたけれど、叔父の他界により、今年は集まることになっていた。


「あんたよりも大きいわよ」


「嘘マジで?」



引戸の引き摺る音と共に、そのすり硝子越しに見えた影が姿を現した。


「あら茉莉ちゃん!?ずいぶん大きくなったわねぇ今何歳」


「今年で15になります」


靴箱の段差の上にいる私よりも大きかったその子は、面影を残して私を見下していた。金髪を軸とした黒と赤のアクセントカラー。ひし形のピアス、黒のモックネックタンクトップに白のカーゴパンツを履いている。現代の子供はこうも大人びてるのだろうか、15と言われなければ大人と判別ができない容姿だった。お盆って制服で来るものだと思っていたのだけれど、これも現代のあり方なのだろうか。


「最近の子供は成長が早いねぇ」


母がそういうまもなくこちらに近づいて舐め回すように私を凝視してくる。


「あれぇ?○○?!久しぶりじゃん今何してェ」


「年上だっての、どうも茉莉ちゃん元気なお子さんですなぁ※1お茶いります※2」


昔のままに相手をしてしまったが、父親に対しては正直まずかったかもしれない。

※1元気なお子さんですなぁ・・・黙れ

※2お茶いります・・・帰れ


「いやぁ本当にすみません!うちの子思春期でして(父身長189cmイケおじ)」


「うっせ産業廃棄物」


父親本人に向けて廃棄物呼ばわりとは…あ、私よりはマシかもしれないと比較した対象は中学生だった。全然マシじゃない。玄関前で討論になるかと思いきや、その隣にいた父親か髪をかき分け首を掴み次第に彼女が落ち着き始める。


「首掴むと落ち着くんですよ」


大型犬?いやぁ猫かなぁ…彼女の首を掴むと次第に頬が赤く目の焦点がズレて遠い先を見ているようだ。落ち着くとかの話では無いとこの違和感に気がつけた。


仕切られてた和室の仕切りを取りお昼の支度をするや否や、彼女の姿は見当たらない。2階の部屋に行くと、彼女が私のベットの下にあるダンボールを広げ、何かを物色ている。気がついていないのかは分からないが、右肩を手で叩いてこちらを振り向いた。

(しゃがんでいる際に肩を叩く)


「何してるのかなぁ?」


ダンボールから大量にあるそれらの1つを取りだし嘲笑うように見せびらかしてきた。


「お姉さんこんなきっしょい漫画あったんだけどこんなにあって布教すんの?口止め料で1冊貰おうかなぁ」


「きっしょい言うならかあげへんぞ」


「頂きい〜ねぇねぇこれみて」


取り返そうと手を引っ込められ立ち上がる弾みで廊下に出る。皆に響くようにわざと広いスペースで下に向かい周知に それの事実 を伝えようとするが既に遅い。

「それ○○が描いたやつだよ(親戚母)」

両親は既に知っている。と言うのも、月刊連載を持った際に既に伝えてあるし、コロナに感染してしまった際は売り子として代わりに同人誌即売会で売ってもらっていた。階段を駆け上がり私の部屋に戻ってきて自分の筆箱を片手に奪われた同人誌を渡してきた。


「え、サイン貰ってもいい?」


「いいよ」


当然書く訳もなく、面白半分に顔に落書きする。抵抗するもその労力は無駄に終わり太眉、口を囲う髭とまるでカー○のおじさんのような顔になった。


「」


「…」


我ながらよくここまで汚くできたと感心した。


「おもろいなぁ」


「てめ、とるなやめろふざけんな」


心做しか部屋が綺麗になっている。机の上に置いてあった栄養ドリンクの数々と、散乱していた服、本、タオルが綺麗に無くなっていた。


「そういやお部屋…片付けた?」


「汚ぇのは全部片付けたで」


フローリングから毛1つ消えて、床に放置していた服や下着も畳まれて縦に積まれている。短時間でここまでできる人と血縁関係だとはとうてい考えにくい。


「ありがとうダ○ソン」


「(スリスリスリ)金よこしなうわ冷た」


「これで我慢しな」


部屋の冷凍庫からアイスを取り出した。私の好物ブ○ガリアアイス。この部屋ではお金や金よりも何よりも高価で最高位に値する価値を持つ。値段は172円と程々の値段がする。


「ふざけん…え、うま、ブ○ガリアってアイス出してんだ」


血は争えない。極上の食べ物に出会ったモモンガようなだらしない顔をしてアイスに頬張り着いている。この笑う仕草や性格は昔と変わらなくて、変わったのは私を優に超える図体と饒舌になったその舌だと思う。


「美味いやろ〜あ〜昔は可愛かったのになぁ…」


「今も可愛いんですけど??ガッツリモテてるんですけど?」


「女子校だよね女子にモテるの?」


「女子にも男子にもモテますぅ」


「自分で言ってくる所が可愛くない」


「黙れ未婚者婚期逃すぞ?」


「あぁ??あんた言っていいことと悪いことあんじゃないの?」


「どうせ実家暮らしってことは彼氏いないんだぁへぇ〜ひょっとして処女なわけウケる」


「あんたこそどうなんだよ」


「は?あるし?彼氏の1人2人できたことザラだし今もいるし!4つ上の彼氏いるし!」


「ませてるねぇ」


「キスのひとつくらいだれとだってできますぅ」


「ご飯できたわ…あらあら」

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