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【書籍化】高卒、無職、ボッチの俺が、現代ダンジョンで億を稼げたワケ〜会社が倒産して無職になったので、今日から秘密のダンジョンに潜って稼いでいこうと思います〜  作者: 砂糖 多労
第五章 ボッチ男とSランクダンジョンの島【後編】

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第14話 隠れ里④

「この門は設置型のアイテムじゃからな。エネルギーの供給のためにこうせざるをえんのじゃ」

「設置型のアイテム?」

「それについては僕から説明しよう」


 雅は水をえた魚のように話し始める。

 雅って本当に説明好きだよな。

 まぁ、気持ちはわからなくはないのだが。


 普通の武器や防具は探索者の魔力を元に動く。

 使用者の魔力を使わないアイテム系は基本的に使い捨てのため、作成時に込められた魔力だけで十分なのだそうだ。。


 しかし、この門のように使用者がおらず、永続的に使うものの場合、魔力の供給が難しい。

 中には定期的に魔力を込め、長時間使用するアイテムもあるのだそうだが、人が変われば魔力の質は大きく変わり、魔力効率は極端に落ちてしまう。

 親子であればだいたい魔力の質は似通っているので、代々受け継がれている魔道具みたいなものはあるのだそうだが、代を重ねるごとに初代からだんだんズレてきてしまう。

 そのため、そう言ったアイテムも長くても百年程度しか使い続けられないのだそうだ。


 そこで、昔の偉い探索者さんが思い付いた。

 魔力と感情は似たようなものだ。

 実際、ダンジョンは人間の発する感情を魔力に変換している。

 ダンジョンと同じように、『周りから感情を集めて、それを魔力に変換してしまえば良いのではないか?』と。


 感情から魔力を作るのは魔力を直接供給するのより効率は悪い。

 だが、質の違う魔力を供給するよりは少し効率がいいらしい。

 それに、感情を集める方法であれば多くの人から集めることで一人当たりの消費量は少なくすることができる。

 この門のような大掛かりな魔道具でも探索者が千人もいれば消費していると気づかない程度に下げることができるらしい。


「でも、隠れ里には常時千人も探索者がいるわけじゃないからね。周りの感情を増幅する装置をつけることで一人当たりの吸収量をあげてるんじゃないかな?」

「ふぉっふぉっふぉっ。その通りじゃ。さすがじゃの」


 隠れ里は夏の時期であれば千人以上の探索者がいるが、オフシーズンとなる九月から翌年の七月上旬までは探索者が百人もいない。

 そのため、より効率的に魔力を集めるために、周りの探索者の感情を刺激するような機構が組み込まれているのだそうだ。


「そうは言っても、それは半分建前で、修行の一環という要素が強いんじゃがな」

「……なるほど」


 門は二、三年分は魔力を貯められるようにできているらしい。

 そのため、夏の間に貯めた魔力だけでも崩壊せずに使い続けることも可能なのだそうだ。

 それでも、感情を増幅する機構がついているのは、隠れ里が上級探索者候補生の修行場所であるということが一番大きい理由らしい。


 魔力と感情は同じものだといわれている。

 そのため、感情を制御することで魔力の制御力も上げることができる。

 そこで、常時感情を刺激されている環境を作ることで修行の一環としているみたいだ。


「それは、きびしいですね」


 言われてみれば、結構感情が刺激されているように思う。

 こんな状況で生活するのは修行といえどかなり大変そうだ。


「ふぉっふぉっふぉっ。安心せい。ここほど感情が掻き立てられる場所はないからの」


 どうやら、門の近くのこの場所は一番感情が掻き立てられやすいらしい。

 門の影響が一番大きいというのもあるが、この場所で発せられた感情の吸収効率がいいので、お店などをこのエリアに集めて感情が掻き立てられやすくしているらしい。


「……それは、きびしいですね」

「ふぉっふぉっふぉっ。これもまた勉強じゃ。少しは痛い目を見たほうが覚えるじゃろ?」


 感情が掻き立てられやすい場所にお店があるということはそこでお金を使ってしまいがちになるということだ。

 よく見ると、あのクレープ屋さん、クレープにしては結構高い。

 まぁ、ボリュームがかなりあるから、そこまでぼったくりというわけではないと思うが。

 結構お高い店にもかかわらず、京子と朱莉の二人は二つ目のクレープを注文している。

 今度はジャンボサイズにしたみたいだ。


 あの二人はお金で苦労したことがあるから、普段はあまりスイーツとかにお金を使わないのに。

 あのクレープ屋さんが美味しそうというのもあるが、門の影響も少なからずあるだろう。


 しかも、外から来た人が一番最初に来る場所がここって、半分詐欺みたいなものじゃないか?

 里長の対応から見ても、京子たちみたいになる人は多いように思うし。

 クレープ屋さん以外の店の店員も虎視眈々と俺たちの方を見ている。

 いいカモが来たとでも思っているのかもしれない。


 いや、里長が一緒にいるのにそれはないか?

 ……ないといいなぁ。


「クレープは歩きながらでも食べられるし、そろそろ移動するかのぉ」


 里長はこちらに戻ってくる二人を見ながらそんなふうにいう。

 その二人の右手と左手にはさっきより一回り大きなクレープが一つづつ握られていた。

お読みいただき、ありがとうございます。


おかげさまで6月20日に一巻が発売されます。

挿絵(By みてみん)

続刊につながりますので、購入してくださるとうれしいです!


発売日の20日まで毎日3話投稿していきます!

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