二十三話 テンプルナイツ
アイトさんを追いかけてみれば、上から下まで白銀のボディアーマーを着込んだプロレスラーみたいな奴ら……多分テンプルナイツだろう……が20人ほど、フロア出口あたりに殺到していた。テンプルナイツは整った陣形で探索者の先輩方に攻撃を仕掛けており、パッと見、かなり攻め込まれていた。
僕より先に到着していたアイトさんも、短弓を使って援護していたようだけど、防御ガチガチのテンプルナイツと相性が悪そうだった。ただ奴らは完全に僕に対して背中を向けており、不意打ちする絶好の機会だった。
アイトさんが助けようとしていた探索者に2人掛かりで攻めていた卑怯なヤツを、更に卑怯な不意打ち攻撃で無力化してやった。卑怯な不意打ちは気持ちいい。
ただ不意打ちする際、僕も敵だと勘違いされると困るので、技の名前を大声で叫びながら攻撃した。これはすっごく恥ずかしかった。技名を叫ぶのは映像の中だけの話で、実際にやるもんじゃないな。アイトさんに聞かれてなければいいけど。
あと窮地を脱したクマみたいな体つきの先輩探索者は、むちゃくちゃな威力のストレートでテンプルナイツを2匹同時に吹き飛ばしていた。あれならもう大丈夫だろう。クマみたいな先輩探索者……略してクマ先輩が右に向かうようなので、僕は左側の敵を倒すとしますか。
◇
タックルと渾身のストレートで倒したのがこれで5体目、とりあえずマゼランポイントに近づいていた鎧野郎は全員破壊した。こっちの守備隊は2人がポータル送りになっちまったが、何とか終わったな。
さてあっちの方は…… おう、あのオーガみたいなヤツが俺を助けてくれたヤツか……向こうも残り1体か。じゃあ助けに行かなくても大丈夫だろう。ちと見学するか……あの全身鎧や盾持ちを相手に、よく刃物を通すよなアイツ、どうやってるんだ?
お!体を地面スレスレに低くして足首を刈り取りやがった。あれじゃあもう鎧野郎は動けねぇ。その前に顔面にフェイント入れてガードを上げさせてたなアイツ、大したもんだ。お、アイトが来た。って事は鎧野郎は全員倒したって事か?
「アイト、さっきは助かった!これでテンプルナイツは全滅か?」
「はい、今サノさんがとどめを刺したので最後ですね。間に合ってよかったです」
「あの助っ人、サノって言うんか。初めて見るけど、まさか新人か?」
「はい、先月新たにマール様が召喚した地球人です」
「はぁ?!先月?それでB4まで潜って来たってのか?すげぇ早えな……」
「あの鬼人ボディと相性がとても良いみたいです。まだ一回もリタイアしてませんし」
「はー、まぁあの戦いっぷり見りゃ、まぁ納得だわな。すげぇ新人が入ったもんだ。こりゃ期待できそうだ」
戦闘に関して一家言を持つギゼさんから見ても、やはりサノさんの戦闘能力はすごいみたい。初めてのB4フロア、初めてのテンプルナイツ戦、その両方を軽くこなしてしまったように私からは見えた。しかしなぜ防衛が主体のテンプルナイツが、マゼランポイントの守備隊に襲いかかってたんだろう。しかもほとんど出現しなかったB4で。サノさんをマゼランポイントに登録した後、マール様にこの事を報告しなければ。




