第6話
当たり前の日々に退屈していますか?突然、当たり前ではない日常に放り込まれたら、貴方は何をしているでしょうか?
「シン!
君は大きいし、強いな!
母様へお渡しする薬草を採るのを手伝ってくれないか?」
ボクは少し考え頼る人がいない事が頭に浮かび、
「王子様、お手伝いさせてください。
その代わりといってはなんですが、ボクは道に迷ってしまった様でどこに向かえば良いのかもわからず……
近くの街でも構いません、案内して貰えませんか?」
「シン、それでは薬草が採れたら我がトザス王国に迎えいれよう。
王国に戻ればシンの行き先がわかるかもしれないよ。」
リオン王子はボクの目をまっすぐ見て話し、吸い込まれる様な感覚を覚えた。
「……王子様、ありがとうございます。」
そうしてボクは王子様達の薬草採りのお手伝いをすることになった。
まずは川の向こう岸に行く必要があるが、橋が見当たらない。
「川を渡る為の橋はどこにあるんですか?」
ダガルは重そうに口を開き、
「この川は雨が降ると直ぐに氾濫し、橋を架けても直ぐに壊れ、流されてしまうのです。
その為、この川はこのまま渡っていくしかありません。」
今日も1日無事過ごせて良かった。